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【埼玉県鳩山町】子どもたちが誇れる故郷に。なぜここで開業?小さな町で、デザイン事務所が目指すもの

寺西あゆみ

地味な女子旅&地域ライター(鳩山町・東松山市)

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自身の作品やお仕事については控えめなのに、地域の未来については止まらなくなるほど熱く語られるのが印象的だったおふたり。主にパンフレットやポスターなどの紙媒体の制作を手掛けるデザイン事務所『株式会社アート・プラネット・ファクトリー』を営んでいる田中さんご夫妻にお話を伺いました。

事務所のある鳩山ニュータウン(イメージ)
事務所のある鳩山ニュータウン(イメージ)

おふたりが鳩山町に移住されたのは約19年前。数ある候補地の中から、土地も広く最終的には「自然が豊かで子育てがしやすそうだった」という理由で選ばれました。ところが・・・

「独立して自宅でデザインの仕事をしていましたが、今のリモートワークの走りのようなスタイルで仕事をするということが世の中に浸透していない時代だったこともあり、日中外を歩いていると変質者だと思われそうでソワソワ。それほど当時の鳩山町は働き盛りの世代が外を歩いていなかった。正直なところ、この町でやっていけるのか不安でした」と、移住当時を振り返ります。

地域とのつながりがなかった田中さんに転機が訪れたのは、町に少子高齢化の波が押し寄せ始めた2006年。町内の小学校が統合し、新たに生まれ変わる鳩山小学校の校章デザインの公募を見つけたことでした。

「子どもたちが通うことになる鳩山小学校。自分の子どもたちもそうですが、鳩山町に住む子どもたちの成長と明るい未来をイメージしてデザインしました」という校章。

鳩山小学校の校章
鳩山小学校の校章

「鳩と木をモチーフに抽象化した形は、鳩山の自然豊かな環境の中で 虹(夢)に向かってのびのびと未来に飛躍する姿をあらわしています。 円型は、やさしさ、思いやりの輪(和)のある学校であり続けるようにと。また、2本の虹は2校(合併した鳩丘小と松栄小)が協力し、夢と希望をのせた新たな出発への想いを込めました」

田中さんのデザインが見事採用に。そこから徐々に鳩山町との接点が増えたことに加え、リーマンショックが。これを機に、それまで都内の企業や広告代理店の仕事が中心だったところを、比企地域の企業や自治体などからの仕事にシフト。町内に事務所を開くことを決めます。

奥様が手がけるアクセサリーブランド「ポルタアト」のギャラリーも兼ねた当時の事務所
奥様が手がけるアクセサリーブランド「ポルタアト」のギャラリーも兼ねた当時の事務所

「これまで多くの地域のデザイン案件に関わってきました。都内での仕事以上に結果を求められながらも、地域のお手伝いができる喜びを感じ、楽しんで仕事をしています」

田中さんの印象に残っているのは、比企地区の写真映えスポットを紹介した冊子#とるべの制作だそう。「自分でも知らなかった魅力的なスポットがたくさんあることに驚きました。デザインを通して、地域の魅力をもっと伝えられると意識するきっかけになりました」

比企郡を扱っているとは思えないオシャレな冊子です。リンクからぜひご覧ください
比企郡を扱っているとは思えないオシャレな冊子です。リンクからぜひご覧ください

こちらは地元企業さんとのコラボで実現した地域の「こだわり」を紹介する冊子。企画、編集、デザインに携わりました。

ikurin(いくりん)表紙
ikurin(いくりん)表紙

ikurinから。妥協せず何度も打ち合わせを重ねて制作しました
ikurinから。妥協せず何度も打ち合わせを重ねて制作しました

本来ならデザインの仕事は、クライアントとの直接の打ち合わせは最初だけのことがほとんど。あとはメールなどでやり取りをし、締め切りまでに納品すればそれで終わりです。それでも田中さんは、「作るのが全てではなく、作ったものがもたらす結果も重視したい」といい、地域のイベントのポスターを手掛ければ、実際にイベントにも足を運び反響や結果を検証するそうです。

