片付け、収納の専門家、鈴木久美子です。私は今まで700回以上、片付けや収納に悩む皆さんのご自宅の改善をしています。毎回のように、いつも皆さんから言われることは、「これって捨てていいですか？」という事です。もちろん捨てるか、捨てないかの基準は、その本人にしか判断できないのですが、みなさん捨てる基準が分からないとおっしゃいます。

片付けが苦手な人、物が増え続ける人、捨てられない人は、『決める』ことが苦手な人が多いんです。誰かに背中を押して欲しいんです。人生、生きていると、決める事の連続です。なかなか難しい決断も多いですが、自宅内での片付けの中で迷っている決断なんて、大したことないんです。

お菓子の空き箱とか、ジャムの空き瓶とか、使いもしない粗品とか、気にっていない服とか、もう全部、捨てればいいじゃん、と思うところではありますが、ここは片付けのプロとして、皆さんが納得されて、一歩ずつ自分意志で進めるようにサポートをしています。

今回は、捨てる基準に悩まれる皆さんに、究極にシンプルな3つの基準をお伝えしたいと思います。

使っていない物

まず第１の判断基準は使っていない物です。よく言われている事なので、皆さんご存じだと思いますが、使えるかどうか、ではなく、使っているかどうかです。使えるかどうかで判断すると、たぶん衣類なんかは穴が開くまで、いや穴が開いても縫ったらまだ着れるとなってきますよね。何年経っても、まだまだ使えるはずです。

勘違いされやすいのは、なんでもかんでも捨てればいいのか？という点です。使える物を捨てるなんてもったいない、という意見も聞こえてきそうです。そんな皆さんに大きな声で言いたいのは、じゃあ、使いこなすことができない量を持つな、という事です。

捨てなかったとしても、大量に買ったり、大量に保管したりしている時点でもうもったいないんです！自分が管理できない量、収納しきれない量、使えない量を持つという事がもったいないと気がついてほしいです。捨てることはもったいない、という人に限って、どんどん物を買ってくるんです。

例えば、この時期大人気のヒートテックインナー。3～4枚で着まわしていると１、2年着るとかなり傷んでくるので買い変えるタイミングが分かりやすいですね。お客様の中にはヒートテックインナーを50枚くらい持っていて、収納スペースに入らなくて困っているのに、また、どんどん新品を買ってくるんです。どれも傷んでいないから、もったいないからと捨てられない。確かに、捨てちゃうのはもったいないんですが、このままだと永遠にスッキリした暮らしにならないのは、お分かりいただけると思います。

捨てる基準は使えるかどうかではなく、使っているかどうかです！！

好きではない物

第2の判断基準は、好きではない物。これもとてもシンプルですよね。特に個人で所有するものは単純に好きかどうかだけの基準でいいと思います。

毎回、お客様に聞かれる「コレ捨ててもいいと思いますか？」という言葉。私はたいてい、「それを気に入っていますか？好きですか？」と聞きます。好きじゃない、気に入っていない、という答えが来たら、それはもう手放してもいいという事。もちろん手放すというのは、捨てる以外にも売る、譲る、リサイクルなどの方法もありますよね。きっとその物の事を心から好きと思ってくれる人のところに行く方が、幸せだと思いませんか？

仕事や人間関係だと、好きな事だけでは難しい事もあるけど、たかが物です。好きか嫌いかで判断してみていいんです。自分の暮らしなんだから、好きな物だけで暮らしてみませんか？

嫌いと思っているのに、もったいないという理由で、手元に置いて置くなんておかしくないですか？もっとシンプルでいいんです。

大切にできない物

第3の判断基準は、すこし難しいかもしれません。今までの2つの基準を突破する物でも、それを大切にできていなければ、手放してもいいと思います。例えば、クローゼットの整理をしていて、足元にグチャグチャになって、ホコリだらけになって詰め込まれている服をよく目にします。その服についてお客様に聞くと、まだ着る、との事ですが、ホコリだらけで、詰め込まれて、シワシワになって…、明らかに大切にしているとはいいがたい状態の服。そんな大切にできない物を身に着けるのも寂しくないですか？自分自身は、まずは自分が大切にしてあげたいし、大切に思う物を身に着けたい、と思うのです。

買ってきたばかりの洋服は、丁寧に扱って大切にしていたのに、新しく違う服を気に入ると、だんだんと出番が少なくなり、気が付くとクローゼットの隅に押し込まれ、存在も忘れてしまう。。。お手入れもしてもらえず、持ち主に、着てもらう事もできない服。

服の気持ちになってみるとなんと虚しいことでしょう。もし、服に気持ちがあるなら、ものすごいマイナスのエネルギーを発しているはずです。大切に扱ってあげれますか？きちんとスペースをとって収納してあげれますか？持ち主のあなたがしっかりと着て（使って）あげれれますか？

限られた人生の中で大切にできる物は、そう多くはないはずです。

今回は、物を手放す3つの基準についてご紹介しました。頭で考えては分かっているつもりでも、実際に物を捨てるのは案外難しいですよね。どうぞ、ご自身にとって負担の少ない物から、手放すことに慣れていってみて下さいね。

過去の記事で捨てやすい物をご紹介しています。↓

スッキリした暮らしのための『即捨てリスト』