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胎教が気になるママにおすすめの絵本(5選)赤ちゃんの脳と心を育てる読み聞かせ育児

高木美紀絵本の蔵書1000冊

 赤ちゃんが生まれるまでの十月十日、嬉しくて待ち遠しい気持ちと、新しい命への責任や出産への不安な気持ちも、少なからずお持ちのお母さんもいるかもしれません。そんなときぜひおすすめしたいのが胎教です。特におすすめしたいのが絵本の読み聞かせです。胎教はお腹の赤ちゃんに様々な効果があると言われていますが、絵本の読み聞かせはお母さんにも嬉しい効果があることが近年の研究でわかってきています。

胎教にはこんな効果があると言われています!

 赤ちゃんの聴覚は妊娠20週の頃から発達してくるとされています。赤ちゃんにとって一番身近な音はお母さんの声です。赤ちゃんは、お母さんの胎内で聞いていた音とそうでない音を聞き分けることができると言われ、胎内で聞いていた音を好んで聞きたがるそうです。お腹の中でずっと聞いてきたお母さんの声は、赤ちゃんにとって心地よいものと感じるようです。子供にとって親子の愛着形成がしっかりされていることは、自己肯定感や社会的能力をはじめとする非認知能力を育む土台になります。妊娠中は胎教を通して、親子の絆を育てていくことができます。

胎教に絵本の読み聞かせがおすすめな理由!

 絵本の読み聞かせには、子供の心が安定するという効果があることは知られていますが、実は子供だけでなく、読み聞かせをしているお母さんの心も安定しストレスが軽減するという研究結果もあるのです。東北大学の川島隆太教授の脳科学研究グループと山形県長井市との共同研究では「絵本の読み聞かせの時間が多いほど、母親のストレスが低くなる」という研究結果が出ています。ナーバスになりやすい妊娠期間中に、お母さんの心が安定していることはお腹の赤ちゃんにとってとても大切なことです。お母さんが落ち着いた心で過ごすことにも役立つ絵本の読み聞かせは、胎教にはぜひおすすめです。

 私はお腹に赤ちゃんがいるとわかって、心から感動して嬉しい気持ちと同じくらい、こんな不甲斐ない自分が母になって大丈夫なのかという不安でいっぱいだった時期があります。そんなときに不安な気持ちを支えてくれたのが、子供の頃から大好きだった絵本でした。胎教から絵本の読み聞かせを始め、気が付けば我が家は1000冊の絵本に溢れた絵本屋敷になっていました。そんな我が家の1000冊の絵本の中から、胎教におすすめの絵本をご紹介いたします。

「ちいさなあなたへ」主婦の友社 文:アリスン・マギー 絵:ピーター・レイノルズ 訳:なかがわちひろ

ちいさなあなたへ 主婦の友社 文:アリスン・マギー 絵:ピーター・レイノルズ 訳:なかがわちひろ
ちいさなあなたへ 主婦の友社 文:アリスン・マギー 絵:ピーター・レイノルズ 訳:なかがわちひろ

 母になる喜び、命をつなぐこと、母として生きる道はどんなものかを伝えてくれる絵本です。この本は、何度読んでも涙溢れてしまいます。初めてこの絵本を読んだときは、まだ子供がいなかった時でしたが、お母さんとして生きてみたいと強く思った本でした。育児中の今も、疲れたときには時折この絵本を開いています。

「生きる」福音館書店 詩:谷川俊太郎 絵:岡本よしろう

「生きる」福音館書店 詩:谷川俊太郎 絵:岡本よしろう
「生きる」福音館書店 詩:谷川俊太郎 絵:岡本よしろう

 谷川俊太郎さんの代表作の一つ「生きる」から生まれた絵本です。「生きる」は、教科書にも掲載され、国内外にファンも多く、長く愛されて続けてきた詩なのでご存知の方も多いかと思います。生まれてくる新しい命に届けたい言葉に溢れた絵本です。谷川俊太郎さんの詩のリズムは心地よく、岡本よしろうさんの絵も詩の世界観と合わせて引き込まれます。我が家の子供たちも大好きで、長く活躍している絵本です。

「みんなであなたをまっていた」ほるぷ出版 文:ジリアン・シールズ 絵:アンナ・カリー 訳:松井るり子

「みんなであなたをまっていた」ほるぷ出版 文:ジリアン・シールズ 絵:アンナ・カリー 訳:松井るり子
「みんなであなたをまっていた」ほるぷ出版 文:ジリアン・シールズ 絵:アンナ・カリー 訳:松井るり子

 赤ちゃんが生まれて来る日までの、みんなが待ち遠しく思う気持ちを描いた絵本です。優しいタッチの色合いと可愛らしい絵も素敵な絵本です。赤ちゃんが生まれてくる日までの時間って、特別ですよね。どれほど待ち遠しかったか、生まれてきた赤ちゃんにも伝えてあげたいですね。穏やかで温かな気持ちにさせてくれる胎教にはぴったりの絵本です。妊婦さんへプレゼントにもおすすめの素敵な絵本です。

「うまれてきてくれてありがとう」童心社 文:にしもとようこ 絵:黒井健

「うまれてきてくれてありがとう」童心社 文:にしもとよう 絵:黒井健
「うまれてきてくれてありがとう」童心社 文:にしもとよう 絵:黒井健

 この絵本の著者のにしもとようさんの奥様は、大変な難産で息子さんを出産されたそうです。厳しい状況の中で奇跡的に無事に産まれた息子さんへの気持ちが、この絵本になったそうです。産後は慌ただしくて、穏やかな気持ちで毎日過ごすのは難しいのが現実ですが、お腹の赤ちゃんと過ごした十月十日の時間がどんなに特別だったのか、産まれてきた子供たちにも伝えてあげたいですね。

「どんなにきみがすきだかあててごらん」評論社 作:サム・マクブラット二ィ 絵:アニタ・ジェラーム 訳:小川仁央

「どんなにきみがすきだかあててごらん」評論社 作:サム・マクブラット二ィ 絵:アニタ・ジェラーム 訳:小川仁央
「どんなにきみがすきだかあててごらん」評論社 作:サム・マクブラット二ィ 絵:アニタ・ジェラーム 訳:小川仁央

 チビウサギとデカウサギがどんなに君のことが好きかを競って伝え合う素敵な物語です。自分以上に自分のことを思っている人がこの世の中にいることが伝わってほしいと願い、産まれてくる赤ちゃんのために用意した絵本です。読んでいると、あたたかで優しい気持ちになれる胎教にぴったりの絵本です。

 胎教を通して、お母さんの声をたくさん赤ちゃんに届けてあげてみて下さいね。赤ちゃんが生まれて毎日が慌ただしく過ぎていく中でも、お腹の赤ちゃんと過ごした十月十日をふと思い出すと、温かな気持ちがよみがえります。そして絵本の読み聞かせは、子供が本を読む力を身に着ける第一歩にもなります。お子様の一生の宝物になるような素敵な絵本とたくさん出会えますように。

高木美紀

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絵本の蔵書1000冊

元塾講師の2児の母です。絵本と児童書が大好きで、気が付けば蔵書量1000冊「日本一、本が好きな子供を育てる」を目標に子育てしてきました。そんな我が家の1000冊の絵本の中から、おすすめの絵本をご紹介します。

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