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「並んでも食べたい!」渋谷駅そばの老舗焼鳥でさくっと。名物つくね、相鴨は必食【森本/東京】

今回、冒険するのは東京都渋谷区道玄坂の「森本」。1948年創業、渋谷を代表する老舗とあって、東京の焼鳥好きならここを知らない人はいないと言っても過言じゃない。ただし、予約不可の低くはないハードル……。16時の開店時は入りやすいものの、18時も越えると満席続き。昔からの常連はもちろん、海外からの観光客も多く訪れる人気店だ。

焼鳥はコースでもアラカルトでも

平日18時となると渋谷マークシティ脇も人混みに溢れていた。この時間ならもう、満席は覚悟の上。店に着くとやはり先客4名……。30分くらいは待つのだろうと思ったら、それがピタリ。真冬とはいえ、寒すぎない日で助かった。

縄のれんをくぐると、入口そばの席に通された。早速ビールを注文。「森本」は本数の異なるA~Cコースがあるほか、アラカルト注文も受けているので使い勝手がいいんだ。ただハシゴ酒のつもりで来たので、ここはさくっと、8本のCコースに決める。

A・Bコースはうなぎ太巻が入るのが大きな特徴
A・Bコースはうなぎ太巻が入るのが大きな特徴

名物はなんといっても、つくね

つくね
つくね

お待ちかねの1本目は「森本」名物のつくねだ。噛めばふんわりとしながら、肉肉しい味わい。それを追いかけるように柚子の香りが鼻をくすぐっていく……。

そう、これこれ! このつくねがうまいんだ。つくねに加えられた玉ねぎの歯ざわりも爽やかで、またひと口を誘うよう。いい。これはいい出だし。

口直しのお新香
口直しのお新香

「森本」の串はどれも大ぶり

砂肝
砂肝

皮

ここの焼鳥はとにかく大ぶりだ。ジャクジャクの砂肝に、ふわっとした皮。とくに砂肝はあえてかたい銀皮(青白い部分)も残しているのが特徴。やや強めに当てた塩もあって、まぁ酒が進む進む。

ちなみに、大将が焼き上げた串はバットに置かれる。それをスタッフが運び、客が直に受け取るのが「森本」流。英語や中国語が通じるスタッフがいるものだから、海外からの観光客もすんなりと「森本」にひたれるわけだ。

まるでBBQのような相鴨串がうまい

相鴨(合鴨)
相鴨(合鴨)

ここで、相鴨(合鴨)が登場。これも楽しみにしていたネタの一つだ。鴨肉と椎茸、ピーマン、ねぎが交互に打たれた、まるでバーベキューに出てくるような1本。噛むほどにじわりと溢れる鴨のうまみは、まさにごちそう。

よくよく見てみると、その野菜の順番も意味があるように感じる。まずは鴨と椎茸でうまみの相乗効果を。ピーマンのほのかな苦みがアクセントに。最後のねぎで口直しだ。1本目の柚子つくねと同様、「森本」の人気を支えるネタだと思う。

レバー
レバー

そして、レバーは指にずっしりと重みがのしかかる特大ポーション! 焼鳥コースのなかでは、唯一のタレネタだ。さすがにこの大きさとなると好みは分かれるかもしれないけれど、それでも七味唐辛子を振りかけると、随分と食べやすくなる。うーん、七味って、偉大……。

そういえば、渋谷の老舗と呼ばれる焼鳥屋のレバーはどれも特大だったなぁ。つまり、昔ながらの焼鳥屋の面影、というわけだ。

大ぶりなささみとみょうがの妙

笹身
笹身

特大レバーに続いて現れたのは、これまた特大のささみ。外はふっくらとしながら、中はしっとりレア目の火入れ。なにより特徴的なのが、間に挟まれた〝みょうが〟だ。

みょうがのイメージはやっぱり、夏。秋みょうがもあるものの、真冬に食べるのはちょっと不思議な感覚……。さっぱりとしたささみに、さらにさっぱりとした風味を重ねるという、強烈な個性を放っている。こういうところも「森本」らしさ? なのかもしれない。

コースが野菜串で終わるのはなぜ?

うずら玉子
うずら玉子

椎茸
椎茸

レバーとささみの〝大物〟をたいらげたあとは、うずら玉子としいたけ。うずらの玉子は間に銀杏を挟む個性派。椎茸もピーマンを挟んでいるものの、むしろ軸に対して垂直に串を打っていることがなんとも個性的。

この2本がコースの〆となる。焼鳥屋のコースとなれば、最後はだいたいつくねや手羽など、鶏ネタで終わるのが定番。それがどうだろう? 「森本」では野菜串がラストを飾るわけだ。それはうなぎ太巻などが追加されるAコースもBコースも同じこと。

何年も前に訪れたときには、あまり考えもしなかった素朴な疑問……。中盤から鴨やレバー、ささみと、走りきったあとのクールダウンの意味なのかもしれないし、はたまた、野菜で終わることで「もっと食べたい」と、焼鳥欲を掻き立てているのかもしれない。

追加するとしたら? それはやっぱり、つくねか鴨で決まりだ。

▼冒険のおさらい

①予約不可。開店は16時~

②焼鳥はコースでもアラカルトでも

③名物は柚子がふわり香るつくね

店舗情報
【店名】森本
【最寄り駅】渋谷駅
【住所】東京都渋谷区道玄坂2-7-4
【予約】予約不可(16時~開店)
【定休日】日曜、祝日
【串のアラカルト】あり
【コース(セット)】2,350円~

毎週、焼鳥三昧! 焼鳥を斜めに逆さ撮りする〝ヤキトリスト撮り〟は元祖にして名刺代わり! 「焼鳥は串柄、人柄」をテーマに、大衆的で気兼ねない町焼鳥から、鶏にこだわり1本1本に心血を注ぐ専門店まで焼鳥まみれの日々を送っています。焼鳥好きの方、フォローよろしくお願いします!

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