ときがわ町のイベント「Artokigawa展」(過去開催のものです)
ときがわ町のイベント「Artokigawa展」(過去開催のものです)

鳩山町のイベント「はとやまクラフトフェア」(過去開催のものです)
鳩山町のイベント「はとやまクラフトフェア」(過去開催のものです)

「独りよがりではなく、クライアントときちんと対話し、それぞれのイメージにあったデザインを心がけています」という田中さんの制作したデザインの数々は、洗練されつつもクライアントをよく理解しているからこその、地域のあたたかみを感じます。「地域に根ざしたデザイン事務所をやって行くと決めたからには、依頼してくださった地元企業の利益につなげたいし、それが何より鳩山町や周辺地域の活性化にもつながると思っています」と目を輝かせます。

これまで手がけた数々のパンフレットやフライヤーの一部
これまで手がけた数々のパンフレットやフライヤーの一部

鳩山町イメージキャラクター「はーとん」ぬいぐるみ
鳩山町イメージキャラクター「はーとん」ぬいぐるみ

なぜここまで、移住者である田中さんが鳩山町や周辺地域の活性化にこだわるのか?生まれも育ちも鳩山町の私にとっては、それがとても不思議でした。そこには田中さん夫妻の、お子さんたちへの想いがありました。

「子どもたちにとって、鳩山町はたった一つの故郷になります。自分の故郷が、活気のない廃れた町だったら寂しいし、いつか戻ってくるという選択肢も与えたい。子どもたちが胸を張って故郷だと言えるような町であってほしいと思っています。そのためには、親の自分たちができることで何か地域に貢献できればと」

「はとやまクラフトフェア」の様子
「はとやまクラフトフェア」の様子

ワークショップなどを通し、地域の子どもたちとの交流も積極的に
ワークショップなどを通し、地域の子どもたちとの交流も積極的に

昨今の移住ブームもあり、住む場所は気楽に変えられる時代。移住先が合わなければ、また他の場所に移住すれば良いと言う考えのかたも少なくないと言われています。そんな風潮の中でも、田中さんご夫妻の鳩山町で生きていくという覚悟と、「周りの人たちと協力しながら、鳩山町をいい町にしていきたい!」と言う強い決意を感じました。

『いい部屋ネット街の幸福度ランキング』(大東建託株式会社・2021年度)で1位に輝いたことから、メディアに取り上げられることも多くなった鳩山町。そこで取り上げられる一部の取り組みだけでなく、こうした住民のかた一人一人の熱い想いと地道な活動がこの町を支えていると言うことも、忘れてはならないと改めて考えさせられました。

『アート・プラネット・ファクトリー』は、6月29日〜7月1日まで東京ビックサイト東展示場棟にて開催される『クリエイターズEXPO』に出展されます。(デザインゾーンX12。商談メインのイベントとなります。詳細・電子招待券はこちらから!)

幾何学図形に特化したオリジナルの模様を生産する自社ブランド「キカセイサク所」
幾何学図形に特化したオリジナルの模様を生産する自社ブランド「キカセイサク所」

私自身、これまでたくさんのデザイン事務所とお仕事をさせていただきましたが、ここまで熱い想いを語ってくださったかたは初めてでした(取材時間はなんと4時間半超!)。ぜひ、田中さんご夫妻と仕事や地域への想いを語り合い、ご自身の納得のいくデザインを『アート・プラネット・ファクトリー』と一緒に作り上げてみませんか?自分自身も気づいていなかった地域への想いに気づくことができるかもしれません。

過去に手がけたロゴデザインの一部
過去に手がけたロゴデザインの一部

【お問い合わせ】
株式会社アート・プラネット・ファクトリー
住所:
埼玉県比企郡鳩山町松ヶ丘1-2-4 ふれあいセンター2階
電話番号:049-296-5882
FAX:049-296-5889
メール: apf_tanaka@aqua.plala.or.jp
インスタグラム:
アート・プラネット・ファクトリー
portaat(ポルタアト)
キカセイサク所

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