青春18きっぷで行こう北海道旅!花咲線(厚岸ー根室)
青春18きっぷはJRグループ6社が発売する普通・快速列車の自由席が特定期間お得に乗車出来るきっぷ(JR北海道・外部リンク)。
2024年1月の時点では春のみ発表があり、夏以降は未発表です。
2024年春は、
発売:2月21日~3月31日
使用:3月1日~4月10日
青春18きっぷで本数が少ない北海道のローカル線でも工夫すれば特急列車とは違った趣のある旅に。なお青春18きっぷに年齢制限はありません。
今回は前回から続いて、厚岸駅ー根室駅の花咲線(根室本線)旅を紹介します。2024年3月16日ダイヤ改正で道東で唯一定期列車でキハ54が運行中。また旅の終点・根室は日本最東端の町です。
なお多くの旅行者が、車窓から進行方向横の景色を楽しまれています。筆者のシリーズでは主に前方後方の景色を楽しみます。
(訪問:2023年8月と2024年3月)
1.厚岸駅
旅の始まりは厚岸駅。花咲線の中間駅で最も大きな駅です。
駅名標を見ると、次の駅が変わった、廃駅があることが判ります。
列車は根室を目指して進みます。
2.糸魚沢駅(2022年3月廃止)
糸魚沢(いといざわ)駅は厚岸町にあった無人駅。車で2023年8月に訪問した時は駅舎はまだ残っていました。その時の様子は、
JR北海道花咲線花咲駅が昔あった!花咲線(根室ー釧路)廃止駅3カ所の今
の中にある「廃駅7年前に使用開始駅舎がポツン!糸魚沢駅(厚岸町・2022年3月廃止)」をご覧下さい。
今回は列車から駅跡を見ます。
廃止当時の営業キロは365.6kmでしたが、距離標では366.1km。しかもかつて列車交換設備があった駅特有・駅手前で線路が曲がっています。
7年しか使われなかった駅舎は無くなり、機器小屋だけが残っていました。
3.茶内駅
隣の茶内(ちゃない)駅は、浜中町にある無人駅。駅舎内部にはルパン三世のモニュメントや展示があります。浜中町が町内の駅に設置。
茶内には列車交換設備があります。
駅舎と根室方面ホームは北側にあり、釧路方面ホームとは構内踏切で連結。
筆者が乗車した時、ちょうど根室からの列車と交換でした。現在釧路と根室を結ぶ列車は全て茶内駅で交換するダイヤ。厚岸ー根室の他の交換駅はダイヤが乱れた時、除雪車など保線車両との行合で使用しています。
列車交換のため片方が数分停車して発車。
列車待ちの間、乗車していた鉄道ファンが茶内駅舎を訪問していました。
4.浜中駅
次の浜中(はまなか)駅は、開駅当時の地名が付いた浜中町の無人駅。
なお浜中町役場は南に離れた霧多布(きりたっぷ)にあり、火曜・木曜限定・事前予約制の町営バス(運行は浜中駅前にある浜中運輸(外部リンク)が担当)で行く事が可能。浜中運輸は貨物輸送がメインの会社で、主に道東と道央、関東をトラックで結んでいます。
浜中駅もかつて列車交換設備があった痕跡が線形に残ります。
列車はすぐに発車しました。
5.姉別駅
姉別(あねべつ)駅は浜中町にある駅。浜中町にある茶内、浜中と違い、一部列車は通過します。
姉別駅もかつて列車交換設備がありました。
駅舎とホームは南側。
次は浜中町を離れ、いよいよ根室市に入ります。
6.厚床駅
厚床(あっとこ)駅は根室市厚床にある無人駅。以前より人口が減ってしまいましたが、釧路・厚岸を結ぶ国道44号と別海(べつかい)町方面を結ぶ国道243号が分岐する交通の要所でもあります。
かつて駅舎には駅前に乗り入れる根室交通(外部リンク)の案内所もありましたが、現在は無人。駅前に発着するのは根室市中心部と別海町を経由して中標津空港を結ぶ路線のみ。
事前予約制のオーロラ号(札幌方面)と、特急ねむろ号(釧路方面)は駅前から少し離れたバス停に停車します。
厚床駅はかつて旧標津線(1989年廃止)が分岐し、別海方面に走っていました。
列車交換が可能かと思わせる線形ですが、
駅舎反対側にある線路が途中で終了。かつては標津線も発着し、花咲線の列車交換も可能でしたが、2016年のダイヤ改正で交換機能が廃止されました。
駅舎とホームは北側。かつてあった構内踏切は撤去され、以前の2番・3番ホームは立入禁止。
