【真狩村】いし豆/至宝の粗びき蕎麦!ミシュラン掲載のメニュー!幻の原種十割で味の確変体験を!
みなさまこんにちは、ニセコのお蕎麦ライター伊達千歳です。
ニセコエリアの飲食店は個人経営が大多数なのに総じてレベルが高く、組織力を駆使せず個人の努力で何故ここまで食材がおいしく変身するのか、新鮮な魔訶不思議ライフを送っています。
しかしサマーシーズンは道央圏からの日帰り観光客がどっと押し寄せ、飲食店も彼らの滞在時間にあわせての短時間営業。
地元民は近所のお店に入るのも知恵と工夫が必要なシーズンになりますが、そんな中でも群を抜いて入店困難度が「ニセコエリアのK2」の称号を捧げたいくらい大人気のお蕎麦屋さんを紹介します。
【真狩村】いし豆/開店前から入店待ち
羊蹄山の南側の道道66号をニセコ町から東に向かって車を走らせていくと、左手にこのような建物があります。
小ぢんまりとして見落としやすいのですが、車がたくさん停まっている一軒家ということで逆に目立っています。
道路沿いではなく、分かれ道の方から入店するので、最初はちょっととまどうかもしれません。
苦節4年、やっとこのお店ののれんをくぐることができる日が来ました。
いったい何度チャレンジしたことか。
・道路からお店を見ただけで引き返す(行列&満車)
・車が少ないと思ったら売り切れで既に閉店だった(13:00すぎ)
・絶妙の定休日設定(地元民の必殺技「平日入店」が使いづらい)
・地元民であることの驕り(「近くにあるからチャンスはまたある」)
などなど、数々の原因が重なり100戦100敗。
しかしこの日はたまたま休日だったものの、
・オフシーズン
・ランチタイムをずらして入店
・悪天候
という条件を揃え、やっと入店できたのですよ!
それでも1時間待ちでした。
つい最近までは入店待ちのお客さんがお店の前に長蛇の列状態だったのですが、最近は上の写真のような呼び出し用のアラームを渡されます。
駐車できたら一度お店に入り、お店の人(奥様)に声をかけてこのアラームをもらい、アラームが鳴るまで車内で待機です。
店内はこんな感じで、最大12席。
1日の提供数が決まっていて、その日の予定数が売切れたら、すぐに閉店します。
入店したその瞬間に、そばを茹でるお湯の匂いが濃厚に漂ってきます。
小規模ですが、その分自分のスペースを守って過ごすことができます。
【真狩村】いし豆/これが噂のミシュラン蕎麦
このお店は、ミシュランガイドに掲載されるほどの有名店。
私も死ぬ前にはここのお蕎麦を一度はいただきたい、と思っておりました。
1日10食限定のとりごぼう蕎麦がまだ残っていたので、そちらを注文。
木箱に盛り付ける板そば風で、「薬味の生姜は後になってから入れてください」と一言添えられて運ばれてきました。
このお蕎麦、まず見た目が少し変わっていて、少しざらざらとした薄いベージュ色。
まるで麻糸のようで、涼し気で軽やか。
黒松内町の個人農家さんから直接仕入れている玄蕎麦で、信州松本の奈川地区で古くから栽培されている奈川固有の在来種を使用。
平成10年の台風被害で絶滅かけたことがあり「幻のそば」「天昇そば」とも言われています。
脱穀、手挽、自家製粉、手打ちまでの最初から最後までの作業をその日のうちに行っているんですって。
甘みと香りが強く、素朴ながらしっかりした味です。
蕎麦つゆには鶏肉と、非常に細くささがきにされたごぼうが入っていて、出汁が効いてます。
このつゆが、劇的にめっちゃ旨いのです。
洗練された甘口ですが、野趣に富む蕎麦の特徴を活かすようしっかり計算された味わい。
冷たい蕎麦ですが、つゆは温かいので、注文時に念を押されます。
半分ほど食べ進めたところで、最初のアドバイスに従い、おろし生姜を投入!
そうしたら衝撃です、そばつゆの表情ががらりと変わるのですよ。
少量の生姜を少し入れただけで、そばつゆが一番搾り生姜サワーというか生姜リキュールというかエクストラバージンジンジャエールというか、とにかく生々しいフレッシュな風味に天変地異。
一滴でももったいなくて、蕎麦湯で全て飲み干しました。
いえ、しっかりと和風の蕎麦つゆには変わりないのですが、何かもう蕎麦つゆの枠を超えた何かに昇華するこの変容の芸術を、ぜひ一人でも多くの方に味わっていただきたいです。
【真狩村】いし豆/メニュー一覧表
メニュー表はとってもシンプル。
【温かいそば】
かけそば … 950円
かしわそば …1200円
かけそば …1200円
【冷たい蕎麦】
もりそば … 950円
とろろそば …1200円
とりごぼう …1300円 ※1日10食限定
この6種類のみですが、もうひとつ幻の単品メニューがあります。
蕎麦がき …700円 ※1日5食限定
いし豆に行くなら、この「蕎麦がき」を一度は食したいものですが、これにありつきたいのなら開店1時間前から待機する覚悟が必須です。
幻の「いし豆の蕎麦がき」はこちら。
↓↓↓
私はいまだにネット上の画像でしかまだお目にかかったことがなく、私の周囲にも、この蕎麦がきの在り処まで登頂できた人はおりません。
いし豆の蕎麦の上に、さらに蕎麦がきまで求めるのであれば、困難度は「ニセコエリアのアンナプルナ」にまでレベルアップすることでしょう。
【真狩村】いし豆/絶対に食べるんだという強い意志を!
こだわりの強さがひしひしと伝わってくるお店です。
私はつゆの方が好きで、「ほっぺたが落ちそう」という表現がぴったり。
混雑必至なので、定休日の確認と開店時間に気を付けて、早めに来店してくださいね。
※アンナプルナ、K2…それぞれネパール、パキスタンにある山。登山ルートが開発されたエベレストよりも登山難易度が困難と言われています。
いし豆
住 所:北海道虻田郡真狩村字社206-8(地図はこちら)
営業時間:11:30~15:00
定 休 日:火水木
※現金のみ
※蕎麦がなくなり次第終了