セルフメディケーションが推進される中で、ドラッグストアなどで市販薬を自分で選んで購入されている方も多いでしょう。これからの生活に役立つ市販薬の選び方を市販薬に精通した現役薬剤師が伝授します。

今回はアレルギー性鼻炎の薬についてです。

２〜３月は、スギ花粉の飛散で花粉症で悩む方が多い時期です。今回は鼻炎に対応した市販薬の選び方を紹介します。花粉などによるアレルギー性鼻炎に対しては、最近では病院で処方されるような薬が市販薬でも購入することができます。

その鼻水、アレルギー？鼻かぜ？

これまでに花粉症などのアレルギーの経験があったり、水っぽいサラサラした鼻水が続き、鼻水だけでなく目のかゆみなどの症状がある場合はアレルギー性の可能性が高いでしょう。最初は水っぽい鼻水でも粘性のある鼻水にかわり、また熱や咳などがある場合は急性鼻炎（いわゆる鼻かぜ）の可能性が高いでしょう。

ズバリ　アレルギー性鼻炎に対して市販薬のおすすめは？

花粉症がつらいが、たくさんある市販薬の中で、どれがいいのかわからない方も多くいるでしょう。鼻水や鼻づまりなどの症状には、まずは第２世代抗ヒスタミン薬またはステロイド点鼻薬が、効果や眠気などの副作用の少なさの面で第一選択となるでしょう。さらに飲み薬が良いか点鼻薬が良いかの希望、自動車の運転の有無、持病の有無、商品の価格などから商品を選択します。

第２世代抗ヒスタミン薬の商品例としては、アレグラFXやクラリチンEXなどがあります。アレグラFXやクラリチンEXは、主に鼻水やくしゃみに効果があり、眠気がほとんどなく、自動車の運転ができることが特徴でしょう。ステロイド点鼻薬の商品例としては、フルナーゼ点鼻薬＜季節性アレルギー専用＞やナザールαAR0.1％〈季節性アレルギー専用〉などがあります。症状がつらい場合は、これらの飲み薬と点鼻薬を併用することもできます。

ステロイド点鼻薬は効果が高く、全身的副作用は少ない

特に市販薬で効果が期待できるステロイド点鼻薬は、効果発現は約１〜２日で症状改善効果が強く、鼻アレルギーの３症状（鼻水、鼻づまり、くしゃみ）に等しく効果があります。またステロイドということで副作用を心配する方もいらっしゃいますが、点鼻薬であることから全身的副作用は少ないとされています。眠気成分も含まれておりません。

花粉症シーズンにステロイド点鼻薬は、医療用医薬品では頻繁に処方されており、とても有効な選択肢なのです。ただし、実際には市販薬の種類は多くなく、価格も１本１５００円前後で比較的高めであることから、あまり売れていないのが現状です。効き目を重視する場合は「ステロイドの入った点鼻薬を試してみたい」と薬剤師や医薬品登録販売者に相談してみるとよいでしょう。

症状がひどい場合などは病院へ受診を

また鼻炎の症状がひどかったり、鼻血が出やすかったり、アレルギー性鼻炎なのか鼻かぜなのか原因がはっきりしない場合などは、漫然と市販薬を使わずに病院へすぐに受診するようにしましょう。病院では、市販薬にはない成分の薬が処方されることもあります。

今回は、鼻炎の症状に対応した市販薬ついて記載しました。他の症状に対応した市販薬の話も今後していけたらと思います。市販薬選びに困ったときは、薬剤師や医薬品登録販売者に相談して購入するようにしましょう。