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【名古屋大須】昆虫食自販機が県内初上陸。昆虫5種を実食

サファーライター(名古屋市)

2月14日、名古屋市大須に昆虫食の自販機が登場しました。

スマートフォンアクセサリーやデジタル雑貨などの企画・製造・販売を行っている「株式会社アイキューラボ」が設置したもので、コロナ禍に適した非対面、非接触の24時間営業となっています。

完全無人市場「MONO-ICHI」の中にあります
完全無人市場「MONO-ICHI」の中にあります

自販機の中には「広島こおろぎ」(税込700円)や「カイコチョコレート(税込1,200円)」「山梨かいこ蛹甲州みそ味(税込700円)」など18種類の商品が並んでいます。常温販売なので持ち帰りもできますし、大須らしく食べ歩きにもピッタリですね。

この日はサソリとカブトムシは品切れ。出遅れました
この日はサソリとカブトムシは品切れ。出遅れました

1番人気は山形こおろぎガーリックマッシュルーム味(税込700円)で、カブトムシやキョクトウサソリ(税込1,500円)、タガメ(税込1,400円)も人気だそうです。

ジャーン。お得なバラエティセット「昆虫ミックス」(1,500円)
ジャーン。お得なバラエティセット「昆虫ミックス」(1,500円)

昆虫食の現在

今後、世界では人口の増加に対して食べ物の生産が追い付かなくなるといわれています。国連食糧農業機関によると、この食糧問題の克服に有効な一手は虫を食べること。

1980年代の調査によると、イナゴやハチノコは40県以上、カイコは27県以上と日本各地で広く食べられていたそうですが、現在は東日本を中心にイナゴ、愛知・岐阜・長野でハチノコやザザムシを食べる文化がみられるくらいだそうです。昔は日本でも虫をよく食べていたんですね。また、世界では現在20億人以上の人が日常的に虫を食べているといわれています。

それに昆虫はたんぱく質が豊富なうえ、良質な油が多く含まれるので、健康の面からも期待されているんですって。

では、未来に向けてレッツ昆虫食。

5種の虫を実食

国内メーカーです
国内メーカーです

内袋を開けて虫を取り出します。

カサカサに乾いています
カサカサに乾いています

入っているのは、ケラ、ジャマイカンフィールドコオロギ、イナゴ、カイコ、スーパーワーム。やはりイナゴは大きく存在感がありますね。あまり考えずに「ひょいぱく」と軽快にまいりましょう。

トップバッターはカイコ

中部地方に生きるものとして、幼少のみぎりより慣れ親しんだおカイコからいただきます。
カイコの油は酸化しやすく臭みが出やすいため味の濃い佃煮にすることが多いのですが、こちらはどうでしょうか。

脚がないので、初心者向けでしょうか
脚がないので、初心者向けでしょうか

「シャクッ」
噛むとホロホロとクッキーのように崩れて、手長エビせんべいのような風味。乾燥カイコにありがちな粉っぽさはよく抑えられています。

塩気のあるものにデッィプしておつまみにしてもいいかもしれません。顔もよくわからないですし、形もコロコロっとしているので抵抗感も少ないです。
乾燥カイコ食品の中でもかなり食べやすいと思います。おすすめ!

イナゴ(バッタ科)

バッタは別名「4枚の羽をもつ鶏肉」。70%がたんぱく質で、脂肪は6パーセントというアスリートのような虫です。大きくて食べ応えがあるため、かつては東北から四国・九州まで広く食べられていました。鉄と亜鉛を豊富に含むので女性にも男性にもうれしいですね。

インパクトのある大きな体。昆虫は牛などに比べ可食部率が大きいのが特長です
インパクトのある大きな体。昆虫は牛などに比べ可食部率が大きいのが特長です

食べてみると足の筋肉由来でしょうか、どこか肉っぽい味わい。癖はなく魚の干物のような香ばしさもあります。佃煮の場合、スパイクの効いたキザギザの足が歯に引っ掛かることがありますが、こちらはパリパリとしているのであまり気になりません。うん、おいしいです!

ジャマイカンフィールドコオロギ

現在、世界で一番メジャーな食用昆虫と言われているコオロギ。高たんぱく低脂肪で、癖がなくやわらかいのが特長です。ヨーロッパやアメリカではコオロギ粉を混ぜたパスタやプロテインバーがあるそうですが、日本でも無印良品からコオロギ粉末入りの食品が発売されたのも記憶に新しいですよね。

日本では全国的に食べられていたわけではなく、山形・新潟・福島・長野あたりで食べられていた記録があるそうです。餌や生育環境によって個性が出せるので今後ブランド化も期待されているとか。

見た目がネックの場合は少しつぶしてみるといいです
見た目がネックの場合は少しつぶしてみるといいです

おしりの突起物はやや気になるものの、なんだか軽やかな味。なぜかコーヒーのような風味も感じられます。食感はサクサクというよりはややボリボリ系。噛んだ時の表面と中の食感の違いも楽しいです。前評判通り癖がないので、可能性を感じます。

ケラ

見た目に光沢はありません。
見た目に光沢はありません。

コオロギに似た味だと感じました。噛んでいると大草原のようなさわやかな香りが鼻に抜けます。若干の苦味がのこるので、スモーキーなウイスキーに合いそうです。

スーパーワーム

撮影の段階でやや油っぽさを感じました。見た目はかりんとうっぽいですね。脂肪分が多くて、ピーナツバターに似た味と聞いたことがありますが果たして??

黒光り
黒光り

よく乾燥されているからか予想通り中のクリーミーさは抜けてしまっているものの、外の食感はバリバリ系で楽しめました。後からやや癖のあるしっかりした味がやってくるのでビールに合うように思いました。唐辛子味にしたらよさそう。胡椒味も捨てがたい。

「人類にとって食べ物とは、口や体だけでなく、意見に合うもの」

と、ある有名な学者は言っています。未来のために、ちょっと試してみるのもいいかもしれませんね!

スタイリッシュ
スタイリッシュ

店舗詳細
完全無人市場「MONO-ICHI」
住所:〒460-0011名古屋市中区大須三丁目30番40号 万松寺ビル1F
アクセス:名古屋市営地下鉄 上前津駅(名城線)徒歩3分
営業時間:24時間

こちらのビルの1階です。パンの自販機も。
こちらのビルの1階です。パンの自販機も。

記事執筆にあたり、こちらを参考にさせていただきました。

・食べられる虫ハンドブック(監修 内山昭一 自由国民社)
・昆虫は美味い!(内山昭一著 新潮新書)
・人生が変わる!特選昆虫料理50(木谷 美咲・内山 昭一著 山と溪谷社)

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ライター(名古屋市)

名古屋在住。会社員、ちょっとの海外生活を経て今に至ります。名古屋で働き、暮らしながら「虫の目」で見つけた気になったもの、「素敵ね」と思ったことをのんびりと発信しています。「ワクワク」や「美味しい」、「へぇ~!」にテクテク歩いて出会っています。ラジオが好きで、聞きながらあちこちへ行く毎日。白黒の猫と暮らしています。

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