Yahoo!ニュース

うつ病、軽度・中等度・重度の違い。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。


今日は、「うつ病、軽度・中等度・重度の違い」というテーマでお話したいと思います。

はじめに、
今あなたがうつ病かどうか、簡易チェックをしてみたいと思います。

1.何事にも興味が持てない。
2.憂鬱な気分が続いている。
3.寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目が覚める。
4.身体がだるい。
5.食欲がない。もしくは食べ過ぎる。
6.自分は生きる価値のない人間だと思う。
7.イライラしたりソワソワしたりして、気分が落ち着かない。
8.今まで楽しめていたことが楽しめなくなった。
9.死んだほうがマシだと思う。死んだらラクになるのではないかと思う。
以上です。

上記のことに対し、「少しあてはまる箇所がある」と仰る人は、うつ病の軽度かもしれません。上記のことに対し、「たくさんあてはまる箇所がある」もしくは「数は少ないものの、強くあてはまる箇所がある」と仰る人は、うつ病の重度かもしれません。中等度というのは、その間ということになります。

ただし、「いずれにもあてはまらない」と仰る人でも、うつ病でないとは限りません。
何故なら、うつ病という病気は病識がない=病気であるという自覚が持てない…という心の病だからです。

続いて、意外と知られていない事実なのですが、
うつ病というのは、何か悩みがあって、それで発病するとは限らない心の病です。
ストレスがなくても発病することがある、それがうつ病の特徴です。

逆にストレスがあって、「うつ気分になっている」と仰る人は、
うつ病ではなく、気分変調症かもしれないし、全般性不安障害かもしれません。

うつ病は、軽度・中等度・重度、共に、基本的にはお薬と休養で良くなる病気です。
ベッドから起き上がれないほど酷い場合は、積極的に休養するべきですが、ベッドから起き上がれるようになったら、軽く体を動かすようにすると良いでしょう。そうすれば、うつ病から早期に脱出できるかと思います。

今わたしは、「早期に」と言いましたが、うつ病は治るのに通常1年ぐらいかかる病気です。よって、どうぞ、医師と協力しながら、焦らず怠けず、治療に励んで下さい。うつ病を回復させるのに良くないことをしなければ、9割の人は、数カ月でハッキリ回復が実感できることと思います。

それから、医師は、「軽いうつ病ですね」ってなことをよく言います。この言葉を聞いた人の中には、「こんなに死にたいほど苦しいのに、どこが軽いねん」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、医師は、患者さんがショックを受けないよう、普通は「あなたは重いうつ病ですね」とは言わないものです。
よって、軽いのか重いのか? ということに囚われることなく、日頃から、うつ病の改善にいいことをし、うつ病の改善に良くないことをしないよう、毎日を送って頂ければと思います。

ご安心ください。うつ病は、基本、良くなる病気です。
希望はあなたを捨てません。あなたも希望を捨てないようにしてください。

最後に、うつ病という病気は、治りかけで治療をやめてしまって、またうつ病を悪化させてしまうと、今度は治りにくくなる…という特徴があります。よって、うつ病の治療は、自己判断で勝手に通院をやめないようにすることが大切です。

1.うつ病になったら、しっかり治す。
2.治ったら、もう2度とうつ病にならないよう、心掛ける。
どうぞ、上記の2点を守っていってください。

時間と体力に余裕がある方は、どうぞ うつ病が治らない理由とうつ病を治す方法うつ病より多いと言われている不安障害 もご覧頂ければと思います。

というわけで、今日は以上です。


というわけで、今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

竹内成彦の最近の記事