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地鶏に和牛、なんと蝦夷鹿まで。進化系「博多串焼き」が下北沢に誕生!【焼とりダービー/東京】

今回、冒険するのは東京都・下北沢の「焼とりダービー」。小田急線・豪徳寺で人気を博した焼鳥屋が2023年3月、下北沢に姉妹店をオープン! 佐賀県出身の店主・ダービーさんの持ち味は、鶏だけでなく豚や牛も扱う「博多串焼き」。下北沢店をオープンするにあたり、より食材に磨きをかけたそう。

扱う鶏は長崎県の地鶏「長崎対馬地どり」。

「博多串焼き」は、鶏も豚も牛も串に打てば何でも〝やきとり〟という食文化。都内に同様の店はいくつもあるけれど、「焼とりダービー」のように「鶏の焼鳥」にこだわり抜いている店はかなり珍しいかもしれない……。そういう意味でも、今注目したい店の一つ。

メニューを見ると焼鳥は5本セットと8本セットがあるのだけれど、アラカルトで好きなネタだけを頼んだって全く問題ない。例えばレバーなどの内蔵ネタが苦手だったとしても、気負わずに食べられるわけだ。

砂肝
砂肝

この日は俄然、焼鳥気分。5本、8本で終えられるとは到底思えず、ダービーさんの提案どおり「おまかせ」で食べられるだけ食べることにした。さぁ、待ちに待った1本目は「サシュッ」と小気味よい音を立てる砂肝。この音を聞くと、焼鳥屋に来たことを実感するなぁ。

抱き身(むね肉)
抱き身(むね肉)

ささみ
ささみ

続いて、ふっくらとした抱き身(むね肉)にささみと王道ネタの流れ。あぁ。砂肝に玉ねぎを挟むのもなんとも九州らしい。それに、ささみにわさびでも梅でもなく、わさび醤油を付けるというのも個性的。

豪徳寺店との大きな違いは、鶏へのこだわりにある。以前は佐賀県の銘柄鶏「みつせ鶏」も扱っていたのだけれど、ここ下北沢店ではダービーさんが惚れ込んだ地鶏「長崎対馬地どり」だけに絞ったのだとか。博多串焼きで「九州の地鶏を使いたい」という点もぐっとくるじゃないか。

ふりそで
ふりそで

さぁ、地鶏となれば肉のうまみも皮目の脂の甘みも期待できるというもの! ふりそで(むねと手羽元の間の肉)やねぎまは「長崎対馬地どり」の魅力を味わうにはもってこいだ。皮目のパリッとした香ばしさ、肉のうまみ、弾力の豊かさといったらない。

ねぎま
ねぎま

さらに、ソリまで。これはもも肉との付け根もあるピンポン玉くらいの肉。うまみが濃く、地鶏の焼鳥ではまさにごちそうといえる1本だ。うーん。いい色、いい仕上がり。

ソリ
ソリ

焼鳥は内臓ネタも醍醐味。レバーを一口噛めば、とろり、ねっとりと舌に絡みつくような濃厚さ! 思わず聞いてみれば「今日の長崎対馬地どりは全て〝雄〟なんです」と、ダービーさん。なんでも週替わりで雌と雄が交互に入ってくるそう。貴重な地鶏を余すことなく味わうって、大事。

レバー
レバー

ハツ
ハツ

このぶりんぶりんのハツや、噛むほどに味わい深いハラミもたまらない。ハツはこれで地鶏2羽分だ。そう思うと、ありがたいと思うばかり。

ハラミは葉にんにくを挟み、タレをまとわせて香ばしく。くぅ。レバーにハツにハラミ。この濃いうまみに酒もくいっと進むというもの。

ハラミ(腹膜)
ハラミ(腹膜)

博多串焼きの「自由さ」が心底、楽しい。

もちろん、博多串焼きではお馴染みの豚肉で巻いたレタス巻や玉子巻も健在。アッパーな焼鳥屋ながら大衆ネタを堂々と使えるのも「焼とりダービー」の特権というもの。地鶏のネタの合間に出されても、違和感なく溶け込んでいる。玉子なんてもう、とろんとろんだ。

レタス巻
レタス巻

玉子巻
玉子巻

博多串焼きなら豚バラは大定番だけれど、さらに和牛ミスジやジビエの蝦夷鹿まで扱うというのだから驚き。和牛は歯がいらないと思うくらいにやわらか。うーん。これは、ズルい。

一番気になっていたジビエの蝦夷鹿は、鹿肉らしい赤身肉。淡泊な味わいながら、じんわりと広がるようなうまみがある。「焼鳥屋で蝦夷鹿?」とも思ったけれど、これは目玉になる可能性を秘めている気がする……。粒マスタードの酸味もあって、後味もさわやか。また訪れたなら、リピート確定だ。

豚バラ
豚バラ

和牛ミスジ
和牛ミスジ

蝦夷鹿(エゾシカ)
蝦夷鹿(エゾシカ)

鶏も豚も、牛も、そして蝦夷鹿までなんでもアリの博多串焼き。なんでもアリだけれど、地鶏への深いこだわりといい、どれも抜かりない。豪徳寺の「焼とりダービー」も充分うまかったけれど、下北沢はダービーさんの「理想」が目一杯詰め込まれているように思う。

ここまで進化すると、もはや「ネオ博多串焼き」といったところ? カルチャーの街・シモキタに、新たな焼鳥文化が誕生だ。

店舗情報

【店名】下北沢 焼とりダービー
【最寄り駅】下北沢駅
【住所】東京都世田谷区代沢5-32-11
【予約】080-8027-6164
【定休日】水曜(不定休あり)
【串のアラカルト】あり
【鶏メモ】長崎対馬地どり

毎週、焼鳥三昧! 焼鳥を斜めに逆さ撮りする〝ヤキトリスト撮り〟は元祖にして名刺代わり! 「焼鳥は串柄、人柄」をテーマに、大衆的で気兼ねない町焼鳥から、鶏にこだわり1本1本に心血を注ぐ専門店まで焼鳥まみれの日々を送っています。焼鳥好きの方、フォローよろしくお願いします!

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