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愛想がいい医師と悪い医師。その裏には隠された事情がある事実

繁和泉看護師・予防医学士・薬機法管理者

外来受診の時「やる気あるの??」と感じるほど、印象の悪い医師が診療していることもありますよね。

反対にとても愛想がよく世間話に花を咲かせるような、印象のいい医師もいます。

普通に考えると、愛想のいい医師への受診を検討するでしょうが、実は必ずしも正解の選択肢ではありません。

今回は医師の愛想の良し悪しについて表面的な印象だけで判断するのはもったいない理由を、診療現場で見てきた実例を踏まえ解説します。

愛想が悪い医師について考えられること

単純に愛想が悪いといっても、実際にはさまざまな理由が考えられます。医師の人間性や、自分の体調不良の具合を考えると、必ずしも「愛想がいい医師」を選ぶのが正解ではありません。一見「愛想が悪い」医師の裏側にある理由を解説します。

1.単純に人見知り

一見愛想が悪く、目を合わせて診療しなかったり話を聞いているのかどうか分からない医師もいますよね。実は大半が「生来の人見知り」であるケースも多いものです。目を合わせずぼそぼそと明後日の方向を見て話すのも特徴です。

ただ、患者さん側からぐいぐいと話しかけたり、会う回数を重ねるとちょっとずつ心を開いてくれる、味のあるタイプです。悪気があるわけではなく苦手なだけです。診療自体はしっかりとしてくれるまじめな医師が多いのも特徴です。決して「悪い医師」というわけではありません。

2.職人気質

愛想が悪いと感じる理由に「こちらの話を聞いてくれない」と感じることもあるでしょう。実は職人気質の医師にこのような傾向があります。職人気質の医師は非常に研究熱心で、日常の勉学も惜しみません。

症例研究も積極的に行い、優秀な医師も多い印象です。患者さんの話の内容をかいつまんででも適切な判断ができるので、患者さんの全ての話をきちんと聞く体制がとれないのかもしれませんね。ゆえに「話を聞いているのだろうか?」と、良い心証を得られない場合もあります。

医療スタッフとのコミュニケーションも決して多くはないのですが、長年一緒にいることでお互いへの信頼感を獲得し、実は言葉数が少なくともよい関係性を築けていたりするのです。

特に職人気質の医師は、研究熱心なので一点集中できる仕事が得意です。つまり、手術がうまい医師が多い傾向にあります。

職人気質系の医師自身も「外来は苦手...、手術は好き」と自負している医師も少なくありません。生活の質などの大事になるような体調不良であれば、職人気質の医師に診察してもらうことを検討するのも良いでしょう。

3.本当に感じの悪い医師も少なからずいる

とはいえ、中には本当に感じの悪い医師も存在しています。患者さんやまわりの医療スタッフを小ばかにして「自分中心」に物事をすすめようとしている医師も少なからずいるのです。

先に紹介した「職人気質」の医師と一見違いは分かりにくいかもしれませんが、本当に感じの悪い医師は診療中にも関わらず怒鳴り散らしていたり、自分の思うように進まないとイライラしている様子が見受けられます。

診療の現場では、ため息や貧乏ゆすりが多いのでイライラしている様子が見て取れます。イライラしている様子が見て取れるので感じの悪さにつながっているのでしょう。

また、医療スタッフの入れ替わりが激しかったり、いつも求人情報が出ているような施設であれば、医師の人間性に問題があるケースも考えられます。

愛想がいい医師にはどのような特徴がある?

とはいえ実際には、愛想のいい医師に診療してほしいのは患者さんにとってあたりまえの気持ちです。もともとの社交性ももちろんありますが、愛想のいい理由にはいくつかの裏事情があったりもします。

1.営利が絡んでいる場合がある

愛想がいい医師が比較的見られる診療現場は個人クリニックや美容クリニックなどです。端的に言うと「営利」を視野に入れているからこその「接客対応」だからです。

患者さんとして以上にお客さんとして扱うことにより、診療の技術だけではなく「クリニックそのものにいい印象を抱いてもらいリピーターになってもらう」ことを視野に入れているからですね。

患者さんもお客さんとして扱われることで心証が良くなり、単純な医師の診療技術よりも「気持ちよく過ごせるかどうか」で判断する場合もあるはずです。

ちょっとした体調不良の診察で受診するなら、できるだけ気持ちよく過ごしたいですよね。

とはいえ、営利に傾倒しすぎている医師の中には、自費診療の商品を進めてきたり、不必要な定期受診を促してくるケースもあります。患者さんご自身で、そのあたりをしっかり判断できるようにするのが理想です。

2.持ち前の社交性で切り抜けている

医師の中には、時にびっくりするくらい社交的な医師もいます。明るくはきはきとしていて面白い冗談を交えながら診療をするので、医療スタッフからも患者さんからも人気です。

ゆえに必然的に抱える患者数が多くなってしまい、忙しくなって1人で診療業務すべてを担えなくなるケースもあります。

しかしながら持ち前の社交性で「やっておいて〜」「これ、おねがーい」とまわりを上手に使って切り抜けていることも少なくありません。

実は患者さんの薬処方や診療指示などは、医師の代わりに看護師が医師のIDを使って処方をしているかも...

また、社交的な医師について私が遭遇した別ケースの中に「外来患者さんの評判が良い医師の中には手術が下手な医師がいる」という実態が数件ありました。(あくまでも個人の感想です)

手術の評判は置いておいて...社交的な性格で患者さんから信頼を得て、手術につなげる医師もいるのですね。

職人気質の医師に手術が下手な人がいないパターンの逆説なのかな?と思っていました。(社交的な医師すべてが手術が下手というわけではありませんよ!)

「この先生不器用だな...」と感じた医師は、決まって外来の評判は良かったという実態があったのです。

まとめ

「表面的な良しあしだけで判断せず、自分にあった医師を見つけよう」

患者さんにとって医師の第一印象は確かに重要です。しかし、時に医師との関係性は自分の人生に影響を及ぼすこともあります。

愛想の良しあしだけで判断せず「本当に自分のことを考えて診療しているのか」という着眼点で、医師選びをすることが大切です。

看護師・予防医学士・薬機法管理者

【医療・美容・健康・ヘルスケア・子育てに関するリアルな情報を発信】兄妹の子育てをしながら働くワーママ。保有資格を活かしながら実際の現場で得た自身の知識や経験をもとに「誇大表現にならないリアルな情報をユーザーに届け、ユーザーが自分にとって適切な判断ができる」情報発信を追求。Well-beingな社会を目指す。

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