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【現役看護師が伝える】インフルエンザやコロナかもと思ったらどうしたらいい?

moeca看護師

インフルエンザやコロナかもと思ったら

インフルエンザやコロナを疑う場合、多くは高熱や咳、学校や保育園の流行状況で判断する親御さんが多いでしょう。
重要なのは症状・流行状況・熱が出てからの時間・ご家族の状況・直近の行動です。

ここからは上記の5つに加えて、現場で働く私が見た臨床症状の特徴や受診のタイミングをお伝えしたいと思います。

1.症状の違い

現場で働いていて見ていると、似ているようで少し症状の違いがあります。
【コロナ】
熱、咳、腹痛、嘔吐など色々な症状が出るが、比較的すぐに改善する。熱も微熱が続いたり、そこまで高くないことも。しかし、咳が残ったりなかなか治りきらない。

【インフルエンザ】
熱、咳、鼻水、頭痛、関節痛がメイン。熱は一気に38度から40度まで上がることが多く、かなりぐったりする。インフルエンザの薬を使用しないと熱が下がらない。

※ただし、これはあくまで私のクリニックで診ている患者さんの一例であり、他院では見解が違う場合があります。

2.感染経路

集団生活をしているお子さんは学校や保育園でもらうことが多いでしょう。特にインフルエンザは集団生活をしている人中心に流行しており、集団生活をしていない人はあまり罹患していない印象があります。
しかしコロナの場合、集団生活をしていない、生後間もないので買い物しか出ていないというお子さんが先に罹っていたりします。

そのため、集団生活をしていないからといってコロナやインフルエンザが大丈夫かと言われると絶対は言い切れません。
また、ご家族が体調崩している場合はご家族経由で何かもらっている可能性があるので、兄妹の園や学校、両親の職場の流行状況も確認しておきましょう。

3.受診のタイミング

「保育園や学校から呼び出しがあった」、「インフルエンザが流行っているので検査してほしい」、「心配だから検査してほしい」
このような声をいただくことが多いのですが、現在インフルエンザとコロナの検査キットが出荷制限がかかり、どこも少なくなっている状況のため、検査数を絞っている医療機関が多いと思います。

また、インフルエンザの検査は発熱から最低でも12時間、推奨は24時間経たないと正確な結果が出ないと言われています。
そのため、来院時に24時間経っておらず検査して陰性だったが、次の日になったらインフルエンザ陽性だった、という例が増加しています。

インフルエンザの場合、高熱のためしんどいのはわかりますが、自宅に解熱剤がある場合はそれで対応してもらっても問題ありません。
検査は発熱から24時間以降(最低でも12時間以降)で実施するのが望ましいので、それくらいに受診すると何度も来ないで済むかと思います。

しかし、コロナは比較的発熱後すぐに検査で拾うことが多いので、インフルエンザとコロナが同時に検査できるキットで検査して、コロナは陽性になることはよくあります。


コロナの場合、症状は多岐に渡るため、普通の風邪との鑑別はとても難しいです。
現場で見ていても、嘔吐で来る人、37度台の熱だけの人、38度出たがすぐに解熱した人、咽頭痛だけの人、下痢や腹痛がある人など様々です。
そのため、診察のみで「コロナは絶対大丈夫!」と言い切ることは難しくなっています。

発熱がある、集団生活をしている、となるとコロナは否定できないという状況ですし、感染力が強いため、集団生活の場では検査をしてきてほしいと思われるでしょう。
しかし現在、様々な感染症が流行していることで、コロナの検査の受容も増えており、医療現場では検査キットが不足している状況です。


全ての患者さんを片っ端から検査するわけにはいかないので、
受診して、かえって時間がかかる上に思ったように検査してもらえなかった……
とおっしゃる患者さんも増えてきています。
そのため、どうしても検査したい方は、自宅でコロナの検査キットを購入しておき、心配かなときはご自身で検査をすることをおすすめします。

4.インフルエンザやコロナだとわかったら?

決められた5日間はしっかり休みましょう。
そして、症状が残っている場合には無理に出勤や登校せず、休むようにしましょう。

以前のようなしっかりした隔離は必要ないと言われていますが、インフルエンザもコロナも普通の風邪よりも感染力がかなり強く、長く続くので、できるのであれば自宅内でも隔離した方がよいでしょう。

療養期間の5日間は終わったからと、症状が残っているのに行ってしまうことで、社内や学校で感染を広げてしまう原因になってしまいます。
症状が残っている間は必ず休んでできる範囲の隔離をするようにしましょう。

いかがでしたか?
インフルエンザやコロナが流行している今、自分が感染しないように、周りにも感染させないように配慮して生活できればいいですね。
この記事が参考になれば幸いです。

看護師

小児科、訪問看護、病院、クリニック、派遣など色々な働き方をしてきた私が伝える自宅で看れる、実践できるTips、実際/病気を持つ私が伝える対処法

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