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【薬剤師が教える】失敗しない!市販薬の選び方〜〇〇プレミアムの真相〜

鈴木伸悟薬剤師

セルフメディケーションが推進される中で、ドラッグストアなどで市販薬を自分で選んで購入されている方も多いでしょう。これからの生活に役立つ、市販薬の選び方を伝授します。

「〇〇プレミアム」のような名前の市販薬は、本当にプレミアム??

一般の方が、症状に合った市販薬を自身で選べるようにメーカーさんも商品名やパッケージをわかりやすく工夫しています。一方で、自社の製品を手にとってもらえるように商品名やパッケージがキラキラになり派手になっている傾向があります。そこで目につくのが「〇〇プレミアム」や「〇〇プロ」、「〇〇DX」といった商品名の派手なパッケージをした市販薬です。もちろん使用する人によっては、効き目がよくなる場合などがあります。ただし商品によっては、配合成分が多くなることで注意事項が増え、使用ができない人などもいるため、誰にでもプレミアムというわけではありませんので要注意です。症状によっては、「〇〇プレミアム」を選ぶと不要な成分を服用してしまうだけでなく、コストが割高になることもあります。

市販薬は成分がたくさん入ってる方が良い??

市販薬には最大〇〇種類の有効成分を配合といったアピールがされた商品があります。成分がたくさん入っていたほうが、優れていると感じたり、お得に感じる方もいるでしょう。

もちろん配合される成分が多いほど効き目がよくなる場合もあれば、幅広い症状に効いて、いわゆるストライクゾーンが広くなる場合もあります。一方で、成分が多いほど副作用やアレルギーといったリスクが増すことも忘れてはいけません。『くすり を反対から読むと りすく』有名な話です。最近では病院で処方される薬と同じ成分かつ同じ量の市販薬も発売されています。市販薬だから安心という考えには注意が必要です。

使いすぎでかえって症状が悪化してしまうことも

目薬を例に説明すると、最近では有効成分が10種類を超える1500円前後の目薬が次々に販売されていますが、その中に含まれることがある血管を収縮させて充血をとる成分(テトラヒドロゾリン等)は使いすぎるとかえって症状が悪化する恐れがあります。充血がひどくなかったり、すぐにでも充血をとりたいという希望がなければ、充血をとる成分は不用でしょう。乾き目やアレルギーなど症状にあった成分がシンプルに配合された商品を選ぶ方が無難です。

痛み止めの服用で眠気が起きることも

痛み止めを例に説明をすると、痛み止めの成分だけを配合したシンプルな市販薬が販売されている一方で、痛み止めの成分にさらに鎮痛の補助を目的に催眠鎮静成分(アリルイソプロピルアセチル尿素等)が配合された市販薬があります。催眠鎮静成分が配合されると、眠気がでる恐れがあり、自動車などの運転操作が禁忌となります。眠気が困る人など使用する人によっては、痛み止めだけの成分が配合されたシンプルな市販薬を選んだ方が無難です。

薬剤師や医薬品登録販売者に相談しましょう

市販薬は、より症状にあった商品を選ぶこと選んではいけない商品を選ばないようにすることがポイントです。購入前には、パッケージに記載されている使用上の注意もしっかりと確認してから購入するようにしましょう。持病がある方や高齢者などは特に注意が必要です。

市販薬選びに困ったときは、薬剤師や医薬品登録販売者に相談して購入しましょう。次回は、薬剤師などに相談するときのポイントなどお伝えしたいと思います。

薬剤師

昭和薬科大学薬学部卒業。薬局に勤務する現役薬剤師。OTC医薬品(市販薬)の役立つ情報をSNSで発信するほか、メディア出演、全国各地での講演会、コラムの連載を複数持つなど多方面で活動している。著書『薬局OTC販売マニュアル 臨床知識から商品選びまで分かる(日経BP)』

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