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【宮城県 松島町】気軽に立ち寄れるのがイイネ!和と洋が織りなす美しい庭園 [高城地区]

Molly Chibaフリーランスライター(東松島市・松島町)

日本語には、和洋折衷(わよう せっちゅう)という四字熟語が存在する。日本らしい和風の装いと、海外の国の雰囲気などを織り交ぜた状態のことを指す言葉だ。
宮城県松島町の高城地区にある「海とガラスと庭園のミュージアム / 藤田喬平・藤田潤ガラス美術館」には、和洋折衷という言葉がしっくりくる静かで美しい水上庭園が存在する。
同庭園にあるフランス風の渡り廊下やチャペルの美しさ、そして展望スポットに腰掛けて過ごす静かでゆったりとした時間が素晴らしかったので、皆さんにご紹介していこう!

まず水上庭園への行き方だが、施設内の無料エリアにある「ミュージアムショップ」と「企画展示スペース」を経由する順路と、有料エリアである「常設展示室」を経由する順路の2つの方法がある。常設展示でガラス作品をじっくり堪能してから庭園に向かうか、ショップと企画展示を眺めて庭園に出るか、お好みで自由に選択することが可能だ。いずれの場合も、総合受付窓口でチェックイン(入館手続き)をしてから中に進もう。

水上庭園入口から、まずは展望スポット(上記写真の建物奥)へと向かうために、渡り廊下を歩いて行くのだが、この廊下の床に注目したい。建物は全体的に木造で壁は土塗りのような、和風の装いだが床は「ヘリンボーン」という、イメージとしては魚のニシンの骨のようなデザインを取り入れているのだ。ヘリンボーンの床は、なんとフランスのヴェルサイユ宮殿でも採用されているデザイン。フランスの国王だったルイ14世が宮殿を建造し、現在は同国の世界遺産として登録されている歴史的建造物だ。

そして、次に着目したいのが壁に組み込まれている、丸いステンドグラス。ガラス美術館なので、ガラス素材のデザインが庭園内に上品に散りばめられていて、周囲の和洋風の雰囲気に溶け込み美しい。
以前に筆者が庭園を訪れた際に、偶然海外からお越しの方々がこの展望スペースで熱心に記念撮影していたので、庭園のどこが素敵かを伺ったところ、やはりヘリンボーンデザインの床と、丸いステンドグラスが可愛らしいという意見だった。

ステンドグラスは、渡り廊下側から見つめると自然光によってガラスの色が明るく映し出されて、より魅力的に見える。筆者が訪れた日は、あいにくの曇り空だったため光が弱かったが、是非皆さんには、晴天時のステンドグラスの醍醐味を体感してほしい。神秘的で素敵な雰囲気を目にすることが出来るぞ。

展望スペースから庭園内に出ると、隣接しているホテル「松島 一の坊(まつしま いちのぼう)」の庭と繋がるようにして、広大なスペースに多種類の植物が植えられている。背の高いものから小さな花々まで、場所によっては特に区切りを付けずに自由に多種類の花が咲いているスタイル。一方で、しっかりと庭設計されている箇所もあって、メリハリのある庭園だ。上記写真のチャペルは、外観を遠くから眺めるのも素敵だが、是非小窓から中を覗いてみてほしい。中には、素敵なステンドグラスの世界が広がっているぞ。

美術館や博物館と聞くと、どうしても観光施設としての印象が強いのだが、意外と地元で暮らす皆が気軽に利用出来る施設でもある。実際に、何度か筆者が体験してみて感じたことは、ふらりと立ち寄って美味しいコーヒーを飲みながら、そして展望室のベンチに腰掛けて、ゆったりと景色を眺めながら30分程度でも過ごすと、なんだかスッキリとして上質なリラックス効果が得られたと感じる(個人差はもちろんあるが)。加えて、地元だとわかってはいるが、ちょっと遠くに出かけたような気分にもなってくる。広い敷地のチャペルのある庭に、ステンドグラスや、ヘリンボーンの床などから異国情緒を得られるからかもしれない。

最後に、ここまで水上庭園にスポットを当ててご紹介してきたが、館内の企画展示スペースでは(2023年)5月29日(月)まで「第26回 佐藤隆春 油彩画展」を開催中。なんと、実際に作品の購入も可能だ。画伯ご本人が展示スペースに滞在している際には、直接ご本人から作品についてのお話もお伺いすることも出来るので、絵が好きな方はは特におすすめだ。
現在(5月27日時点)、会期終了間際となるが、是非気になった方はまだ間に合うので覗いてみよう!

施設名称:海とガラスと庭園のミュージアム / 藤田喬平・藤田潤ガラス美術館「水上庭園」
住所:宮城県宮城郡松島町高城字浜1-4
休館日:不定休 ※施設公式ホームページの'カレンダー'で休館日の詳細をお知らせ中です。
営業時間:9:30 - 13:30 ※最終入館13:00まで
施設公式SNS:公式インスタグラムのページで館内のイベント情報などをチェックしよう!

フリーランスライター(東松島市・松島町)

日本出身/日本と英国を拠点に活動。自然と動物が大好きな人間です。国内地域ニュース、日英サッカーコラム、サステナブル・ツーリズムに関する記事を執筆中。

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