上白石萌歌さん出演「午後の紅茶」CMのロケ地! 南阿蘇鉄道高森線 見晴台駅(熊本県阿蘇郡南阿蘇村)
平成28(2016)年4月14日の熊本地震で大きな被害を受け、令和5(2023)年7月15日に全線運転再開を果たした南阿蘇鉄道高森線。全10駅のうち終点の一つ手前にあるのが「見晴台(みはらしだい)」駅だ。被災地支援の一環で平成28(2016)年から平成30(2018)年の間に放送されたKIRIN「午後の紅茶」のCMで一躍有名となった。
見晴台駅は昭和61(1986)年10月1日開業。同日には加勢(かせ)駅も開業している。開業当時の駅舎はその名の通り、屋上が展望台になった珍しい造りだったが、老朽化により早々と改築されてしまった。旧駅舎時代はそれほど長くなかったのか、ネットで調べてもあまり写真が出てこないが、NHKの記事にはその貴重な写真が載っていた。
展望台付きの駅舎に代わって建てられた2代目駅舎はログハウス風。内部はお世辞にも広いとは言えない。壁には上白石萌歌さんが出演した「午後の紅茶」CMの写真が飾られ、ベンチには駅ノートも置かれている。ノートを見るに、CMをきっかけにこの駅を訪れる人も増えたようだ。
駅前やホームからは阿蘇外輪山の山々を望むことができる。山を越えた先は上益城郡山都町だ。駅前に飲食店などはなく、線内の他の駅と比べると静かな印象を受ける。
駅北方の風景は木々に遮られて見えないが、少し歩くと根子岳や清栄岳などの個性的な形状の山々が見える。根子岳は一説によればギザギザの形が猫に見えることからその名が付いたのだという。南阿蘇村と高森町の境界は高森警察署のすぐ西側を通っている。駅があるのは南阿蘇村(旧:白水村)だ。
見晴台駅を出た線路は高森峠へ真っすぐと伸びているように見えるが、実際はその手前で左に大きく向きを変えて、高森市街にある終点の高森駅へと滑り込む。計画では山々を超えて高千穂に達し、高千穂線(のちの高千穂鉄道、廃止)と結ばれるはずだった。写真のMT-3001は2月12日で定期運用から引退し、2月16日の「卒業列車」で最後の花道を飾った。
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