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期待の新店! アンティーク感溢れる世界観とデカネタで魅せる好ギャップ【宮下式/東京】

今回、冒険するのは東京・調布の「宮下式」。調布も再開発で都市化するなか、調布銀座のあたりはまだ昔ながらの風情が残っていた。曲がりくねった道の先に見つけたのはビストロかバーのような造りの焼鳥屋。2023年7月にオープンしたばかりのニューフェイス「宮下式」だ。

重厚なアイアン飾りが目印

昔ながらの重厚なアイアン飾りが目を引く扉。その外観に戸惑いつつも開けば、焼鳥屋らしくL字カウンターが迎えてくれた。店内の装飾も窓からハンガーに至るまでちりばめられたアンティーク感。それでいて、焼き場に立つ店主・宮下さんはシンプルに和の装い……。うーん。なんと個性的なギャップだろう。こんな焼鳥屋、見たことがない。

洋と和。独特な世界観を味わうとともに、じわじわと高まる期待。肝心の焼鳥は5本、7本、9本のおまかせセットから選ぶようだ。もちろん、食べる気満々でここに座っている。ここはしっかり9本、味わうことにした。

抱き身(むね肉)
抱き身(むね肉)

「抱き身(むね肉)です」と差し出された1本目。おお、なんという大ポーション。串を持つと指先にずっしりと肉の重みがのしかかってくる。

噛めばムチッとして、水分をたっぷりと含んだみずみずしい味わい。からめたタレはさらっとしているので後味も軽く食べやすい。いいじゃないか。これには、ビールも進むというもの。

ハツ
ハツ

なす
なす

続いては、ハツになすだ。ハツは3羽近くの心臓を打っているようで、噛めばプリッと弾け飛ぶよう。なすも他の焼鳥屋ではそうそう見かけない大ポーション! さらに油を塗ってコクをプラス。これは、なす好きにはたまらないなぁ。

ちなみに、焼鳥の野菜串はそのままだと食べづらいことも多いので、外して食べるのはアリだと思っている。ただでさえ芯までアッツアツの焼なす。これを串のまま食べるのはちょっとだけ、勇気がいるんだよ。

もも肉はもはやステーキのよう

さぁ、主役の登場と言わんばかりに現れたのはもも肉。これがまた1本目の抱き身以上に迫力のあるポーション! 厚みも幅もまるで〝壁〟のようだ。そう思うくらいにぶ厚く、信じられない重みが指先にのしかかってきた。

大口を開けて頬張れば、ジュワッと溢れ出る肉汁。これは、もはやチキンステーキ。肉そのもので魅せる炭火焼チキンステーキだ。

皮

もう手に入らない焼酎も

これまでの暴力的なポーションの串に比べれば、皮はやや控えめ。それでもなんだか憎めず、むちっとした味わいに自然と手がグラスに伸びる。宮下さんに勧められたのは、そば焼酎の「豪仙」だ。

なんでも、大昔に購入したものらしい。角が取れた奥行きのあるまろみ。貴重なものなはずなのに、「ずっと、置いておいても仕方ないですから」と惜しまず、お手頃価格で出してくれることにもぐっとくる。うーん。そば焼酎、苦手意識があったけど、これは大アリ。焼鳥との相性も抜群だ。

ねぎま
ねぎま

ししとう
ししとう

じゃがいも
じゃがいも

今度はもも肉をねぎまに仕立てて。皮が巻かれていないぶん、インパクトはやや欠けるものの、それを補って余るほどの大ポーション。野菜ネタも先ほどのなすと同様、ご機嫌だ。

とくにじゃがいも。内心「芋は腹にたまるからなぁ……」と思いつつも、食べてみればそのホックホク感のトリコ。そう、炭火で焼いた芋は、うま過ぎるんだよ。

9本セットの〆は定番の手羽で

手羽も大ぶりで、アッツアツのジュワッジュワ。〆の料理がなくてもこの焼鳥6本、野菜串3本の9本で充分、満たされると思う。なぜここまで大ぶりなのか気になって聞いてみれば、「そんなに大きいですか? もう老眼ですかねぇ。手元がよく見えなくて(笑)」と茶目っ気を見せる宮下さん。

加えて、このアンティーク感だ。驚くことに内装のほとんどが宮下さんによるDIY(Do it yourself)らしい。重厚なドアはなんと100年以上も前のフランス製。ハンガーやとんぼを模したドアノッカーも年季が入っている。

和の焼鳥でありながら、洋のアンティーク感。さらにデカネタときた。押し寄せるギャップの洪水。これは、一度来たら忘れられないな。

▼冒険のおさらい

①アンティーク感溢れる店造り

②思わず目を見張るデカネタ

③希少なお酒が味わえるかも?

店舗情報
【店名】宮下式
【最寄り駅】調布駅
【住所】東京都調布市小島町1-34-15
【予約】042-444-1330
【定休日】月曜~水曜(今後変更の可能性あり)
【串のアラカルト】なし
【セット】1,380円〜
【鶏メモ】大山どり

毎週、焼鳥三昧! 焼鳥を斜めに逆さ撮りする〝ヤキトリスト撮り〟は元祖にして名刺代わり! 「焼鳥は串柄、人柄」をテーマに、大衆的で気兼ねない町焼鳥から、鶏にこだわり1本1本に心血を注ぐ専門店まで焼鳥まみれの日々を送っています。焼鳥好きの方、フォローよろしくお願いします!

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