関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな！です。

大河ドラマ「どうする家康」が完結。作風には賛否あった大河でしたが、最終回には、家康の正妻・瀬名も登場し、大団円となりました。

その瀬名は、第25話で最期を迎えています。史実として、瀬名（築山殿、演・有村架純）が自刃ないしは殺害された場所は、どこだったでしょうか？　

まるでNHK番組のブラタモリのようですが、下の３つのヒントが謎を解くカギとなります。

１　２つのボート乗り場
２　謎の地蔵
３　浜松城の石垣

太刀洗の池（浜松市）

まず、分かっていることは、浜松城の西にある浜松医療センター敷地内に、築山殿にとどめをさした太刀（おおむね２尺以上の腰に下げる刃物）を洗ったと伝わる、太刀洗の池があるということです（現在工事中非公開）。

築山殿は、岡崎城から浜名湖を渡り、さらに現在の新川で佐鳴湖へと漕ぎ進み、上陸したことが分かっています。上陸した場所は、はっきりとした定説がありません。

佐鳴湖公園北岸（駐車場あり）

そこで、太刀洗の池に近い、佐鳴湖公園北岸（駐車場あり）をまず訪ねてみましょう。ひと回りすると、古い船着き場のような場所が発見できます。　

佐鳴湖公園北岸にあった地図を見ると、同公園近くに、富河岸船着き場跡の文字を発見。しかし、よく調べると、佐鳴湖の風向きや水の流れからして、「小藪船着き場」の方が可能性が高いことが分かりました。

小藪船着き場（駐車場なし）

佐鳴湖公園北岸から、歩行者専用の橋を渡り徒歩10分で、小藪船着き場に着きました（駐車場なし）。

富河岸船着き場には見当たらなかった、ボート乗り場が２つありました。これは、手漕ぎの小舟であっても、佐鳴湖の風向きや水の流れから、着岸しやすい場所である証拠と言えそうです。

「どうする家康」にも登場していた、戦国時代の手漕ぎ船なら、ここに着いた可能性は高そうです。

気になるのが、ボート乗り場に近い、写真の一角。護岸整備が進んだ佐鳴湖には似つかわしくない、古い景色が残っています。

すると、「築山御前がこの一角に上陸」と記された、手作りの案内表示を発見！（うぐいすのさと佐鳴湖創生会による）。（Yahoo!マップ）

２つのボート乗り場と並ぶ大きな状況証拠が、近くに安置された地蔵。

昭和初期に水難事故に遭い、この地に打ち上げられた人々を弔うものです。佐鳴湖の風向きや水の流れが、現在でもこの場所に集まっていることを示唆します。

「どうする家康」にも登場したように、戦国時代の船は手漕ぎ。恒常的な水の流れや、風に頼って漕ぎ進めていたはずです。

第３の証拠は、浜松城の石垣用の石？

後日、うぐいすのさと佐鳴湖創生会の方にお話を伺う機会がありました。

その方によると、小藪船着き場には、浜松城の石垣に使われた石が多く見られ、自然に船がたどり着く場所であった可能性が大きいとのこと。また、台風の折には、冷蔵庫などが流れ着くこともあるそうです。

落命の場所は、浜松市立看護専門学校の向かい辺りの藪か？

うぐいすのさと佐鳴湖創生会の方は、小藪船着き場に着岸したであろう瀬名が最期に落命したのは、太刀洗の池に近い、浜松市立看護専門学校の向かい辺りの藪ではないかと考えています（Yahoo!マップ）。

浜松城から西を見ます。

藪に隠れていますが、瀬名が着岸した佐鳴湖は歩いても30分強の場所。家康のいた浜松城まで、あと一歩の場所だったのです。

浜松城と太刀洗の池の間にあたる場所に、墓所を設け築山殿を弔う、西来院（せいらいいん）が建てられています。「どうする家康」直後のミニ番組でも、松本潤さん、有村架純さんが訪ねています。下のリンクからご確認ください。

【どうする家康】ゆかりの地（城・古戦場）一覧と旅行モデルコース（とらべるじゃーな！）

【第１回】どうする家康完結！ 信康自刃「二俣城」には、村上春樹の世界の終り的な場所も