ほんの少し、まとまった休みが手に入ったら立派な宿にでも泊まって、のんびり温泉に浸かりたい。きっと、素敵な思い出にもなる。

だけど泊まるっていうのは、すっかり「旅」のようで、大きなことにも感じる。もっと気軽に、たとえば思い立った時に、宿の温泉だけを楽しむのも結構いいもの。

宮城県松島町の垣ノ内地区にある「花ごころの湯 新富亭（しんとみてい）」は、日本三景松島にいくつかある観光ホテルの1つ。国内に限らず海外からのお客さまも多いから、朝から晩まで大忙し。
そんな「観光宿の風格」が漂うホテルだけど、実は地元のみんなも楽しめる、うれしい日帰り温泉がある。

予約せずにフラッと立ち寄っては、大浴場で『だぷ〜ん』とたっぷりの湯を揺らす。

『うわあ、いい湯だぁ』

浴室内には大きな木枠のお風呂が2種類と、外には直径170センチくらいの丸形の露天風呂もあって、ゆったりと好きな場所で湯を楽しめるから嬉しい。

「新富亭」はJR仙石線の松島海岸駅から瑞巌寺方面へ向かって、ちょっと奥の小高い丘を登ったところにある。

歩く時間は、だいたい15分。ちょっと足が疲れてきたなぁというタイミングで、新富亭の可愛らしい看板が顔を出す。

小さな看板が見えたら、もうすぐ。
そして到着した時には『ああ、お湯に入りたい』という気持ちが、ぐーんと頭のてっぺんまで。

坂道を歩いて来たからこそ、余計に嬉しい「湯」。
じんわりと沁みる温かさに『いい湯だったよ』と、ポツリと誰かに伝えたくなる。

『温泉行きたいなあ』

そう思い立ったら「タオル」をリュックに詰めて、ふらりと浸かりに行ってみる。
日帰り温泉は、なかなかいいものだぞ。