Yahoo!ニュース

【河内長野市】中世の再現?文化の日に観心寺境内で初めてマルシェを開催!恩賜講堂では108人のヨガも。

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市は、単独で「中世に出逢える町」という日本遺産に認定されています。

正直を言って、この「中世に出逢える」といわれてもいまいちピンと来ていなかったのですが、この中世と河内長野との関係についてしっかり知ろうと、秋から急に活発になってきた公民館主催のセミナーに参加しました。

そのおかげで「中世に出逢える町」の意義についていろいろと勉強させていただくことができました。

今年の夏に行われた京都国立博物館
今年の夏に行われた京都国立博物館

例えば、この夏、京都国立博物館で特別展を行うほどの文化財を有している観心寺と天野山金剛寺ですが、セミナーを通じて中世のころはミニ高野山のような状態だったということを知りました。

また先日、観心寺から国道を挟んだところにある川上公民館でのセミナーを受けたときの話ですが、中世のころの観心寺の敷地は大変広く、現在の川上公民館のあたりも観心寺の境内だったそうです。

セミナーを終えてから観心寺周辺を少し散歩しました。いまはこうやって国道が奈良県まで続いているのに、当時はこの辺りはすべて観心寺の境内だったとのこと。

今では考えられないほど大きな場所だったんですね。またこの国道の先には観心寺七郷と呼ばれる観心寺の領地が続いていたそうですから、当時の観心寺勢力の強さが、セミナーを通じてよくわかりました。

観心寺子院 槙本院の中にある観心寺KURIさん
観心寺子院 槙本院の中にある観心寺KURIさん

高野山は現在も町全体が大きな寺院になっていますが、中世の観心寺や金剛寺も寺の敷地内が町のようになっており、小さな子院が数多くあったそうです。

現在の観心寺では、観心寺 KURI(庫裏)さんという創作精進料理のお店になっている槙本院が、かつて境内にあった子院の名残りです。

中世の頃の観心寺は境内にいろんな店があって、子院で生活している僧が不自由しなかったそうです。

店といっても中世の頃は現在のような立派な建物ではなく、恐らく簡易的な作りの建物か建物ではない販売スタイル。今のマルシェやフリマのようなものだったとも考えられますね。

ところで、文化の日(11月3日)の11時から観心寺 マルシェ KU-RIが行われます。観心寺の境内には、この日多くのお店が並びます。

中世のことを学んだ直後だからでしょうか。この話を聞いたときにまるで中世の頃の再現のように感じました。では当日、どんなお店が出店するのでしょうか?以下に紹介しましょう。

出店者のひとつ、SWITCH BACKさん
出店者のひとつ、SWITCH BACKさん
  1. 和韓ごはんと、甘いのと。 キンパ(韓国巻きずし)
  2. SWITCH BACK オーガニックやフェアトレードの食材を中心に、欲しいものを欲しいぶんだけ量り売り
  3. 養生菓子処もちねこ 6種類の猫柄によってあんが違う猫のお饅頭「にゃんぢう」
  4. socket 永く愛着の持てるモノ(日用雑貨品)をコンセプトに国内外からセレクト
  5. wash+ 天然木を使って日々の生活で使っていただきやすいカッティングボードを製作
  6. cocochi 日々の暮らしの彩りになるような陶器・陶小物・陶アクセサリーを制作
  7. FOOD TRUCK On そば粉100%の生地は香ばしさと甘みを持ち合わせていて、パリパリともちもちが楽しめます
  8. かなつむり ピアス穴がなくても楽しめる、そんな耳飾りをお届け
  9. himmeli valo 麦わらに糸を通して作る 北欧の伝統装飾品ヒンメリ
  10. savon de franchea 自然の薬草や植物オイルで、ゆっくり丁寧に石けんを作っています
  11. remplir 大阪岬町より、季節のお花を束ねたブーケや、ドライフラワーのリースやスワッグ、枝物等お届け
  12. mano ヴィーガンをテーマに身体に優しいお菓子をひとつひとつ丁寧に作っています
  13. うさぎぱん 甘糀(あまこうじ)から起こした自家製天然酵母のベーグルを販売
出店者のひとつ、養生菓子処もちねこさんのにゃんぢう
出店者のひとつ、養生菓子処もちねこさんのにゃんぢう

地元河内長野の名店のほか、遠く岬町からの出店があるなど、いずれもこだわりの店ばかりですね。

観心寺の境内で出されるマルシェのお店は、遥か中世の時代に存在していたであろう店と重ね合わせてもおもしろいかもしれません。ちなみに各店舗は売り切れ次第終了です。

観心寺 恩賜講堂
観心寺 恩賜講堂

すでに予約は終了したようですが、マルシェと同時開催で、108人ヨガが、恩賜(おんし)講堂で行われるそうです。

恩賜講堂は観心寺の金堂に向かう途中、左に曲がったところ宝物館(霊宝館)の近くにある建物。これは昭和天皇即位大典のために京都御苑に建てられた饗宴場(きょうえんじょう)の一部を1930(昭和5)年に観心寺境内に移築したものです。

2021年の観心寺音絵巻での恩賜講堂
2021年の観心寺音絵巻での恩賜講堂

移築時の設計は、建築家で成田山不動尊や岸和田城を手掛けた池田谷久吉(いけだやひさきち)によるもので、2017(平成29)年に国指定の重要文化財になりました。

文化財の建物の中で、煩悩の数を意味する108人でヨガをするといういうのも面白い試みですね。

余談ですが、現在のスタイルに直接つながるヨガを行った人は1919(大正8)年の中村天風と言われています。ところがそれ以前、平安時代の806年、空海が唐から「瑜伽(ゆが)」と呼ばれる瞑想する修行法を日本に持ち込んだそうです。

真言宗の寺院である観心寺とヨガとの接点も納得ですね。

なお当日の観心寺マルシェを利用する際の注意点として、駐車場は無料ですが混雑が予想されるため、公共交通機関での利用がおすすめ。

またマルシェは観心寺の境内のため、別途入山料300円が必要です。それから雨天の場合は中止するそうです。

秋の紅葉のシーズンを迎え、観心寺も紅葉が美しくなる時期。文化の日にマルシェと紅葉狩り、それから忘れてはいけない参拝と、三拍子そろった祝日の楽しみ方も文化の日にふさわしい気がします。

檜尾山観心寺(観心寺KURI)
住所:大阪府河内長野市寺元475
電話:0721-62-2134
入山料:300円
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 観心寺バス停より徒歩3分
instagram

※記事へのご感想等ございましたら、「奥河内から情報発信」ページのプロフィール欄にSNSへのリンクがありますので、そちらからお願いします。

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

奥河内から情報発信の最近の記事