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【ランナーにおすすめの花粉症の薬】ネットや薬局で買えるもので

たくや/ランナー医師、ランナー、ランニングコーチ

読んで頂いてありがとうございます!
たくや/ランナーです。都内で医師&ランニングコーチをしています。

今回はランナーにおすすめの花粉症の薬についてまとめます。
・短時間で理解・対策ができるようまとめました。
・時間のない方は、黒板だけでもOKです。
では早速いってみましょう!!
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今シーズンは花粉が多いですね。

マラソンシーズンの後半は、いつも花粉の飛散時期と重なります。毎シーズン対策に苦慮される方も多いのではないでしょうか。病院に行っても「大会の前後で薬をどう使い分ければいいか」なんて教えてくれる医師は少ないと思います。

そこで医師でありランナーの自分が、どういう薬の使い方をすればいいかを伝えていきたいと思います。

ランナーの花粉症の特徴

花粉症のランナーは、スタート前や走っている最中より、走り終わってからがヤバいんですよね。

それは走っている最中はアドレナリンが出て症状がおさまることと、花粉の飛散が昼の12時にピークとなるからです。朝のスタート前はいいんですが、走行中にたくさん花粉を吸い込んでしまうんです。走行中はアドレナリンで症状が出ないのですが、ゴールして交感神経が緩んでくると少しずつ症状が出はじめます。そして打ち上げや帰りの電車では、くしゃみ・鼻水が止まらなくなります

市販で売っている花粉症の薬と特徴

薬局で売っている主な薬は、抗ヒスタミンの内服と、点眼と点鼻です。内服薬が簡便で一番人気があるようです。
ですが抗ヒスタミンの内服は、くしゃみや鼻水には効果がありますが、鼻づまりには効果が弱めと言われています。そして目と鼻の症状は、実は内服よりも点眼や点鼻のステロイドの方が効果的と言われたりしています。
また、単回使用よりも数日間使い続けた方効果が高まります。症状にあわせて、これらを組み合わせて対策を立てることをおすすめします。

ランナーの花粉症対策(軽症の場合:普段は症状がなく、大会後だけ症状がある)

花粉の多い日や、大会でたくさん花粉に暴露したときにだけ症状が出る方を例に挙げ、説明します。そんな方は、大会の日だけ対策をすれば大丈夫です。

具体的には大会の朝に、アレルギーに対抗するため、飲み薬を飲んで点眼を行います。それでも走ったあとは症状が出てしまうと思います。そこで即効性のある点眼と点鼻を行います。

軽症の場合の薬の使い方

具体的に薬の名前を挙げながら説明してゆきます。

内服のおすすめは、眠くなりにくいアレグラとクラリチンです。クラリチンは1日1回の服用なのですが、アレグラは飲んで8-12時間くらいたつと切れてきてしまうので1日2回です。なのでアレグラであれば朝と走ったあとに服用するといいでしょう。

目薬はロートアルガードクリアブロックExが最強です。抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬・抗炎症薬が入っていて評価も高いです。走っていると目のごみなどで、目のゴロゴロ感・違和感も生じると思います。また乾燥もしやすくなります。なので抗炎症・保湿の成分を含有したものをおすすめします。ただ1日4回点眼と回数が多く、カラーコンタクトレンズ装用時は使用できません。そんな方は防腐剤の入っていないアイリスAGユニットを使いましょう。

そして走った後は、もう一度上記目薬を差すほか、コールタイジンスプレーやナザール「スプレー」を点鼻して症状を抑えましょう。ナザール「スプレー」は抗ヒスタミン薬を含有しているので、眠くなることがあります。車の運転をする方は控えましょう。

ここで挙げた薬のリスト

アレグラFX(Yahoo!ショッピング
 ※ジェネリックのフェキソフェナジンも同効です(Yahoo!ショッピング
クラリチンEX(Yahoo!ショッピング
 ※ジェネリックのロラタジンも同効です(Yahoo!ショッピング
ロートアルガードクリアブロックExa(Yahoo!ショッピング
アイリスAGユニット(Yahoo!ショッピング
コールタイジンスプレー(Yahoo!ショッピング
ナザール「スプレー」(Yahoo!ショッピング

