【英会話】Sit down, please. は危険って知ってたのに。
英語嫌いなのに、何の因果か英文法をマスターして、挙句の果てに英会話スクールで働いちゃったもんだから、時折(しばしば?)私はNative English Speakerから思わぬ反応を引き出すことがあります。
【英会話】編は、そんな私のやらかしを多少脚色も加えて一笑していただこうというエッセイです。
受験英語は知ってるけど、Native English Speakerと急に話さなければならなくなったという方、どうぞ笑って、参考にしてください。
私が勤めていた英会話スクールは、ほぼ毎日、Native English Speakerの採用面接をやっていました。Native English Speakerの採用担当が面接してOKということになると、条件面などで私が駆り出される。
で、面接室に入っていくわけですが、そこでもやらかしたことがあります。
面接室に入っていったら、その講師候補、律儀に立ってたんです。Native English Speakerってそのあたりはフランクで、座って待ってるのが普通なんですけど、私が来るまで立ってたっぽいんで、ちょっと動揺しちゃう。
普通に握手して、自己紹介をお互いにしたまではよかったんですが、「どうぞ座って」ってのつもりで、
"Sit down, please."
って、言ったら、ぱっと顔が赤くなっちゃった。
あっ、思ったんだけど、もう後の祭り。
これは私も知ってたんです。"Sit down, please." が、先生が生徒に言ったり、飼い主が犬に言ったりする言葉で、ビジネスシーンでは使っちゃいけないことを。
でも、中学生のころから教え込まれた受験英語ってのは恐ろしいもので、知ってても、動揺すると口をついて出ちゃう。困ったものです。
慌てて、
"Please have a seat."
って言い直したんだけど、律儀に立って待ってるぐらい礼儀正しいNative English Speakerだけに、ムッとしたみたいで、そのあとの条件交渉は散々なことになりました。
面接を担当したNative English Speakerがフォローしてくれたんで何とかなりましたが、みなさんもお気をつけを。
と、こんな感じで、このエッセイの【英会話】編ではNative English Speakerたちにうまく伝わらなかった失敗英語エピソードをご披露したいと思っております。
お気に召しましたら是非ともごひいきくださいますようお願い申し上げます。
オフィスで、今日はなんかあのNative English Speaker カリカリしてるなと思ったら、思い起こしてみてください。"Sit down." って言ってませんか? あたしは、犬じゃないわよって、怒ってるかも。ご注意ください。
イラスト 大橋啓子