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使う直前に買わないと劣化する生地があるよ コスプレ衣装制作講座5-2

レオタード3D再現画像
レオタード3D再現画像

コスプレ衣装には合皮や伸縮のあるレオタード生地を使うことがあります。
セールとか、何かを買うついでにと一緒に買うことがあるかもしれません。

ですが合皮やレオタード生地など、ポリウレタンが原材料の生地だけはちょっと待ってください。
私、洋裁教室ではあまり何かを強制することはないのですが、これに関しては声を大にして言っています。

なぜかというとポリウレタンは他の生地に比べ寿命が短いんですね。

経年劣化した合皮ジャケットの襟
経年劣化した合皮ジャケットの襟

合皮のバックや、ジャケット、ソファーの表面がひび割れてボロボロになっているのを見たことがある方も少なくないと思います。
ポリウレタンの使われている生地は、だいたい5年くらいもてばいいほうなんです。

ちなみにポリウレタンの伸びる生地の場合、劣化すると伸ばした時に伸びたままになります。
ウエストギャザーのファスナーのないスカートやズボンのゴムが、伸び伸びになった経験ありませんか?
あれがそうです。

合皮やレオタード生地は、一般的に使われる生地に比べると需要が少ないので、お店に入荷して1年以上たっているという場合もあります。
せっかく作った衣装、人によってはアニメが漫画の放送や連載が終っても、好きで着続ける方もいらっしゃいますよね。

そのせっかく時間をかけて作った衣装が、経年劣化で切ないことになってしまうのです。
だから出来るだけ長く使えるように、ポリウレタンの生地は作るのが決まってから買ってくださいね!

おまけ

綿麻や絹などは保存状態が良ければ100年くらいはもつそうです。

化学繊維や、半合成繊維の歴史は発明されてから
レーヨンが約130年(1892年)
アセテートが100年位(1924年)
ナイロンが85年位(1939年)
ポリエステルが70年位(1953年)
ポリウレタンが60年位(1959年)
日本化学繊維協会のHPより参照

という風に発明されてから100年経っていないものも多いので、実際科学繊維がどれくらいもつのか、問屋さんですら自社の製品がいつまでもつのかまだデータが出ていないとおっしゃっていました。
その中でもポリウレタンは寿命が短いので、各社寿命の長い製品を開発されていらっしゃるようですが、手芸店に一般流通するのはまだまだ先だと思います。

洋裁好きを増やし挫折する人を減らすのをライフワークとして、世界一やさしい洋裁教室を目指してネットで服や布小物の作り方を公開しています

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