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【専門家解説】年末年始で子どもの生活リズムが乱れるデメリットと対処法

ねんねママ(和氣春花)乳幼児睡眠コンサルタント

年末年始、どのように過ごされますか?

帰省していつもの生活パターンが変わったり、冬休みでつい遅寝遅起きしたり、年末年始は生活リズムが乱れがちな時期ですよね。こういった生活の中で、子どもも生活リズムが乱れることが多くあります。

この記事では子どもの生活リズムを乱しかねないNG習慣と、一度乱れてしまったリズムを戻すためのコツを乳幼児睡眠コンサルタントねんねママが解説します。

子どもの生活リズムはなぜ大事?

人間にはサーカディアンリズムという体の中でおおよそ24時間のリズムを刻む機能があります(体内時計のイメージです)。

良い眠りのためにはこの体内時計が重要です。これがしっかりと機能することによって、いつもの就寝時刻に近づいたらだんだん眠くなり、起床時刻になれば目が覚めるというようにリズムを刻むことができるのです。

ところがこれが毎日バラバラになってしまったり、いつもと違うリズムで動いてしまったりすると、体が混乱してしまいます。すると、もう寝てほしい時間なのに眠くならならず夜更かしになってしまったり、パパやママが一生懸命寝かしつけようとしてもなかなか寝てくれなかったり、深夜に覚醒して何時間もおしゃべりしはじめてしまったり…というねんねトラブルにつながります。

だからこそ、生活リズムを整えることが、大人にとっても子どもにとっても良い眠りのもっとも大切なポイントなのです。

生活リズムが乱れるNG習慣

お仕事がお休みの日くらいゆっくり寝たい、面白いテレビがやっているから夜更かししてしまった、寒くて起き上がれない…など、年末年始のあるあるですよね。

ここではこの時期に起こりやすい生活リズムの乱れのポイントを3つ挙げて、対策を解説していきます。

①起床/就寝時刻がバラバラ

まず大事なのは起床時刻です。起きる時間がバラバラなのに、同じ時間に眠ることは難しいです。

まずは起床時刻をいつもと同じように保つように(できるだけ!)心がけましょう。そうすれば自然といつもと同じ時間に眠くなるリズムを保ちやすくなります。

とはいえ、せっかくのお休みの日。どうしても眠い、起きられない…ということもありますよね。そんなときにおすすめなのは「交代制」をとること。

ママが起きる日、パパが起きる日を交互にする作戦です。眠たいのはパパもママも同じ、だからこそお互いがお休み(お寝坊)を満喫できるよう、起きる係をする順番を決めておく方法、やってみてください。

本当は大人も生活リズムは大事ですが、そこはせっかくのお休みなので、せめてお子さんの生活リズムだけは保つために有効な方法です。

起床後はカーテンを開けて、午前中のうちに日光を浴びましょう。できればお散歩もおすすめ。日光を浴びることで体内時計が整います。

②二度寝

大人の年末年始は二度寝をしがち。しかし、子どもたちは休日祝日関係なく、同じ時間に起きてくることが多いもの。日頃から体内時計のしっかりできている子ならなおさらです。

お子さんに起こされて「もう〜まだ寝かせてよ〜」とついつい添い乳でなんとか寝かしつけようとしてしまったり、抱っこをしてお腹の上で続きを寝かせてしまったりしがちなのですが、予定がなくても一旦時計を確認しましょう。

普段のようにアラームが鳴らないので感覚が狂いがちですが、実はぴったりいつもの起床時刻!ということも。子どもたちの体内時計の正確さは、私たち親を驚かせてくれます。

③寝る直前までテレビ

年末年始は特番が多くテレビが面白い時期。家族みんなで寝る直前までテレビ…ということも起こりがちですが、テレビの光は眠りの質を下げる要因になってしまいます。

「ブルーライト」という単語はよく聞かれるようになったのでご存知の方も多いかと思いますが、テレビからはまさにそのブルーライトが放出されています。寝る前にこのブルーライトを浴び続けると脳が覚醒してしまい、眠りにつくために必要なホルモンの分泌を抑制してしまいます。

できれば就寝の1時間前には一度テレビを消し、明かりを少し落とした落ち着いた空間でいつものルーティーンを行い、就寝モードを作ってあげられると良いでしょう(そうとはいえ、せっかくの年末年始なので”今はトクベツ”という考えももちろん大切ですが!)。

乱れた生活リズムを戻すコツ

生活リズムを整えるための最重要アイテムは「日光」です。

まずはいつも通りの起床時刻に起きて、カーテンを開けて日光を浴びましょう。

年末年始の遅寝遅起きの生活リズムが定着してしまっていると、早起きをしても夜もなかなか寝てくれない日が続くかもしれませんが、ここが踏ん張り時。

生活リズムを改善するためには「一時的な睡眠不足は必要な犠牲!」と割り切って、遅寝をしてもいつも通りの時刻に起きることを続けてみてください。だんだんに元のリズムに戻すことができますよ。

いつもと違う環境に置かれると眠りづらくなったり、興奮して寝つきづらくなったりするお子さんもいます。そういったときはいつも通りの寝かしつけ方を求めすぎず、少し手厚い寝かしつけになることも覚悟しておくことが大事です。

刺激的な日中を過ごした分、ぜひ寝る前はいつも通りのルーティーンといつも以上のスキンシップでリラックスさせてあげることを心がけてみてくださいね。

乳幼児睡眠コンサルタント

乳幼児睡眠コンサルタント。株式会社mominess代表。自身が夜泣きに悩んだ経験から国内外の乳幼児睡眠に関する資格を取得。0〜3歳モンテッソーリ教師資格保持。YouTube「寝かしつけ専門学校ねんねママチャンネル」やInstagramなどで発信を続け、2023年現在、SNSの総フォロワーは18万人超。運営する「寝かしつけ強化クラス」では月間200問以上の睡眠に関する質問回答を行っている。著書に『すぐ寝る、よく寝る 赤ちゃんの本』『〇✕ですぐわかる!ねんねのお悩み消えちゃう本』がある。

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