なお信号機能は残っていました。
7.初田牛駅(2019年3月廃止)
初田牛(はったうし)駅は根室市にあった無人駅。現在は駅跡に看板があります。
詳細は、
JR北海道花咲線花咲駅が昔あった!花咲線(根室ー釧路)廃止駅3カ所の今
の中にある「防霧保安林がある秘境駅!初田牛駅(根室市・2019年3月廃止)」を参照願います。
厚床駅から初田牛駅跡までは並走する道路が一部見えますが、大半は原野の中を走行。
距離標408kmのカーブを曲がると、以前列車交換設備があった線形が現れます。
廃駅当時の営業キロは滝川から406.0kmでしたが、距離標では408.5km付近にかつての駅舎やホームがありました。
8.別当賀駅
別当賀(べっとが)駅は車掌車を活用した駅舎である無人駅。
かつては列車交換設備があったことが判る線形をしています。
駅舎とホームは北側。
根室市の区域に入ってからしばらくは国道44号から離れた南側の集落を結ぶように線路があります。
9.落石駅
落石(おちいし)駅は太平洋が近い集落にある無人駅。
駅の北東側と南側に漁港があり、南側は太平洋に突き出ています。
別当賀ー落石の海岸線付近は鉄道写真の撮影ポイントがあり、多くのファンが訪問。
また落合駅は花咲線で最後の途中駅としての列車交換設備がありますが、現在のダイヤでは定時運行時は旅客列車同士の交換はありません。
駅舎は南側・海岸線側にあり、根室方面ホームとは構内踏切で結ばれています。
根室方面ホームより更に北西側には保線用の線路も。
10.昆布盛駅
昆布盛(こんぶもり)駅は1961年開業で、最初から無人駅でした。
駅自体は昆布盛漁港周辺の集落から少し離れた原野の中にあります。
並走する道道から昆布盛漁港方面へ行く道路へ分岐する地点に踏切があり、踏切手前にホームと待合所があるのみ。
ホームと待合所は東側・漁港側にあります。
駅から先は道道に沿って原野を進みます。
11.西和田駅
西和田(にしわだ)駅は日本最東端にある車掌車駅舎の無人駅。
かつて列車交換設備があったほか、蒸気機関車への給水所も有し、広い構内でした。
ホームと駅舎は西側にあります。
線路に沿う根室市中心部へ向かう道道と花咲漁港や温根沼(おんねとう)を結ぶ道道が交差する地点がそば。
次はかつて日本最東端の車掌車駅舎であり、路線愛称の由来となる地名にもなっている廃駅です。
12.花咲駅(2016年3月廃止)
花咲(はなさき)駅は花咲港にあった無人駅。
花咲漁港周辺から離れた酪農地帯にあり、かつては貨物用の副本線があったので駅手前で線路が曲がっています。花咲港で水揚げされた水産物を輸送していた時期があったとは想像しにくい光景。
廃駅時の営業キロは438.2kmですが、現在の距離標では440.7km地点に駅跡があります。
詳細は、
JR北海道花咲線花咲駅が昔あった!花咲線(根室ー釧路)廃止駅3カ所の今
の中にある、「地元牧場主のおかげで花が咲いた駅!花咲駅(根室市・2016年3月廃止)」を参照願います。
13.東根室駅
東根室(ひがしねむろ)駅は現在日本国内にある駅としては最東端の場所にある無人駅。
駅ホームは板張りで、「日本最東端の駅」の標があります。
日本最東端の鉄道上にあるカーブにホームが設置。周囲は根室市中心部の住宅街となっています。
いよいよ次の駅は花咲線の終点に到達。
14.根室駅
根室駅は日本最東端の有人駅で、花咲線(根室本線)の終点。
根室本線の終点看板が駅西側の道路そばにあります。
東根室駅から更にカーブを進むと日本最東端の鉄道信号機のそばを通り、
花咲線最後の踏切を通過すると根室駅です。
ホームは北側に1面。
列車からの根室駅ホームは更に2枚。
釧路から運転してきた運転士はすぐに折り返す列車を担当せず、通常1本後の列車を運転して釧路へ戻ります。
駅前に根室交通の根室駅前バスターミナルと観光協会の案内所があります。納沙布岬や中標津空港などへバスで移動する旅行者はそちらへ向かいましょう。
ここまでご覧下さり、ありがとうございました。
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