喫茶店が入居する南阿蘇鉄道で最も新しい駅 南阿蘇鉄道高森線 南阿蘇白川水源駅(熊本県阿蘇郡南阿蘇村)
豊肥本線の立野駅を起点に高森町の玄関口・高森駅とを結ぶ南阿蘇鉄道高森線。利便性向上と観光客誘致を目指して新駅設置を積極的に行ったが、全10駅のうち最も新しいのが平成24(2012)年3月17日に開業した南阿蘇白川水源駅だ。
所在地の南阿蘇村による請願駅で、建設費3500万円全額は村が負担している。駅名の由来は駅から北に400mほどのところの白川吉見神社境内にある白川水源だ。昭和60(1985)年3月には環境庁の名水百選にも選定されている。
開業当時、駅舎は建設中で、4か月後の平成24(2012)年7月22日に完成した。交流スペースを兼ねた待合室と喫茶店「駅Café倶利伽羅」から成る合築駅舎で、内部は広々としている。
「駅Café倶利伽羅」は11時から18時の営業で、月曜定休。名物はお手頃価格のハンバーガーで、地元民や観光客から親しまれている。南阿蘇鉄道は飲食店併設の駅が多く、長陽駅、中松駅、阿蘇白川駅にも喫茶店が入居している。
待合室の一方の壁には昭和の日用道具が展示されている。駅近くの「昭和おもいで博物館」の宣伝も兼ねて展示されているもののようだ。右奥には高森線の昔の写真も飾られている。
ホームは単式一面一線。阿蘇外輪山の雄大な風景を遮るものはなく、開放的な雰囲気だ。フェンスには蝶や桜の木のイラストが描かれている。
駅南側に広がる田園は冬期湛水田。南阿蘇の地下水を、稲作をしない冬期も田んぼに貯めることで涵養(かんよう)している。いわば、水を田んぼで寝かせることで育てているのだ。
全国的に見ても珍しい、水源が駅名の由来となっている南阿蘇白川水源駅。熊本地震による運休からも立ち直り、開業から12年目を迎えようとしている。
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