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探査機ニューホライズンズが撮影!超高画質な冥王星映像集

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「ニューホライズンズが現地で撮影した冥王星」というテーマで動画をお送りしていきます。

●ニューホライズンズ

ニューホライズンズはNASAによって2006年に打ち上げられた、人類初の太陽系外縁天体の探査を行う無人探査機です。

打ち上げ時の速度は16km/sで、これは未だ破られていない人類史上最速記録です。

そしてそのスピードのまま9時間で月軌道を通過、13ヵ月後に木星に到達。

史上最短で月と木星に到達しました。

そんな、ただでさえ超絶速いニューホライズンズですが、木星でスイングバイしてさらに約4km/sも速度を上昇させ、冥王星へと向かいました。

そして2015年7月14日、ニューホライズンズは冥王星をフライバイし、冥王星の地形や組成、大気、衛星などに関する新たな大発見を私たちにいくつももたらしてくれました。

●歴代の冥王星映像集

まずは、探査機ニューホライズンズが冥王星で現地探査を行う前に撮影された、冥王星の映像を見ていきます。

冥王星は1930年に発見され、それから50年近く経った1978年、冥王星最大の衛星であるカロンが発見されました。

画像左の冥王星には、右上の方に突起物のようなものがありますね。

この膨らみが周期的に移動していることが明らかになったことで、冥王星には衛星が存在していることが明らかになったそうです。

1990年、宇宙の映像を宇宙空間から直接撮影することで大活躍を収め続けているハッブル宇宙望遠鏡の運用が始まりました。

それによって冥王星をさらに高画質で撮影することができ、結果的に2005年には新たにニクス・ヒドラという二つの衛星の存在が明らかになりました。

先ほどの画像と比べて圧倒的な解像度です。

ニクスとヒドラの直径は大体両者とも45km程度と考えられています。

1208kmもあったカロンと比べれば圧倒的に小さく、見つけにくい天体です。

こちらはハッブルの実写映像に軌道を描いた画像です!

2011年には衛星ニクスとヒドラの軌道の中間付近に、衛星ケルベロスが発見され、2012年にはニクスのさらに内側に衛星ステュクスが発見されました。

ケルベロスの直径は13-34km、ステュクスの直径は10-25kmと考えられています。

ニクス・ヒドラよりも更に一回り小さいことがわかります。

こうして冥王星の衛星はなんと5個もあることが明らかになりました。

現在でも冥王星の衛星はこの5つが認識されています。

●ニューホライズンズが撮影した冥王星

それでは実際にニューホライズンズによって初めて現地で撮影された冥王星の詳細な様子を見ていきましょう。

これは冥王星外観の画像ですが、これまでとは比にならないほど詳細な姿が浮かび上がりました。

画像中央部にハート側の模様がありますが、これはトンボー地域と呼ばれる地形です。

トンボー地域の西側の部分、ハートの左半分には、スプートニク平原と呼ばれる氷原が広がっています。

幅1000kmほどで、窒素や炭素、一酸化炭素、メタンの氷などに覆われているそうです。

こちらは、岩山や氷で覆われた表面を映し出したものです。

地下ではさらに、地質活動が起こっていて、その熱の作用で、表面の物質に動きが起きているそうです。

次は、凍結した液体窒素の湖です。

この湖は、スプートニク平原の北側の山脈に位置していて湖の幅は約30kmだそうです。

この凍結した湖から、かつて冥王星は大気圧、表面温度がともに今よりも高く、地表に液体が流れたり液体が溜まっていたのではないか、といわれています。

こちらは、日没を捉えた画像です。

地平線に広がる氷原とボワっとした大気とが相まってとても神秘的です。

冥王星から約18000kmの位置から撮影されたそうです。

そしてこちらは、ニューホライズンズが冥王星を通り過ぎて振り返ったときに撮影したものです。

全体が青い大気に包まれていますね。

ちょうどいい具合に太陽と重なってこれもまた神秘的です。

さらにニューホライズンズは、冥王星最大の衛星カロンの姿も鮮明に捉えています。

北極部分が褐色なのが特徴的です。

●より深淵の天体「アロコス」

冥王星の探査を終えた探査機ニューホライズンズはその後さらに深い宇宙にある「アロコス」という天体に接近し、その姿を直接観測することに成功しました。

ニューホライズンズ接近時のアロコスの太陽からの距離は43.4au(1au=地球と太陽の平均距離≒1.5億km)でした。

これは直接写真を撮った天体としては、地球や太陽からの最遠記録となります。

そしてこちらが実際に撮影された画像です。

まるで雪だるまのような、不思議な形をしていますね。

直径は31km程度で、直径19kmと14kmの2つの小天体がぶつかりこのような形を作ったと考えられています。

そしてさらにニューホライズンズが去り際に撮影した映像から、アロコスは意外と薄っぺらい見た目をしていることがわかりました。

なので雪だるま型、というより実はパンケーキ型と言えるでしょう。

地球から遥か遠い宇宙の中の天体の詳細な情報がわかるのは、本当にロマンがあります。

https://www.nasa.gov/feature/five-years-after-new-horizons-historic-flyby-here-are-10-cool-things-we-learned-about-plut-0
https://www.nasa.gov/feature/new-horizons-evocative-farewell-glance-at-ultima-thule

「宇宙ヤバイch」というYouTubeチャンネルで、宇宙分野の最新ニュースや雑学などを発信しているYouTuberです。好きな天体は海王星です。

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