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夏のお出かけウォーキング 一度は行きたい夏の尾瀬 大自然が作る絶景の中、湿原と花を楽しむ歩く旅

わか子ライター

遠くに見える山、広がる湿原。視界を遮る人工物が無い光景の中に木道がずっと向こうにまでつながっている。ここまで広いと距離感がわからなくなる。
向こうに見える木々も小さくみえる。近くで見れば森のように生い茂る木々は、まるでミニチュアのよう。

大自然が作り上げたこの場所には、人間社会では見ることが出来ない絶景が広がっていた。

尾瀬は、「夏の思い出」で歌われている広大な湿原。
福島県、新潟県、群馬県、栃木県の4県にまたがり、どこから行ってもかなり山深い場所にある。
まるで、人間が来るのを拒んでいるかのような山深い場所に、果てしなく長い年月を経て造られた大自然。
目の前に広がる自然の大きさは写真に撮ろうとしても収まらない。現地に立って周りを見渡した時に、そう実感した。

尾瀬ヶ原の木道と日本百名山 燧ケ岳(ひうちがたけ)
尾瀬ヶ原の木道と日本百名山 燧ケ岳(ひうちがたけ)

尾瀬ヶ原

尾瀬ヶ原は、標高2000mもある山々に囲まれている盆地。
尾瀬ヶ原に入り、湿原の中に立つ。周りを囲む山々を見渡す。誇らしげでどっしりと腰を据えた存在感のある山が二座ある。西側には丸みを帯びた穏やかな山容の至仏山(しぶつさん 標高2228m)、東側には傾斜が強く直線的な山容の燧ケ岳ひうちがたけ 標高2356m)。共に日本百名山に名を連ねており、この山が存在するからこそ、尾瀬の大自然をより一層見ごたえがある景色になっている。

山々に囲まれている盆地である尾瀬ヶ原は、山に降った雨が流れ込み、一帯が湿地帯となっている。いろいろな要因が重なって出来たのだろう。この地形があってこそ、大自然の絶景が生まれた。

尾瀬ヶ原は東西で6km、南北で2kmもある広大な湿原。6kmはどれくらいの距離かと言うと、東京駅と新宿駅間を歩くと約6.5kmになり、湿原だけでも広大であることがわかる。その、湿原の広さは約760haであり、東京ドーム162個分になりるが、これだけ広くなれば想像すらつかない。

燧ケ岳山頂から見る尾瀬ヶ原の全景と至仏山
燧ケ岳山頂から見る尾瀬ヶ原の全景と至仏山

尾瀬ヶ原をハイキング

広大な尾瀬ヶ原に整備されている木道の上を歩くハイキングする。

湿原の中でハイキングを楽しむ人々
湿原の中でハイキングを楽しむ人々

景色を楽しむ

尾瀬ヶ原と水面に映りこんでいる燧ケ岳
尾瀬ヶ原と水面に映りこんでいる燧ケ岳

至仏山とニッコウキスゲ
至仏山とニッコウキスゲ

早朝の尾瀬ヶ原に霧が立ち込める幻想的な景色(5時14分見晴で撮影)
早朝の尾瀬ヶ原に霧が立ち込める幻想的な景色(5時14分見晴で撮影)

真っすぐに伸びる木道の先は見晴 燧ケ岳ふもとの山の切れ目から尾瀬の水が流れ出ている
真っすぐに伸びる木道の先は見晴 燧ケ岳ふもとの山の切れ目から尾瀬の水が流れ出ている

花を楽しむ

左上 ワタスゲ 右上 シナノキンバイ 左下 ニッコウキスゲとカラマツソウ 右下 ウラジロヨウラク
左上 ワタスゲ 右上 シナノキンバイ 左下 ニッコウキスゲとカラマツソウ 右下 ウラジロヨウラク

左上 ユキワリソウ(至仏山) 右上 カキツバタ 左下 タカネバラ 右下 ギョリンソウ(樹木帯)
左上 ユキワリソウ(至仏山) 右上 カキツバタ 左下 タカネバラ 右下 ギョリンソウ(樹木帯)

尾瀬を歩く旅

尾瀬はとても広い。駐車場や最寄りのバス停から尾瀬ヶ原の湿原までも距離があり、移動時間は想像以上に必要になる。

尾瀬ヶ原は、湿地帯でも標高1400mの高地になる。大自然の中では日差しを遮るものが無く、紫外線が容赦なく降り注ぐ。日差しが照り付けている中を歩いていると夏の暑さを感じ汗がダラダラと流れたが、場所は尾瀬である。
日が沈んでからは夕立のような激しい雨がふり、夜間は涼しさを通り越して寒かった。薄手のダウンジャケットやフリースは必須だった。
夏の尾瀬を楽しむのであれば、真夏のハイキングの服装をベースに、寒さと雨対策は大切である。

