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【宮城県 東松島市】人々が集う2024年幕開けに密着 -野蒜水門と海岸- [野蒜地区]

Molly Chibaフリーランスライター(東松島市・松島町)

2024年1月1日。時計の針が朝6時を過ぎた頃、宮城県東松島市では地域の人々がいそいそと動き始めた。

向かう先は、太陽が昇る南東の方角だ。

市内野蒜地区にある東名運河(とうなうんが)の「野蒜水門(のびるすいもん)」では、6時40分時点で周辺の空き地は多くの車で埋め尽くされていた。

野蒜水門は一級河川「鳴瀬川(なるせがわ)」の河口に位置するため、すぐ目の前には雄大な太平洋が広がる。

小高い堤防沿いには、うっすらと人々の影が列をなして「野蒜海岸(海側)」へと歩いていく姿があった。そして幾分かの人々は水門に残り、じっと水平線を見つめ次第に空が橙色に染まっていく情景を眺めていた。

時刻は6時45分を過ぎた頃、鳴瀬川で生活をしている野鳥たちが『クァクァ』と鳴き始め「日の出の合図」を告げる。すると、水平線に寄り添うように沈んでいる雲には、オレンジ色の光が浮かび上がり始める。

『いよいよだ』

どこからともなく駆け寄る人々。
子どもたちも目を輝かせて、ジッと水平線を見つめる。

ちょうど7時をまわったころ川と海の水面は徐々に琥珀色に輝き始め、2024年の初日の出を迎える。思わず目をとじてしまいそうになるほど、美しい時間がゆっくりと流れ周囲を包み込む。

思わずにっこりと微笑む人、カメラを一生懸命に構える人、両手をあわせ目を閉じる人、真剣な表情でジッと見つめる人。

それぞれのスタイルで一度限りの「2024年初日の出」の瞬間を過ごす。
世界各地で様々な過ごし方があるけれど、日本の元旦には「静寂と美しさ」という言葉がどこかに存在する。そんな神秘的な空気感がある。

7時10分を迎えると周辺は大きな太陽の光にすっぽりと包まれ、道路には帰り足の人々の車で長い行列をつくっていた。

そして、7時20分頃に野蒜水門から車で約1、2分の「野蒜海岸」へと移動すると、砂浜や堤防にはまだまだ多くの人の姿があった。

大人も子どもも、みんなが海を眺めたり座ったり、駆け回ったり。
そして空には太陽に照らされた「レインボーカラーの連凧(れんだこ)」が自由にのびのびと舞っていた。

今年はどんな一年になるのか誰もわからないけれど、どんなことがあっても時間はどんどん流れていく。せっかくなら、嬉しいこと楽しいことはちゃんとどこかに閉まっておきたいものだ。

2024年が皆さまにとって素敵な一年になりますように。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

名称:野蒜水門(のびるすいもん)、野蒜海岸(のびるかいがん)
住所:[東名運河/野蒜水門] 宮城県東松島市野蒜立石、[野蒜海岸] 宮城県東松島市野蒜南余景

フリーランスライター(東松島市・松島町)

日本出身/日本と英国を拠点に活動。自然と動物が大好きな人間です。国内地域ニュース、日英サッカーコラム、サステナブル・ツーリズムに関する記事を執筆中。

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