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【名古屋東区】徳川美術館で、悠久の「聞香」体験

サファーライター(名古屋市)

梅香る季節、黒門を抜け徳川美術館を訪ねました。お庭をぐるりとまわり、茶室「餘芳軒」へ。

ぽつぽつと降り始めた雨にけぶる若草
ぽつぽつと降り始めた雨にけぶる若草

和の香りを楽しむ 聞香

この日、徳川美術館で開かれていたのは、『聞香』の体験講座(体験料1,000円、別途入館料が必要)。

茶室「餘芳軒」
茶室「餘芳軒」

聞香とは、いくつかの香りを聞いて(嗅ぐことを「聞く」と表現します)、香りの違いを当てるゲーム。室町時代から続く香りの世界へおじゃましました。

硯の横にある細長い紙が解答用紙
硯の横にある細長い紙が解答用紙

今回の体験では「梅」「烟」「香」と名前が付けられた3種類の香りが用意されていて、まず、そのうちの梅と烟の2種類の香りを順番に聞きました。それぞれ「こんな香りね、OK」とインプットしたら下準備完了。

「出香!」とのかけ声でゲームが始まると、梅・烟・香の3種類の香りを、順番がシャッフルされた状態で聞きます。それぞれの香りを鼻と記憶から分析し、“1番目に聞いた香りが『梅』、2番目が『香』、最後が『烟』”といった具合に、用意された紙に三文字を書き付けます。3種類のうち1種類は事前にインプットされていない香りですので消去法で確定する仕組み。正答が多いほど高得点です。なお、あとから「迷っちゃったから、さっきのをもう一度聞かせて!」はできません。

この日使用されたお道具たちと解答用紙のお手本
この日使用されたお道具たちと解答用紙のお手本

感想

10名ほどの参加者のうちほぼ全員が聞香未経験でしたが、3名が全問正解。初めての聞香体験でありながら見事全問正解をおさめた参加者にコツをうかがうと、「普段から庭に咲いた花の香りを楽しんでいるからかも」と教えてもらいました。

私はそれぞれ、「なんか八つ橋っぽい」「焼き芋っぽい」とホニャホニャと記憶しましたが、八つ橋の銘柄や芋の品種まで解像度を上げていかないと、ゲーム中盤で心に迷いが生じるという学びを得ました。香りを記憶するためのとっかかりとなる引き出しの数がものをいいそうです。体験では徳川美術館や香についての解説や質問タイムもあり、充実した週末となりました。

香りの余韻につつまれる帰り道
香りの余韻につつまれる帰り道

徳川美術館で催される講座・イベント情報は、公式HPからチェックしてみてくださいね。

徳川美術館
・住所:名古屋市東区徳川町1017
・アクセス:JR中央線「大曽根駅」から徒歩10分
・開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
・休館日:月曜日(祝日・振替休日の場合は直後の平日)
・駐車場:無料駐車場17台
・入館料:一般1,400円、高大生700円、小中生500円
※毎週土曜日は小・中・高校生は入館料無料
※掲載内容は取材当時のものです。最新の情報と異なる場合がございます。

ライター(名古屋市)

名古屋在住。会社員、ちょっとの海外生活を経て今に至ります。名古屋で働き、暮らしながら「虫の目」で見つけた気になったもの、「素敵ね」と思ったことをのんびりと発信しています。「ワクワク」や「美味しい」、「へぇ~!」にテクテク歩いて出会っています。ラジオが好きで、聞きながらあちこちへ行く毎日。白黒の猫と暮らしています。

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