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ストレス発散が逆効果になることも!【疲れがたまっている時のストレス対処法について解説】

お酒を飲んだり、おしゃべりしたり、スポーツをしたり、旅行をしたり、スマホ・音楽・テレビなどで気晴らしをしたりして、ストレス発散をしても、すっきりしないことはありませんか?
状況によっては、これらのストレス発散をする気力もなくなっていたり、ストレス発散でよけいに疲れてしまうことも少なくありません。
そこで、やる気がなくなっていたり、疲れがたまっていたりする時のストレス対処法について解説します。

I. しっかりと体を休めましょう!

しっかりと体を休めることは、疲労を回復させるためには必要不可欠なことです。
なかでも睡眠は体と脳のエネルギーをチャージさせる唯一の方法です。
勉強や仕事で夜遅くなったり、夜遅くまでスマホやテレビを見ていて、睡眠時間が短くなっている人は要注意です!!

しっかりと睡眠をとるには以下の点に注意しましょう。

  • 適切な睡眠時間に調整する
  • 夜間のスマホやテレビを制限する
  • カフェインやお酒の量を減らし、なるべく中止する

それぞれについて解説していきます。

適切な睡眠時間に調整する

人によって、また時期によって必要な睡眠時間は違ってきます。
平日に睡眠時間が短くて、休日に睡眠時間が長い人は睡眠時間を調整しましょう!
休日の睡眠時間が平日の睡眠時間より1時間以上多かったり、寝ても疲れが取れないようであれば、平日の睡眠時間は足りていません。
休日と平日の睡眠時間の差が1時間以内(できれば30分以内)になるように平日の睡眠時間を調整しましょう!

夜間のスマホやテレビを制限する

夜間にスマホやテレビやゲームなどの明るい画面を見ていると、脳がまだ昼間だと錯覚して、寝る時間が遅くなってしまいます。
体内リズムが乱れると睡眠のリズムも崩れてしまいます。
また、スマホやテレビなどの多くの情報は脳のエネルギーを使って疲れの原因にもなります。

遅くても寝る1時間前にはスマホやテレビはやめておきましょう。
疲れがひどい場合には、スマホやテレビの時間を一日に1~2時間以内に制限することも効果的です。

カフェインやお酒の量を減らし、なるべく中止する

カフェインを含むもの(コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンク、チョコレートなど)は覚醒作用があるため、しっかりと睡眠をとるためには、カフェインを徐々に減らしてやめてみましょう!
実際に、カフェインをやめただけで、睡眠薬がいらなくなったり、睡眠薬を減らすことができた患者さんがたくさんいらっしゃいます。

また、お酒を飲むことで寝つきは良くなりますが、深い睡眠がとれなくなってしまいます。そのため、お酒を飲んだ日の睡眠は、お酒を飲まなかった日の睡眠と比較して、体や脳の回復が悪くなります。
疲れがたまっている時には、飲酒量は徐々に減らして、できればやめるようにしましょう!

横になっても寝付くまでに1時間以上かかったり、途中で目が覚めたり、朝起きた時にぐっすり眠れた感じがなければ、不眠症になっているかもしれません。
これらの症状が続くようであれば、医療機関を受診して相談するようにしてください。

しっかりと睡眠をとっても、疲れがとれなかったり、気力が落ちている時には、昼間の休養も必要になる場合があります。
調子がいい時には、日中に活動してしまうことが多いと思いますが、翌日以降に疲れがひどくなるようであれば、日中の活動量を減らしましょう!
以前は、もっと活動していても疲れなかったと思いますが、活動量を制限しないと、なかなかその状態から抜け出すことができません。

II. 脳で消費しているエネルギーを減らしましょう!

体は休めていたとしても、脳で消費しているエネルギーが多い場合があります。
人と会って、おしゃべりをするだけも脳でエネルギーを消費します。
また、自分が言ったことや人から言われたことを何回も繰り返して思い出して、不安、後悔、イライラ、怒りなどのネガティブな感情が続くことによっても、脳はエネルギーを消費します。
自分を許せなかったり、人を許せなかったり、家族や職場の人たちに申し訳ない気持ちを持っていたりするだけでも、同じように脳でエネルギーを消費します。

脳で消費しているエネルギーを減らすために、以下のことを試してみましょう! ただし、疲れがたまりすぎて、やる気がない時には、やめておいてください。

  1. 考えていることやその時の感情(イライラ、不安、怒りなど)を書き出してみる
  2. さまざまな出来事の受け止め方を考えてみる
  3. 呼吸に意識を向けてみる(マインドフルネス呼吸法)

1. 考えていることやその時の感情を書き出して、2. さまざまな出来事の受け止め方を考えてみることについて詳しく知りたい方はこちら(外部リンク)

3. マインドフルネスについて詳しく知りたい人はこちら(外部リンク)

III. 身体に働きかけてみましょう!

一般的に適度な運動は健康にいいと言われていますが、運動した翌日以降に疲れが残るようであれば、その運動は適度ではありません。
一日10分の散歩でも翌日以降に疲れがひどくなる場合もありますので、その時には、もっと短い時間の散歩あるいはヨガやストレッチや体操などの負荷が少ない運動などの無理のない方法を試してみてください。

ヨガについて詳しく知りたい方はこちら(外部リンク)

まとめ

疲れがたまっている時の以下のストレス対処法について解説しました。

  1. しっかりと体を休めましょう!
  2. 脳で消費しているエネルギーを減らしましょう!
  3. 身体に働きかけてみましょう!

身体と脳を休めて、しっかりと睡眠をとることで徐々に心と体のエネルギーが蓄えられてきます。
やる気が落ちていたり、疲れがたまっていたりする時には、今回紹介したストレス対処法を試してみてください。

そのほかのストレス対処法について、もっと知りたい方は、私のブログ記事【心療内科医が解説】疲れが長く続く時にはどうしたらいいのか?(外部リンク)の関連記事を読んでみてください!

自分に合ったストレス対処法で、もっと楽で疲れない生き方になることを願っています。

心療内科専門医・総合内科専門医のよっしーです。心療内科医として20年以上、大学病院で15年以上患者さんを診察してきました。大学では教授として研究や学生の教育も行っています。より多くの人たちのお役に立てるような心と身体の情報を発信しています。健康な人にとっても病気の予防にも役に立つ効果的な治療法(セラピー)の情報やその実践法についてもわかりやすく解説しています。

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