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【札幌市南区&厚別区】激増するインバウンド観光客。受け入れ再開後は、ここが人気!

ゆべーる地域クリエイター(札幌市)

小樽港第三埠頭
小樽港第三埠頭

2022年暮れから、北海道では本州より一足早く多くのインバウンド(海外から入国する)観光客が戻って来ました。そして2023年はついにクルーズ船も北海道に戻って来ました。写真は札幌観光の場合の窓口となる小樽港です。

私はどちらかというとロングツアーや官公庁の事業が多いのであまりクルーズは担当しませんが、それでもこの春、小樽港などから数度、主にアメリカやオーストラリア、イギリスのゲストをお連れして札幌市内をガイドしました。

そんな私が実感する、受け入れ再開後にインバウンドに人気が出て来た!という場所を2つご紹介します。

1 北海道開拓の村

北海道開拓使本庁舎
北海道開拓使本庁舎

コロナの後は、明らかに欧米豪インバウンドの北海道への関心が高まっています。

そこに大きく作用しているのが、今年秋に開催され、私も公式ガイドの一人を務める、アドベンチャートラベルワールドサミット(ATWS2023) でしょう。

体験型ツアーの目的地として、世界屈指の雪質や湿地、湖沼、森林の多彩さ、炭鉱遺産、変化の多いサイクリングコースなどを提供できる北海道は、世界的にもとても魅力的な場所ということで、旅や冒険が好きな方々がアメリカやヨーロッパから集まってきています。

そんな彼らが発見するのは、西洋文化の需要と実験場だった北海道の魅力です。日本と西洋が混ざったとても不思議な魅力、を持っている場所として今や北海道は世界中に認識されつつあります。

3代目札幌駅
3代目札幌駅

「開拓使本庁舎」や、この開拓の村のエントランスゲートでもある「3代目札幌駅」(少し縮小してします)は、街中にある時計台と並んで、アーリーアメリカンスタイルだ!と親しみと興味を持って特にアメリカ人の多くが好意的に見てくれます。

小樽新聞社
小樽新聞社

一方、小樽から移築された建築にも素晴らしいものがたくさんあります。小樽はどちらかというと少しだけブリティッシュスタイルの香りのする和洋折衷と、札幌にはない伝統的な日本文化を感じることのできる場所ですが、それがこの札幌の一隅に移築再現しているのは、とても興味深いですね。

旭川 来正旅館
旭川 来正旅館

開拓の村に入ったところすぐの場所にある、昔旭川の永山駅前にあった待合を兼ねた旅館は、北の大地に根ざした和風建築として、多くのインバウンドを引きつけています。

小樽 三ます河本そば店
小樽 三ます河本そば店

小樽 三ます河本そば店
小樽 三ます河本そば店

そして小樽の蕎麦屋、創成イーストにあった旧工業局、造り酒屋や商店、などなど多くの魅力があり、この開拓の村を説明することによって「日本はどのように西洋文化を輸入し、日本独自のものにしていったのか」が説明できるという、極めて貴重な場所なのです。

開拓の村については、また改めて取り上げたいと思います。

2 真駒内滝野霊園

公益社団法人が運営でどの宗教宗派でも利用できる、市民に親しまれている「真駒内滝野霊園」(本州の方の中には、どの宗派でも利用可能、ということにびっくりされる方も多くいます。)のランドマークは、なんと言っても2016年に安藤忠雄氏によって設計&設置された「頭大仏殿」!これによって、この場所は一層有名になりました。

仏教に興味はあっても深く馴染みがあるわけではないインバウンドの方々にとって、特定の宗派の色彩のないこの霊園は、気軽に訪問できる大仏のある場所として最近人気があります。

冬は雪と共に、そしてまもなくやって来る初夏にはラベンダー大仏が見られる場所として人気がありますね。昨年の記事でも取り上げましたが、例年7月半ばにラベンダーはピークとなるようですが、今年はもしかするともう少し早いかもしれません。

札幌の魅力

このほかにも、時計台や北大構内の建物、リニューアル中の赤れんが庁舎、そして北菓楼札幌本店、そして旧控訴院である札幌市資料館、二つの旧サッポロビール工場(現在のサッポロファクトリーとビール博物館&ビール園)、豊平館など、札幌は「西洋文化と日本文化がミックスした建築物」の宝庫であり、激増しそうな欧米豪インバウンドの方々にとっては、自分達の伝統的な文化と日本の接点を探ることができる場所なのです。

更に、アジアでも元々多い中国、韓国、台湾、香港、シンガポール、タイ、フィリピンなどに加えて、特に最近はマレーシアとインドネシア(華僑系とムスリム系の両方)が増えてきた、という印象があります。この辺りもこの夏の状況などを見てレポートしたいと思います。

北海道と札幌には可能性しかない。

美味しいフード、自然、という従来に魅力に加え、西洋と日本の出会い、アイヌ民族や縄文の方々の特徴的な文化、体験型プログラム、そして市内でも楽しめる世界最高品質の雪、など、札幌と北海道には、インバウンドを惹きつける要素しかありません。通訳案内士として、これからも定期的に札幌をめぐるインバウンドの流れなどを追いかけてみたいと思います!

■北海道開拓の村■

住所:札幌市厚別区厚別町小野幌50−1

営業時間や価格などは、公式ホームページにてご確認ください。

■真駒内滝野霊園■

住所:札幌市南区滝野2

開門時間や季節の情報などは、公式ホームページにてご確認ください。

地域クリエイター(札幌市)

通訳案内士(全国&札幌)、そしてライターや町おこし組織の認定ガイドとして、いつも札幌市内の出来事やおすすめ情報を探しに歩いてます。コーヒーショップ、ワイン、レストランなどが大好き。またホルン奏者でもあります。

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