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【宮城県 松島町】岩肌と新緑のトンネルが神秘的!改めて訪れたい重要文化財 [日吉山王神社]

Molly Chibaフリーランスライター(東松島市・松島町)

宮城県松島町には、目立たない重要文化財というのが存在する。それは、どうしても「瑞巌寺(ずいがんじ)」、「五大堂(ごだいどう)」などの観光施設や名所の背後に埋もれてしまいがちだが、実はとても魅力が詰まっている場所(建築物)なのだ。
この記事では、その隠れてしまっている文化財を改めてご紹介していこう!

隠れた重要文化財。それは松島町内のJR松島海岸駅から徒歩約7、8分の場所にある「日吉山王神社(ひよしさんのう じんじゃ)」。場所は、同駅を背にして左方向のやや山手側に存在する神社だ(※詳細の住所はページ下部に記載)。

表通りから外れた住宅地の奥に存在するため、非常に静かな場所で、更に境内奥は山の中へとやや入り込んでいるので、どことなく神聖な雰囲気に包まれているのが特徴だ。

さて、この日吉山王神社が完成されるまでには、長いドラマのような物語が存在する。それをギュッと端的にまとめたものが、入り口(鳥居)そばの看板に記載されているので、訪れた際には是非、現物をチェックしてみよう。この記事では、ちょっとだけその物語をやわらかくご紹介。
西暦828年に円仁(えんにん、別名:慈覚大師)という方が、現在の滋賀県にある山王社(さんのうしゃ)という神社から、分霊を勧請*(※神社などに祀られている護神にお願いして、どうか離れた土地にも来てほしいと願い祈る行為のこと)そして建てられたのが日吉山王神社だ。
当初は、円仁さんが '五大堂そばの丘の上' に分霊を祀ったそうだが、その後の1639年に、当時の瑞巌寺の住職により、上記写真の場所にちょっと移動をしたそうだ。なぜ、当時の瑞巌寺の住職が移動しようと思ったのかは筆者は不明だが、おそらくその行動にも背景があったはずだ。その後、現在(2023年)までに数回の修理や補強が行われている。

歴史を知った上で、早速鳥居をくぐり中へと進んでいくと、すぐ目の前には階段。そしてその横には華やかな八重桜に、涼しげな木々がアーチ状のトンネルをつくりあげている(※2023年4月末時点の景色)。

階段は、大きな岩の間を通過していくような造りで、左右の岩肌に触れるとひんやり!
どこか異国の地の遺跡の中を歩いているかのような雰囲気だ。上を見上げれば、天然の爽やかな緑色の屋根(植物たち)があり、スーッとリラックスするような気持ちになる。癒されながら、上へと登っていくと・・

ちょっと広めの砂利の広場に到着。奥を見つめると更に階段が続いているので、より上へと登ってみることに。

・・・と、ちょっとその前に!ここの広場の周囲をぐる〜りと眺めてみると、とにかく木々の葉の色合いが綺麗。なので、急いでいなければちょっと眺めてから先へと進むことをおすすめしたい。(この景色は4月末から5月の時期限定だ)

階段を登り切ると、そこには重要文化財である本殿の姿が目の前に!
2頭の狛犬に見守られ、どっしりと構えているその姿は文化財という貫禄を感じ、周囲の木々なども含めて全体が非常に神秘的な空間だ。
本殿の建築デザインなどの詳細部分は、是非、皆さん実際に現地を訪れ見ていただきたい。雰囲気など、その場の空気感というのは実際に行かないと感じられないのが、面白いところ。
松島海岸周辺でちょっと静かな場所でリラックスしながら、散歩をしたい時なのはおすすめの場所だ。そして、松島の歴史を知ることが出来るもの、ここの面白さのポイント。
明日の天気予報をチェックして、さあ行ってみよう!

名称:日吉山王神社(ひよしさんのう じんじゃ)
住所:宮城県宮城郡松島町松島町内4

フリーランスライター(東松島市・松島町)

日本出身/日本と英国を拠点に活動。自然と動物が大好きな人間です。国内地域ニュース、日英サッカーコラム、サステナブル・ツーリズムに関する記事を執筆中。

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