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まもなく姿を消す築101年の木造駅舎 山陰本線 西浜田駅(島根県浜田市)

清水要鉄道ライター

島根県浜田市にある山陰本線の西浜田駅。101年前の開業時に建てられた木造駅舎が残る駅だが、その駅舎が今年の12月頃より解体されることがわかった。山陰では近年、駅舎の簡素化が進められているが、また一つ木造駅舎が姿を消すことになる。

駅舎
駅舎

西浜田駅は浜田市の長浜地区にある駅で、開業は大正11(1922)年3月10日。開業時は「石見長浜(いわみながはま)」を名乗っており、これは当時の所在地・那賀郡長浜村に由来する駅名だった。長浜村は昭和15(1940)年11月3日に浜田町などと合併して浜田市となり、駅名も昭和24(1949)年12月15日に浜田市の西部に位置することを示す「西浜田」に改称されている。

駅舎(ホーム側)
駅舎(ホーム側)

駅舎は開業時に建てられたもので、今年で築101年。平成2(1990)年3月10日に無人駅になってから、不要になった事務室部分が減築されて待合室部分のみになっている。ただし、残った部分は押縁下見板張りと呼ばれる昔ながらの造りの外壁を残しており、古き良き駅の雰囲気を味わうことができる。

駅舎内
駅舎内

駅舎内は無人化後に改装されたようで、窓口跡などは残っていない。天井も木だが、これも近年張り替えられたものだろう。ベンチは平成24(2012)年以降に取り換えられた比較的新しいものだ。

ホーム上の待合室
ホーム上の待合室

駅舎と反対側のホームには木造の待合室があり、こちらも瓦屋根を載せた年代物だ。山陰ではこのような待合室が多く見られるが、最近は流石に数を減らしてきた。駅舎だけでなく待合室や上屋、便所も合わせて撤去される予定だ。二つのホームを結ぶ跨線橋については改修して引き続き使用される。

ホーム
ホーム

駅舎や待合室の撤去については今年12月頃から来年3月末に行われる予定だが、詳細はまだ未定だ。駅舎を撤去した跡に小さな待合所を新設するとしているが、ホーム上の待合室に関しては代わりのものが造られることはないとされている。便所については駅前の「長浜まちづくりセンター」のものを駅利用者が代わりに使うことができないか検討中であるという。新駅舎に詳細は不明だが、相当小さなものになることは間違いない。西浜田駅の木造駅舎を見たいなら早めに行っておいた方がいいだろう。

鉄道ライター

駅に降りることが好きな「降り鉄」で、全駅訪問目指して全国の駅を巡る日々。

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