パットもショットも同じ!?切り返しとインパクトで求められる手の動きとは【ゴルフ】
一般ゴルファーの、パットの基準に対する傾向は、ショットでの基準に対する傾向と同じであることがわかる。
パット解析で「手の加速度」に注目してみたい。加速度とは単位時間あたりの速度の変化率のこと。
パットの基準は、クラブの切り返し時にはすでに、手はターゲット方向に加速している状態。違う言い方をすると、手の切り返しは、クラブのバックストローク中に行われる。手とクラブの動きには‟時間差”があるのだ。
また、インパクト時の手の加速度の基準は「0m/s2(メートル毎秒毎秒)」。手は止まり、クラブの重みと勢いだけでクラブがターゲット方向に進んでいく、というイメージになる。
こういった「時間差」や「インパクト時の手の減速」といったパットの基準はショットのそれと同じ。
多くのゴルファーは、パットのイメージを磨くことで、ショットのイメージも良い方に変化する期待が持てる。
パット時の手の加速度の基準
下の画像はパット解析器「CAPTO(キャプト)」で測定したストロークの「手の加速度」。
緑の線が基準となる線で、水色と黄色の線が実際のストロークの線。
上の画像の実際のストロークの特徴としては3つ挙げられる。
- 手の切り返しの局面とクラブの切り返しの局面が近い
- クラブの切り返し時、手の加速度が0m/s2に近い
- インパクト時、手が加速している
要は、「バックストロークからトップでクラブの勢いを吸収し落ち着かせ、そこから、ダウンストロークでクラブに勢いを出させようとするため、インパクト時、手でクラブを目標方向に押している」ストロークになっている、ということを表している。
基準のようなクラブの重みや慣性をうまく使ったストロークではない、ということだ。
一般ゴルファーの傾向
上の画像は一般ゴルファーのストロークの例だが、多くのゴルファーの傾向を調べてみても同じような特徴が表れる(上の画像は波形の流れが基準と似ているのでまだ良いが、クセが強い波形のストロークになっているゴルファーは少なくない)。
一般ゴルファーは、パットの切り返しでも手とクラブの動きに時間差がなく、インパクトで手を減速せずに、加速している。
パット解析器のCAPTO(キャプト)で、一般ゴルファー5名の、3メートルのパットのストロークを測定し、クラブの切り返しとインパクト時の手の加速度を調査した。
結果は、切り返しの平均が「-0.16m/s2」で、インパクト時の平均が「0.83m/s2」となった。
手とクラブが同時にピタッと一時停止するような感じのトップから、クラブを押すように手を加速させながらインパクトを迎える傾向であることがわかった。
手首をかためずにクラブの重みを感じる
「フェース向きの安定」「ストレートに近いヘッド軌道」「振り幅」。これらを、ストローク中、コントロールしようとし過ぎると手首を固めすぎてしまい、クラブの重みや慣性を生かせなくなる。
パットで力んでいる状態になるのだ。
適度にクラブの勢いに手首がもっていかれる。こんな感じになるように、グリップ圧を抑え、クラブの重みを感じながらストロークできると、クラブの切り返しとインパクト時に、基準に近い手の加速度になりやすくなる。
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