【倶知安】かねまたみまた蕎麦 本店/年越しはクラシカルないつもの蕎麦を地元の歴史と一緒にいただこう!
みなさまこんにちは、ニセコのおそばライター伊達千歳です。
年末が迫っておりますが、1年を締めくくるクライマックスイベント、「年越し蕎麦」を、みなさんはどこでいただきますでしょうか?
本日は、明治35年(1902年)創業の、伝統のお蕎麦屋さんを紹介します。
JR倶知安駅の開設が1904年なので、当時の駅を建設する作業員の人たちのお腹を満たし、駅の誕生を見守り、それからずっと駅とともに歩んで120余年。
俱知安から旅立つ期間があっても、帰省した時には必ず残っていてほしいお蕎麦屋さんです。
【倶知安】かねまたみまた蕎麦 本店/創業明治35年!ニセコエリア随一の老舗
JR倶知安駅から歩いて2分、200メートルも歩かない駅前通りに、この古式ゆかしいお蕎麦屋さんがあります。
いつ頃からかメニューの見本品の展示がなくなっていて心配した時期がありましたが、駅前通りを通るときにこのお店ののれんが表に出ていると、ほっとします。
入り口に掲げられているのれんも、一見の価値あり。
右から「創業明治三十五年」「きそば」「¬又(かねまた)巳亦(みまた) 賛江」と書いています。
少し色あせていますが、風格が半端ありません。
「きそば」とは、混ぜものがほとんどない、純粋な蕎麦粉で作った蕎麦のことをいい、お蕎麦屋さんの伝統形式のタイトルです。
店内はこんな感じで、綺麗でさっぱりしています。
確かに近年のニセコらしい最先端スタイリッシュデザインとまではいかないものの、天井も床も改装されており、古さは感じられずピカピカです。
この後、海外からの観光客さんもするっと入ってきたので、ぜひ「クラシカル ジャパン」の雰囲気を楽しんでもらいたいです。
【倶知安】かねまたみまた蕎麦 本店/メニュー一覧表
入り口を入ってすぐ右手のこのカウンターで注文し、前払いで代金を払い、手書きのレトロな食券をもらって席に着きます。
おばちゃんが対応してくれました。少々ぶっきらぼうでしたが、余計な愛想がないのが「駅前の蕎麦屋さん」らしくて好きです。
そばうどん、どんぶりものにラーメンと、ひととおり揃っています。
【あたたかいそば】※うどんも同じ
天入りかしわ、天入り山菜…1200円
天とじ …1100円
天ぷら、親子 …1050円
かしわ、にしん …1000円
山菜、カレー … 900円
月見、玉子とじ … 850円
かけ … 650円
【冷たいそば】
大ざる …1000円
ざる、大もり … 850円
もり … 650円
冷やし月見 … 750円
冷やし山菜、冷やしたぬき… 900円
【ごはんもの】
カツ丼 …1050円
えび天丼、カツカレー …1100円
親子丼 …1000円
玉子丼、カレーライス … 950円
ライス … 250円
小ライス … 200円
【その他】
鍋焼きうどん、天ぷらラーメン、チャーシューめん …1050円
味噌ラーメン、醤油ラーメン …900円
【倶知安】かねまたみまた蕎麦 本店/蝦夷の名物・にしんそば!
早めに年越しそばをいただいてしまおうと思って注文したのが、「にしんそば」。
かけそばにニシンの甘露煮を乗せたもので、ニシン漁で繁栄した蝦夷地のソウルフード。
北海道の蕎麦はほぼ濃口しょうゆ風味の関東風で、濃い出汁の豊かな醤油の香りがたまりません、食欲にギアが入ります。
にしん蕎麦にお約束の白ネギが添えられています。
日持ちさせるため内臓や頭を取り除いて乾燥させた、先人たちの知恵の結晶・身欠きにしん。
そうそう、こういう黒い色をしているんですよね。
久しぶりに食べました、本当に懐かしいです、にしんならではのこの渋い味わい。
店内で製麺機を使った自家製麺ですが、蕎麦そのものはオーソドックスな大衆系で柔らかく、安心する味わい。
おそらくネギを刻んでいるらしい包丁のやさしい音を聞きながら、あっという間に完食です。
明治、大正、昭和、平成を経て、5つめの時代である令和にバトンが渡った「かねまたみまた蕎麦」。
激動の時代を駆け抜けてきたことが一目でわかる歴戦の建物が、夏になるとソフトクリームを売っているのが、何だかカオスで面白いのです。
多くの地元民、旅行者、そして異国から来た観光客にも親しまれ続けてきたので、これからも末永く営んでほしいお店。
本当に懐かしい感じのする、ありがたい蕎麦屋さんです。
かねまたみまたそば本店
住 所:北海道虻田郡倶知安町北一条西3-13(地図はこちら)
営業時間:11:00〜16:00頃
定休日:水曜日(※最近は不定休の時があります)
※現金のみ
※駐車場あり(隣の理容室の裏に専用駐車場があります)