ランナーの花粉症対策(重症の場合:普段から症状があり、大会後はヤバい)

常日頃から症状がある方は、普段から対策をしましょう。
抗アレルギー薬は単回使用より、常用した方が効果があります。また点鼻薬は、即効性はないけどれ効果の高い、ステロイドの点鼻をしっかり使いましょう。

そして走り終わって症状が出るなら、即効性のある血管収縮薬の点鼻を使いましょう。血圧が上がってしまうことがあるので、走る前には使わないようにしましょう。

重症の場合の薬の使い方

軽症の方と同じようにおすすめは眠くなりにくいアレグラとクラリチンです。毎日飲むと結構お金がかかりますが、ジェネリックを使うと価格はだいぶ抑えられると思います(フェキソフェナジンで月1000円程度)。

そして目薬も併用しましょう。目薬は軽症の方より強めのロートアルガードクリアマイルドZにしました。他アイリスAGユニットもおすすめです。1日4回(ロート)、1日3-6回(アイリス)の回数の多さが面倒ですが、1-2回でも点眼した方がいいです。

点鼻薬はステロイドの入ったナザールαARをおすすめします。朝と夕、左右鼻腔に1噴霧ずつします。増量も可能ですが即効性はないので、症状の悪化時はナザール「スプレー」を追加します。頻回に使用すると効きにくくなったり、逆に悪化します。ここぞ!という時だけ使用して下さい。

ここまでしても症状が辛い方や、毎日4回の点眼が面倒な方。などなど。
医療機関では市販薬より効果の高い内服や、回数の少ない点眼も処方できます。そして「実は副鼻腔炎などの別の病気であった」などの可能性もありますので、医療機関を受診するようにして下さい。

ここで挙げた薬のリスト

アレグラFX(Yahoo!ショッピング
 ※ジェネリックのフェキソフェナジンも同効です(Yahoo!ショッピング
クラリチンEX(Yahoo!ショッピング
 ※ジェネリックのロラタジンも同効です(Yahoo!ショッピング
ロートアルガードクリアマイルドZ(Yahooo!ショッピング
アイリスAGユニット(Yahoo!ショッピング
ナザールαAR(Yahoo!ショッピング
ナザール「スプレー」(Yahoo!ショッピング

※文章中の花粉症の「軽症」「重症」は便宜上つけたもので、鼻アレルギーの診療ガイドラインの「アレルギー性鼻炎症状の重症度分類」とは異なります。

以上、最後まで読んで頂いてありがとうございました。

花粉ではなく寒暖差アレルギーの鼻水は、こちらのNOTEを参照下さい:
冬のランニングの時の「鼻水・鼻づまり」~血管運動性鼻炎

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<参考文献>
花粉症環境保健マニュアル2022環境省HPより
鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版Yahoo!ショッピング
ステロイドの点鼻は、抗ヒスタミン薬の内服より優れている
Juel-Berg N et al.Intranasal corticosteroids compared with oral antihistamines in allergic rhinitis: A systematic review and meta-analysis. Am J Rhinol Allergy.Jan9;31(1).2017(Pub-med

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たくや/ランナーについて
中学・高校・大学と陸上競技部で、そして卒業後もランニングを続けています。フルマラソンのベストは2時間50分。
今は都内の病院で勤務をしつつ、ランステでコーチをしています(日比谷ライドのコーチ紹介)。
発信はおもにNOTEでしています(ビアランニングドクターのNOTE)。

医師、ランナー、ランニングコーチ

41歳まで某大学病院の消化器肝臓内科で勤務、現在は都内の一般病院で内科医をしています。また、中学でランニングを始めて走歴は約40年、その経験を活かしてランニングステーションでコーチもしています。総合内科専門医・消化器病専門医・肝臓専門医・抗加齢医学会専門医、JMJA公認ランニングドクター他、資格は多数。フルマラソンの完走は67回でベストタイムは2時間50分31秒(2019湘南)。ランナーからよく聞かれることやランナーに伝えたい事を、科学的なエビデンスと経験をもとに記事を書いています。

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