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古都・金沢で味わう東京焼鳥。「青森シャモロック」は伊達じゃない【鳥たけ/石川】

今回、冒険するのは石川県・金沢市袋町の「鳥たけ」。ここは東京の名門「鳥よし」出身の店主、竹内さんが構える城だ。石川県は昔から焼鳥文化が根付いている地域。大衆店から高級店まで多彩な焼鳥屋が出揃うものの、今日に金沢に東京焼鳥の影響を与えたのは「鳥たけ」の存在が大きいように感じている。

風情溢れる古民家で焼鳥を

金沢市民の台所。そして観光の拠り所でもある近江町市場からほど近く。古民家を改装したという風情溢れる造り。暖簾をくぐればたっぷりと余裕のあるカウンターが迎えてくれる。

「鳥たけ」の魅力はなんと言っても地鶏・青森シャモロックだけにこだわる焼鳥。この鶏は脂の甘みというよりも肉のうまみが際立つような地鶏。頼んだのは、焼鳥5品に焼き野菜3品、糠漬け、スープが付くコース(3800円)だ。

手羽元
手羽元

最初にぬか漬けを出すのも「鳥よし」の名残。それを肴に待った1本目は意外にも手羽元だ。皮目は香ばしく。噛めばむっちりとして、さっぱり。お、これは思った以上に食べやすい。1本目の串としてはむね肉やささみの方が主流だけれど、いやいや、手羽元も大アリじゃないか。

ズッキーニ
ズッキーニ

せせり
せせり

アッツアツのズッキーニに続いて、せせり。地鶏らしく味も濃く、むちっと押し返すような弾力がうまい。かといって筋っぽさはほとんど感じない。んん。いい流れ。

「ヤングコーンです。ひげもどうぞ」と、またまた旬の焼き野菜。焼鳥は鮨や天ぷらのようには季節を感じられないからこそ、焼き野菜が光る。焼鳥がうまいうえに、焼き野菜もうまければもう、完璧だ。

ヤングコーン
ヤングコーン

地鶏といえば、やっぱりもも肉

さぁ、地鶏といえば主役は断然、もも肉。青森シャモロックは皮から滴るような脂をもつ地鶏ではないけれど、その分、ぐっと肉に力がある。何気に都内でも青森シャモロック〝だけ〟にこだわった焼鳥屋は見かけない。それが古都・金沢にあるというのだから不思議なもんだ。

もも
もも

噛めば、パリッとした食感を追うように押し寄せるうまみの塊。地鶏となれば、もも肉は外せないところ。脂の主張が強くないので後味も軽やか。これなら、いつまでも味わっていたいくらいだ。

砂肝
砂肝

砂肝も地鶏らしくジャクッ! とインパクトのある歯切れ。若鶏の砂肝のような軽やかさとは違い、この1本には「濃さ」がある。噛めば噛むほど、それが押し出てくるような……。このももから砂肝の流れ、最高にうまい。

玉ねぎ
玉ねぎ

ここで、3つ目の焼き野菜。じっくりと時間をかけて焼き上げた玉ねぎはどこまでも甘く……。仕上げに塗られたバターがまたいい味を出しているんだ。きっと鶏では永遠に得られない類の甘み。これをつまみながら、何杯でもいけそうだ。

つくね
つくね

コースの〆のネタは定番のつくね。地鶏を使いながらも思った以上にふっくらとして、タレの絡みもいい塩梅。見た目はまさに団子のよう……。この「鳥よし」を思わせるフォルムがまたいいんだ。

どのネタもうまいだけに名残惜しい。焼鳥も5品では終われないのが本音といったところだ。んん。となれば……

特産のジャンボなめこは必食

せっかくの金沢。口直しの焼き野菜。あとは、さび焼き、レバーも追加だ。メニューにはのっていなかったのだけれど、青森シャモロックのソリレスかうちももが味わいたくなって聞いてみれば、「ソリレスならご用意できますよ」と竹内さん。焼き野菜1品に、串3本。うん。我ながら、好バランス。

木滑なめこ
木滑なめこ

焼き野菜に選んだのは、見るからに〝ジャンボ〟な木滑なめこ。石川県白山市の特産品でなめことは思えないほどの大きさと、歯切れのよさ、味の濃さ! そうそう、コレコレ。何年も前に「鳥たけ」を訪れたときも、このなめこに感動したもんだ。爽やかに効かせたすだちの香りもあって……もう、松茸要らず。

ふふ。食欲の火、再び。ふっくらとしたさび焼きに、濃厚なレバー、うまみの塊のソリレス。いずれもすんなり胃に収まった。それも焼鳥のいいところ。

さび焼き、レバー、ソリレス
さび焼き、レバー、ソリレス

食べる前からうまいたたき丼

〆の料理は別途。メニューには卵かけご飯に、そぼろ丼、スープ茶漬けもあるのだけれど、端から「たたき丼」一択で臨んでいた。炭火で炙られたむね肉が目の前で切り出されるのを見ているだけで胸も躍るというもの!

たたき丼
たたき丼

甘辛いタレをまとい、艶めくたたき丼。地鶏のむね肉となれば、うまみも弾力も充分。「食べる前からうまい」とはこういうことをいう。親子丼やそぼろ丼は定食屋でも味わえるけれど、このたたき丼は焼鳥屋ならではの一品。再訪したなら、もちろんリピート確定だ。

金沢の焼鳥屋も、今では地鶏を扱う店も随分と増えた。若鶏に比べるとどうしても値が張るので、「鳥たけ」も一朝一夕に繁盛店になったわけじゃないと思う。でも、この店があったから拓けた道もあるんじゃないかと思うばかり。焼鳥国・石川を代表する焼鳥屋だ。

〜冒険のおさらい〜

①地鶏・青森シャモロックだけ

②ジャンボなめこがやみつき

③〆のたたき丼でまた感動する

店舗情報
【店名】鳥たけ
【最寄り駅】金沢駅
【住所】石川県金沢市袋町2-15
【予約】076-255-0353
【定休日】火曜
【串のアラカルト】なし
【鶏メモ】青森シャモロック

毎週、焼鳥三昧! 焼鳥を斜めに逆さ撮りする〝ヤキトリスト撮り〟は元祖にして名刺代わり! 「焼鳥は串柄、人柄」をテーマに、大衆的で気兼ねない町焼鳥から、鶏にこだわり1本1本に心血を注ぐ専門店まで焼鳥まみれの日々を送っています。焼鳥好きの方、フォローよろしくお願いします!

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