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【三田市】タワー雛に源氏物語の世界をお雛様で作り上げた企画展もある「ひな祭り3館巡り」

三田めぐり地域ライター(三田市)

現在、三田ふるさと学習館、旧九鬼家住宅資料館、三田市三輪明神窯史跡園の3館にて、3月31日までの期間限定で「ひな祭り3館巡り」を開催中です。

3館巡りは、「NPO法人·歴史文化財ネットワークさんだ」(略称:歴ネットさんだ)が企画し飾りつけをされています。飾られているお雛様は、寄贈された人形や、徳島県で人形供養に出されたお雛様を供養後に譲り受けたりして集められた人形達だそうです。

私は毎年この3館を子供と一緒に巡り、お雛様を観に行っています。このお雛様のイベントでは、普段は観ることができない昔のお雛様や様々な造りのお雛飾りを観ることができます。また開催場所が史跡や資料館なので、同時に歴史文化にも触れることができるので私は気に入っています。

三輪明神窯史跡園

園内に入ってすぐ、ずらっと並んだお雛様がお出迎えしてくれました。

建物の中には、青磁で作ったお雛様が飾られています。

三田市のマスコットキャラクター、キッピーとハッピーのお雛様もありました。

史跡園では、他にも窯跡見学や絵付け体験(600円10時〜15時)が予約なしでできます。

旧九鬼家住宅資料館

旧九鬼家住宅資料館と三田ふるさと学習館は隣同士に建っています。建物の前の道には「おひなさまロード」と書かれた幟が立ち、お雛様が並んでいます。

旧九鬼家住宅資料館に入ってすぐの間には昭和30年代〜昭和50年代のお雛様が飾られており、年代別に見比べることができます。

次に中の間には、大正時代のお雛様が並んでいます。なかなか大正時代のお雛様を観る機会はないので貴重な体験です。

こちらは大正時代の吊るし雛、羽子板と御殿造りです。

1番奥の客間には、三田藩最後のお殿様、九鬼隆義公が孫の輝子さんの初節句にと、明治32年に贈られたお雛様が飾られています。輝子さんの娘である葉子さん、美子(はるこ)さんに引き継がれ、神戸市垂水区の愛徳学院などで子どもたちに親しまれた後、昭和59年に三田市に寄贈されました。

寝殿造り主殿と脇殿を持つ御殿つきの雛飾りです。

御殿飾りの前には100点を超えるミニチュアが飾られています。

折り返した裏の間には、お雛様がずらりと並んで飾られていました。こちらも三田市へ寄贈されたお雛様だそうです。

旧九鬼家住宅資料館では3月23日(土)から31日(日)まで「盆桜展」が開催されます。

さらに3月24日(日)には、普段は入ることができない2階が特別公開されるとのことです。2階特別公開は年に数回しか開催されません。

ふるさと学習館

ふるさと学習館では、毎週日曜の13時〜14時に歴ネットさんだの方の展示解説を聞くことができます。歴ネットさんだの会員の方は三田市の歴史にも詳しい方々なので、お雛様展示以外にも三田市の歴史についても教えてくださります。質問にも快く答えてくださります。

ふるさと学習館に入ってすぐ、左横の廊下を抜けた先にある学習室に入ると天井まで届きそうなほど高いタワー雛が目に入ります。タワー雛は道具が足りなかったり、一部壊れてしまっているなど、段飾りとしては飾れなくなった人形達を使って作られています。

タワー雛の1番上には、今はなき幻の三田城が飾られています。

タワー雛の奥にも、九鬼家ゆかりのお雛様が飾られています。こちらは九鬼隆義公が孫の登美子さんに贈られたお雛様です。登美子さんの嫁いだ先の長谷川家より寄贈されました。登美子さんは、旧九鬼家住宅資料館に飾られているお雛様を贈られた輝子さんの妹です。姉妹それぞれに贈られたお雛様は、どちらも同じ明治時代の御殿造りですが、手作りのため、また違ったお顔のお雛様です。

壁側には切り絵で作った百人一首の屏風が飾られています。

この切り絵の屏風は、三田市三輪出身の切り絵作家・梶道明(1915~1985)さんの作品です。一つ一つが綺麗で圧巻の世界です。

次に「展示室うめ」です。ここは昭和30年代〜昭和50年代の段飾りが並んでおり、見比べることができます。同じ年代でも、一体一体の顔や表情の違いがあります。是非見比べてみてください。

「展示室きく」では源氏物語の世界を作り上げて飾られています。

今年の大河ドラマ「光る君へ」に合わせて、ドラマの主人公·紫式部が執筆した「源氏物語」をテーマとした企画が展示されています。

この世界を表すために、一体一体、表情や格好の違う人形の中から場面に合う人形の選定作業から始まりました。たくさんある人形から選び出すのが大変だったそうです。

お雛様達が持っている小道具、表現するために着ている衣装に至るまで、1年かけて1人の方が作られたそうです。出来上がった時は「なんとかギリギリ間に合いました」と、おっしゃっていたそうです。

小さい小物も多く、近づいてじっくりと見させていただきました。小道具も衣装も細部までしっかり作りこまれていて、この企画展を観るだけでも価値があると思います。

胡蝶と迦陵頻伽(こちょうとかりょうびんが)

菖蒲の根合わせ、薬玉、貝合わせ

五節の舞(ごせちのまい)

光源氏が造営した六条院の大邸宅

三輪明神窯史跡園とふるさと学習館では、お土産に1人1枚お雛カードが貰えます。5種類ある中から好きなものを1種類選べます。お雛カードは切り絵になっていて立体にして飾ることができます。

どれも絵が細かいため難易度は高めですが、家に帰ってからも楽しめます。お雛カードの配布は無くなり次第終了です。

3館巡りで様々なお雛様を観ることができるので、ご興味を持たれた方は是非訪れてみてください。「ひな祭り3館巡り」に関するお問い合わせは「ふるさと学習館」となります。

三田市三輪明神窯史跡園
住所:兵庫県三田市三輪857-1
電話番号:079-563-8211
入園料:無料
開園時間:9時~17時
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)年末年始(12/28~1/4)
駐車場:高齢者、身障者用駐車場はありますが、限りがあります。お車でお越しの際はJR三田駅周辺の有料駐車場をご利用ください。
HP:三輪明神窯史跡園

旧九鬼家住宅資料館
住所:兵庫県三田市屋敷町7-35
電話番号:079-563-5587(連絡はふるさと学習館まで)
入場料:無料
開館時間:10時~16時
開館日:季節開館日 月曜日休館(祝日の場合はその翌日)
春季3月1日~4月6日まで
夏季7月20日~8月31日まで
秋季11月1日~11月30日まで
冬季12月25日~翌年1月31日まで(12月28日~1月4日を除く)
上記季節開館日を除く土曜日・日曜日・祝日
HP:旧九鬼家住宅資料館

三田ふるさと学習館
住所:兵庫県三田市屋敷町7-33
電話番号:079-563-5587
入場料:無料
開館時間:10時~17時
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)、12月28日~1月4日
駐車場:13台無料(内2台、身障者用)
HP:三田ふるさと学習館

地域ライター(三田市)

三田で生まれ育ち、現在も三田市で子育て真っ最中。魅力あふれる三田を親子で楽しめるイベントやお店などを紹介していきます。

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