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『暮らしのプロが実践』スッキリした暮らしのための物の選び方4選

鈴木久美子片付け・収納専門家

片付け・収納の専門家、鈴木久美子です。私は普段、片付けのサポートや収納計画などをしています。今まで650回以上、暮らしの改善をさせていただいています。日々、片付けのサポートをさせていただいていて思うのは、物を買う前にしっかりと考える習慣をつけて欲しいという事。物を手放すサポートをたくさんさせて頂きますが、やはり物を捨てるのはいろいろと大変です。買う前にしっかりと考えて欲しかった、と思う事がたくさんあります。今回は、私自身も悩みに悩んで新しい丼を購入したので、その点を踏まえて、スッキリした暮らしのための物の選び方についてご紹介します。

①心から好きと思えるかどうか

大げさなようですが、これがとても大切な事です。見た目、質感、触った感じ、全てにおいて心から好きと感じる物を選ぶ事が大切です。ここが曖昧で、いつもすぐになんでも欲しいと思ってしまう人は、自分の好きの感度を研ぎ澄ます必要があります。『とりあえず』『なんとなく』『安かったから』という軽い理由で手に入れた物は愛する事ができず、邪魔に感じたり、またすぐに他の物を欲しくなってしまう事になります。

私は、丼を買い替えたいな、と思ってから2年以上探し続けて理想の丼をようやく購入しました。

②物が収納スペースに合っているか

当たり前の事をいうようですが、実はこれができていない人が多いんです。どんなに欲しくても、収納スペースに入らないと家にお迎えすることはできません。洗濯機や冷蔵庫など大きな物を買うときは、しっかりと寸法を確認すると思いますが、食器や雑貨や衣類など、小さな物になると、購入後の収納スペースの事を考えていない人が多いんです。どこに入れるか考えてから購入する必要があります。

③適正量をオーバーしていないか

②で述べた内容とも重なりますが、物の種類毎に適正量があります。適正量は必要な量から決める事もありますし、収納スペースから決める事もできます。例えば、我が家は4人家族なので丼は4つが適正量です。

実は、以前から愛用していた丼は、結婚当初になんのこだわりもなく、ダイソーで購入したプラスチック製の丼でした。2つしか持っていなかったので、2つ買い足す事もできますが、10年以上使ったプラスチック製の丼を手放し、家族の人数分の丼を新調することにしました。

④以前使っていた物を手放す覚悟はあるか

以前から使っていたプラスチック製の丼を手放しました。
以前から使っていたプラスチック製の丼を手放しました。

物の種類によっては、1つ増えたから1つ手放さないといけない、という訳でもありませんが、収納スペースに限りがある場合や、適正量を超えている場合などは、新たに物を購入するときは、以前使っていたものを捨てる覚悟はあるか?と自分に問いかける必要があります。

新しい物、好きな物を購入する事は、人生の楽しみや刺激になり、私は良いと思っています。ただ、新しい物が増え続ける事で、暮らしが犠牲になっていくことが悲しいんです。みんな、暮らしが楽しくなるために買ったはずの物に苦しめられています。新しい物は欲しいし、古い物は使う気もしないけど、もったいないから捨てられない…、1つ2つなら大丈夫な気がしますが、この考えをずーっと続けているとどこかで暮らしは崩壊してしまいます。

今回は、私自身が長い間、悩み抜いて新しい食器を購入したので、どんな考え方をしたのかをポイントを絞ってご紹介してみました。おおげさだけど、丼であろうと、お洋服でも雑貨でも、購入するときに冷静にしっかりと考えれば、家は散らからないですし、1つ1つが自分が選び抜いた物ばかりなので、間違いなく暮らしの質が上がってきます。今からでも大丈夫ですので、自分の好きが詰まった暮らしを作って下さいね。

片付け・収納専門家

整理収納アドバイザー1級、住宅収納スペシャリストの資格を保有し、片付け・収納の専門家として活動中。個人宅の片付け、収納のサポートを中心に、講座、記事執筆、Instagram、YouTubeなどで暮らしに役立つ情報を発信している。TV(NHKニュース7、ZIP、ラヴィット、ズームインサタデーなど)メディア出演多数。整理収納アドバイザー2級認定講師として整理収納アドバイザーの育成もしている。

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