Yahoo!ニュース

大田区のローカル線沿いに穴場! 高級店顔負けの焼鳥はリピート確実【鳥ちよ/東京】

今回、冒険するのは東京都大田区千鳥の「鳥ちよ」。最寄りは東急電鉄池上線・千鳥町駅。降りてみると小ぢんまりとしながら品のある町並み。線路沿いに少し歩くと、白い暖簾を見つけた。外観から見て取れる雰囲気は大衆店以上、高級店未満。知る人ぞ知る大人の隠れ家といったところだ。

カウンターのみ、清潔な造り

カウンターのみ、清潔感のある造り。肩肘を張ることもない空間。かといって砕け過ぎていることもなく。いわゆる町の焼鳥居酒屋とは異なる焼鳥専門店だ。串はアラカルトでもいいし、おすすめのコースもあるよう。悩んだものの、初めて訪れたこともあり、ここはコースに決めた。

……もちろん、串を追加する気満々ではあるのだけど。

◆コース(2,650円)
グリーンサラダ
皮ぽん
焼鳥7本(肉5本、野菜2本)
スープ茶漬け

生姜がガツンと効いた塩つくね

つくね
つくね

お待ちかねの焼鳥はつくねから。3貫に分けて打った、だんごスタイル。その1貫目を噛んだ瞬間、鮮烈! 爽やかな生姜の香りがブワッ。追いかけるようにねぎの風味、肉のうまみが広がっていく……。んん。これはうまいなぁ!

これほど生姜を効かせたつくねに出合ったのは初めてだ。むしろ、好み。店主の渡邉さんも「生姜が効いたつくね、おいしいですよね。これくらいパンチが効いている方が好きなんです」と微笑む。

かしわ
かしわ

2本目は焼鳥の定番、かしわだ。もも肉をミルフィーユ状に打ち、ふっくらと焼き上げた一品。若い鶏だろうから、肉のうまみが強いわけではないけれど、そのぶん、みずみずしい味わい。タレに合わせて七味を添えるのは鉄板。

口直しにはグリーンサラダ
口直しにはグリーンサラダ

内臓ネタもクセがなく食べやすい

ハツ
ハツ

レバー
レバー

内臓ネタにバトンタッチ。聞けば、扱う鶏は山梨県の銘柄鶏「信玄鶏」だとか。ハツもレバーもくさみもないので、これなら内臓が苦手だという人にも食べやすいはず。

とくにレバーの火入れといったら……。しっとりとして、ふっくら。これなら何本でも食べられそうだ。素材よし、腕よし。アラカルトなら、塩で注文するのもいいかもしれない。

プリッとした銀杏
プリッとした銀杏

炭火で焼き上げる皮ぽんに惚れ惚れ

皮ぽん
皮ぽん

ここで、コースの一品に含まれる皮ぽんが登場。これがうまいの、なんの! 炭火でパリッと香ばしく仕上げた皮に白髪ねぎを添えてポン酢で味付け。当たり前のことのように思えて、これがそうでもないわけで……。

大衆店でよく見かける皮ポンは、じつは事前にボイルした皮を使ってあえたものがほとんど。その方が圧倒的に効率よく一品を作れるものの、ぶよっとした食感になりがち。わざわざ炭火で焼き上げるからこその、おいしさだ。

渡邉さんも、この一品への思入れは人一倍だそう。こうして手間ひまかけてでも、皮ぽんを作ってくれることにグッとくる。

ささみじゃなくむね肉のさび焼き

むね肉
むね肉

エリンギ
エリンギ

ここでさび焼きは、なかなかの変化球。いや、コース以外にネタを追加する気満々なのを見透かされていたんじゃないかと思うくらいだ。

さび焼きはささみが使われることが多いのだけど、これはあえてのむね肉。ふっくらとした火入れで、うまみもちゃんと引き出している。これも、うまい。

野菜ネタの2つ目は、炭火で香ばしく焼き上げたエリンギ。それににんにくの風味を添えて。お、これはまるでアヒージョ? これがニクいくらいに酒が合う。

手羽のタンドリーチキンは追加必須

手羽のタンドリーチキン
手羽のタンドリーチキン

コースには含まれていないものの、壁に貼られていた一品メニューで気になったのが、この手羽のタンドリーチキン。ここはインドカレー屋ではないけれど、スパイス調味料で下味を付けた手羽を炭火でじっくりと……。いやぁ、想像しただけでうまい。間違いなくうまい!

その予感はもちろん、的中。パリッとした皮はいっそう、香ばしく仕上がっている。ふっくらとした肉ともども頬張れば、至福の味わいだ。これはもう、本家・インド超え。

追加串もいろいろ

せせり
せせり

ねぎま
ねぎま

ハツモト
ハツモト

〆のスープ茶漬けに、ほっこり

スープ茶漬け
スープ茶漬け

追加串も存分に味わって、コースの〆はスープ茶漬け。見るからにたっぷりのねぎと、米と鶏スープ。どこまでもシンプルな味わいに「ほうっ」とおもわずため息が出る。

ふだん焼鳥屋の〆は親子丼やそぼろ丼、鶏そばが多いけれど、こういう茶漬けもいいもんだ。

クレームブリュレ
クレームブリュレ

スープ茶漬けにほっこり癒されて、その癒されついでについ頼んでしまったのが、クレームブリュレ(食べたかっただけ)。これがまたうまいのなんの。

「焼鳥屋を志す前はフレンチもかじっていたんです」と渡邉さん。レバーパテの自家製ジャム添えも自慢の一品だという。そう言われると食べたくなるものの、さすがに腹パン。もっと早くに気付けばよかった……!

それに、これだけうまい焼鳥が1本220円というのは、都内ではなかなかの衝撃。しかも今どきの焼鳥屋としては珍しく、焼酎のボトルキープも可ときた! もう、通えと言っているのも同然じゃないか……。

高級店顔負け。大田区にこんなにもいい焼鳥屋があるとは思いもしなかったな。うーん。ローカル線沿い、あなどれない。

▼冒険のおさらい

①焼鳥はアラカルトもコースも可

②生姜香る塩つくねは必食

③一品料理も抜群においしい

店舗情報
【店名】鳥ちよ
【最寄り駅】千鳥町駅
【住所】東京都大田区千鳥1-18-8
【予約】03-6410-5929
【定休日】水曜、木曜
【串のアラカルト】あり
【コース(セット)】2,650円
【鶏メモ】信玄鶏

毎週、焼鳥三昧! 焼鳥を斜めに逆さ撮りする〝ヤキトリスト撮り〟は元祖にして名刺代わり! 「焼鳥は串柄、人柄」をテーマに、大衆的で気兼ねない町焼鳥から、鶏にこだわり1本1本に心血を注ぐ専門店まで焼鳥まみれの日々を送っています。焼鳥好きの方、フォローよろしくお願いします!

ヤキトリストの冒険の最近の記事