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【宮城県 松島町】あなたは気づいていた?石碑'東北ヨット発祥の地'の存在 [浪打浜地区]

Molly Chibaフリーランスライター(東松島市・松島町)

宮城県松島町の松島湾周辺には、見過ごしてしまいがちな文化財に指定されている石碑や、作品などが多く点在している。以前の記事でもいくつかご紹介したきたが、例えば英国の詩人エドマンド・ブランデン氏の石碑タイルアートで松島湾を表現したベンチ、そしてなんと隠れミッキーまでがひっそりと松島湾周辺に存在。
今回も一見するとあまり目立たないのだが、非常に興味深い「石碑」をご紹介していこう!

それは「東北ヨット発祥の地」と刻まれた石碑で、短い説明文に加えてブロンズ製のヨットの絵が組み込まれている小さな碑だ。そこにはタイトルにある通り、東北地方で初めてヨットのセーリング(※風を動力としてヨットを海上で押し進めること)が松島湾で行われた旨が記載されている。
その文面の一部には、昭和13年5月に東北帝国大学(現在の東北大学)の有志により、東北の水域初のヨット2隻が松島湾に浮かんだとある。東北大学によると、当時の大学総長だった「本多光太郎」氏は、その記念すべき日にシルクハットとモーニング姿でヨットに試乗したそうだ。当時はきっと、初めてヨットという物が松島湾に浮かぶぞ!と、大勢の人々が駆けつけたのではないかと想像する。

ここで少し深掘りすると、'日本国内'では1882年に神奈川県横浜で初めて日本人がヨットを製造し、その後に同都市の葉山地域で初めてヨットセーリングを行ったと言われている。そのため、葉山には「日本ヨット発祥の地」という石碑が建てられているそうだ。なんとなく一昔前までは、ヨットというとパッと思い浮かぶのが、ゴージャスで優雅な雰囲気。スポーツというよりも、海と風を楽しむものという雰囲気がある。しかし現在ではヨットといえども、かなり多種類のものが存在しスポーツの競技種目としてもしっかりと存在感を放っている。

▲ ヨットハーバーを見守る猫
▲ ヨットハーバーを見守る猫

話は石碑に戻り、昭和13年の記念すべき松島湾ヨットセーリングから現在まで、永く'松島とヨットの絆'は生き続いていて、「雄島」の表入口すぐそばには立派な「ヨットハーバー」が建てられるほどになった。宮城県内の大学の生徒たちを含め、学生以外のヨットを愛する人々によって賑わっている。そう、これからは松島といえば「ヨット」と自信を持って声をあげたい。なぜならば、東北ヨット発祥の地なのだ。

▲ さて、一体どこに石碑はあるのだろうか・・・?
▲ さて、一体どこに石碑はあるのだろうか・・・?

さて、ご紹介した石碑の場所だが、JR松島海岸駅前にある「松島海岸グリーン広場」内のどこかに存在する。ここでは具体的な場所はあえて秘密として、是非実際に皆さんに発見してもらえたら嬉しい。人々が通行する場所に存在するのだが、目に留まりにくいのか立ち止まって眺めている姿を見かけたことが無い(あくまでも筆者の経験上)。なので、この機会に散歩をしながらでも、チラッと松島とヨットの繋がりを知ってもらえたらハッピーだ。

▲ 松島ヨットハーバーのヨット
▲ 松島ヨットハーバーのヨット

昭和13年以降、松島湾の風景にはヨットの姿と、それを囲む人々の長い歴史が刻まれている。松島には、まだまだ多くの歴史深いドラマが存在する。これは引き続き、目が離せないぞ!

名称:東北ヨット発祥の地
住所:宮城県宮城郡松島町松島浪打浜10-3(松島海岸グリーン広場)

フリーランスライター(東松島市・松島町)

日本出身/日本と英国を拠点に活動。自然と動物が大好きな人間です。国内地域ニュース、日英サッカーコラム、サステナブル・ツーリズムに関する記事を執筆中。

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