一部列車が折り返す白山市の代表駅 北陸本線 松任駅【前編】(石川県白山市)
3月16日の北陸新幹線金沢~敦賀間開業に伴ってIRいしかわ鉄道に移管される予定の北陸本線金沢~大聖寺間。特急停車駅かつみどりの窓口設置駅は松任、小松、加賀温泉の3駅あるが、この中で唯一新幹線停車駅とならないのが白山市の松任(まっとう)駅だ。
松任駅は明治31(1896)年4月1日開業。当時の所在地は石川郡松任町で、昭和45(1970)年10月10日に市制施行して松任市となった。松任市は平成17(2005)年2月1日に石川郡の2町5村と合併して白山市となり、松任駅も石川県第二の人口を持つ都市の代表駅となっている。北陸新幹線敦賀延伸にあたっては、森喜朗元首相らが中心となって白山市への新幹線駅誘致活動も行われたが、採算面から断念された。
松任駅の駅舎は平成23(2011)年8月8日に橋上化されている。それ以前は南口に昭和38(1963)年9月に建てられたコンクリート造平屋建の駅舎があり、北口には簡素ながらも有人の小さな駅舎があった。橋上化にあたっては改札口が一か所に集約されている。平成29(2017)年4月1日には自動改札機が導入され、同月15日からはICカードの利用可能となった。
ホームは片面1面1線と島式1面2線から成る2面3線。旧南口駅舎に面していた1番線が上り福井方面、島式の2・3番線が下り金沢方面で、2番線に普通列車が停車して3番線を通過する特急を退避する光景も見られる。金沢方面へ折り返す列車も2番線に停車する。
車両基地の金沢総合車両所が隣接していたため、構内は広い。国鉄時代は近隣の工場への専用線も分岐していた。1番線に隣接する高架は金沢駅から北陸新幹線の車両基地(白山総合車両所)への回送線で、3月16日以降は北陸新幹線の本線となる。駅舎橋上化はこの高架の建設工事に伴うものだった。
後編では金沢総合車両所など駅周辺を紹介する。