岩井明愛、千怜姉妹はなぜすごい?「ゴルフの才能」以外にもある二人の強み
プロデビューから着実に成長している岩井明愛、岩井千怜の双子姉妹。今季の日本女子プロゴルフツアーの開幕戦では、千怜が優勝した。岩井姉妹は今季も主役級の活躍をしそうだ。
双子で二人ともすごいのだが、なぜこれほどの活躍を見せ、近い将来、二人一緒に米ツアーを目指せるまでになったのだろうか。
持って生まれた身体能力だけでなく、特筆すべき要素が四重にも五重にも重なって、岩井姉妹がつくられてきたようだ。
持って生まれた身体能力
いろいろなスポーツに触れてきた岩井姉妹は、小学生時代のマラソン大会では6年連続で姉妹のどちらかの優勝だったらしい。
持って生まれた身体能力があればこそ。そこに、‟両方とも運動が好きな同学年の姉妹”という要素が加わり、チームメイトかつライバルとして運動に関して切磋琢磨することで基礎体力が向上していった。
ゴルフ一本ではなかった
ゴルフを始めた時から、長い期間、ゴルフ一本ではなかったということも、好影響を与えているだろう。
二人とも中学時代は陸上部。明愛はサッカーの道に進むことも選択肢に入っていた(今ごろなでしこジャパンだったかも?)。
それによって、中学時代にも基礎体力向上が図られた。あとからでもゴルフの技術力はなんとかなるが、基礎体力はこの頃に鍛えていないと後から伸ばすことは難しい部分がある。
二人のキャラクター
JLPGA公式女子プロゴルフ選手名鑑2024の中で、明愛は千怜のことを「気持ちが強い」と語り、千怜は明愛のことを「おおらか」と語っている。
アスリートとしての身体能力は明愛の方が少しだけあり、その天才肌である明愛は自分の世界の中で練習に励み、ゴルフ力を向上。
そして、千怜は、明愛の能力を認めながらも、負けん気の強さで対抗する。そしてその千怜に明愛が刺激を受ける、といった流れが自然と生まれ、気が付いたら二人ともとてつもない領域に達していた、という感じだ。
才能をつぶさなかった指導者と親
おそらく、これまでも岩井姉妹に負けていない才能を持った天才ゴルファーはいただろう。しかし、その天才たちが岩井姉妹のようになれなかったのはなぜか。
その一つにコーチの存在があげられる。技術的なことはコーチに任せた親御さんの子供との関わり方も特筆すべきポイントだったかもしれない。
体の成長過程にいるジュニアゴルファーは、ときに、一般的に良しとされているゴルフ理論が通用しない場合がある。さらに、自分の感覚や意見を言語化することが難しいジュニアは、言われたことにしっくりきていなくても、言われたことをやるしかない。
才能を生かすことができるコーチ。才能をつぶしてしまうコーチ。様々なコーチがいるが、岩井姉妹を指導してきた永井哲二コーチは前者だったのだろう。
それぞれ一人だけで見ても類まれな才能、双子という最高のチームメイトで最強のライバルの存在、ゴルフ一本ではなかった時期の長さ、親の接し方、コーチとの関係性、さまざまな要素が高い水準でミックスされて育ったのが岩井姉妹なのだ。
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