個人差はあるが駐車場や最寄りのバス停から目的とする尾瀬が原まで移動時間は、片道で1時間半以上、往復すると3時間半から4時間もかかってしまう。
湿原の散策時間にどれぐらいの時間が必要かは人にもよるが、休憩を含めて湿原にいる時間を3時間とすると合計の所要時間は7時間必要になる。
当日朝始発の公共交通機関を使うと、最寄りのバス停に到着するのはどうしてもお昼前になってしまうので日帰りで日程を組むのは難しい。

一泊二日 尾瀬を楽しむ旅

日帰りでも行けない事はないが、せっかく出かけるならば、ゆっくりと大自然の中で、慌ただしい日常と離れる時間をゆっくりと楽しみたい。

1泊2日、尾瀬で宿泊をするならば、時間にゆとりがある旅が出来る。ゆっくりと、旅を楽しむのであれば、宿泊はお値段以上に価値があるかもしれない。

尾瀬ヶ原の真ん中にある龍宮小屋
尾瀬ヶ原の真ん中にある龍宮小屋

手軽に尾瀬を楽しみたい車で行く旅

車であれば時間の融通が利く。注意するのは駐車場から鳩待峠までの区間のバス・乗合タクシーの時間。
朝は早朝から走っているけれど、帰りの夕方は最終の時間が比較的早い。駐車場から尾瀬に向かう時に帰りの時間の確認を自身しておくのが良い。

テント泊も出来る(見晴キャンプ場)
テント泊も出来る(見晴キャンプ場)

前日夜に出発する高速バス

現地で宿泊をしない計画をするとどうなるだろうか。当日の朝発で調べると、新幹線の東京発始発(6:36分発)に乗れたとして、バスを乗り継いで9:58分。この時間の到着では、尾瀬を楽しめる時間はかなり少ない。

そこで、時間を有効に使えるプランとして、前日夜に出発する高速バスがある。
東京新宿のバスタを前日22時に出発して当日(深夜ともいえるような時間)の早朝に尾瀬の玄関口である戸倉バス停に着く。このコースであれば夕方までの十分な時間を尾瀬で満喫できる。体力は必要であるが、頑張れるのであればお財布にも優しく楽しめるお得なプランかもしれない。

※地方の方におすすめ
東京にあるバスタ新宿には、各都道府県から向かってくる高速バスが沢山ある。北海道と九州では福岡のみであるが、本州と四国であれば茨木県以外には便がある。
高速バスの出発、到着時間は早朝や深夜の時間も多い。
尾瀬は遠いと思われるのであれば、バスタ新宿で高速バスを乗り継ぐ方法が便利で料金も安い。

尾瀬に行く

尾瀬に行く玄関口は、群馬県側と福島県側に数か所ある。
その中でも、首都圏からアプローチしやすくて初心者に人気があるのが「鳩待峠」

鳩待峠

尾瀬ヶ原に行くには尾瀬ヶ原を囲んでいる山をこえて盆地の中に入っていく。
鳩待峠は、尾瀬ヶ原の西側にある至仏山の麓にある峠で、峠の一番高い所に「鳩待峠休憩所」がある。鳩待峠休憩所から先は交通機関がなくなる。ここより先は樹木帯の木道を歩き下り湿原に向かって行く。

鳩待峠休憩所
鳩待峠休憩所

鳩待峠に行くには交通規制があり、ふもとである戸倉(群馬県利根郡片品村)からバスか乗合タクシーで鳩待峠休憩所に移動する。(どちらも大人1人片道1000円)

駐車場とバス停

車の場合:尾瀬第一駐車場
駐車料金 1000円/日
トイレあり、待合室あり

鳩待峠に向かう乗合タクシー(尾瀬第一駐車場)
鳩待峠に向かう乗合タクシー(尾瀬第一駐車場)

バスの場合:尾瀬戸倉バス停

トイレあり

  • 高速バス(関越交通)
  • 上越新幹線 上毛高原駅行き
  • JR上毛線 沼田駅行き

ライター

東京都在住のおばさんです。子育てが落ち着いてきた頃より趣味で登山や街道歩き等を始めました。歩く旅は大変だというイメージがありますが、歩く事で解る楽しみもあります。実際に歩く旅をして、歩く旅の楽しさをお伝えしたいと思っています。

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