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【ガーデニング】発芽だけじゃダメ!パンジービオラを種からしっかりした苗に育てるコツ

グロ子園芸愛好家 / FPライター

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの園芸愛好家グロ子です。

春に咲くパンジービオラは今が種まきシーズン。
張り切って種をまいたものの、どうも失敗している感じ…
ほとんどの方がそうだと思います。
どうにか発芽させてもその後が育たない。
パンジービオラは種から苗を作るのがなかなか難しいのです。

パンジービオラの種まきには矛盾がいっぱい。
家で種から苗を育てるにはちょっとした工夫が必要です。
順を追って説明していきますので、ぜひ参考にして下さい。

種袋がもうおかしい

パンジービオラの種を買ってきて、種袋の種まき時期を確認してみましょう。

ちょっと待って!
横の『発芽適温』『生育適温』も確認して!

おかしいやろ。
日本のどこに行ったら8月後半にこんな気温が確保できると思てんねん。

私は種袋の記載通り8月後半から9月前半に種まきし、高価なパンジービオラの種をたくさん無駄にしてきました。
花言葉「誠実」て。

よほど立地に恵まれているか、もしくは低温を保てる設備がないと、パンジービオラの早めの種まきは素人には厳しいと思います。
この種袋の記載は、プロやセミプロに向けた表示だと割り切って下さい。

『生育適温』は『発芽適温』より低いところ、ここも大きなトラップです。
どうにかこうにかやっと発芽にこぎつけたところで、その後さっぱり育たない。
高温で枯れてしまうのです。
一日中種まきポットに注意を払える環境でなければ、8月後半から9月前半の種まきは無駄に終わる確率が高い。
当たり前のことです。

種まきは9月末から10月最初の数日がベスト

パンジービオラの種まきは、種まき適期のギリギリ最後の時期にやりましょう。

まずはこれが成功率を上げるコツです。
天気の長期予報を見て、最高気温の30度越えがなくなったら種まきを始めましょう。
今年なら、数日前から急に涼しくなったので9月末にまいても良さそうですね。

パンジービオラはゆっくり生長するので種まきポットは直径6cmの小さなもので十分です。
10月以降でも、昼間の最高気温はまだまだパンジービオラには高過ぎるのです。
直射日光を避けるなどのマメな移動が必要になるので、コンパクトに持ちやすくしておいて下さい。

パンジービオラの種は芥子粒みたいで鼻息でも飛んでいってしまいます。
好光性種子なので浅めに種まきしなくてはいけないのですが、気温が上がると土がすぐに乾燥してしまいます。
光も大切ですが、発芽までは上に薄い紙を被せるなどの配慮が必要です。

だったらいっそ10月半ばに種をまいたらどうかしら?
そう考える方おられませんか?
実は私もやってみたんですよ。
でもそれはそれで上手くいきませんでした。
全然苗が大きくならないうちに冬が来てしまうのです。

苗が小さ過ぎて定植できず、結局冬の間は屋内で管理する羽目になってしまいました。
寒い時期に小さな苗を定植しても、上手く根が張らずに枯れてしまいます。
定植は春まで待たなくてはいけなくなったのです。

9月末から10月最初。
その後の育苗期間を考えて、これがベストの種まき時期なのです。
品種によってバラつきはありますが、パンジービオラなら全部同時期の種まきで大丈夫です。

パンジービオラは発芽後の生長が遅い

これは去年、10月の始めに種まきしたパンジービオラの生長の推移です。
10月半ばに発芽が揃いました。

下の写真が10月末頃の苗の様子です。
ここまで来たら安心です。

私は10月最初に種まき、11月末に定植、育苗期間は2ヵ月間と決めています。

この時期、10月末から定植までの1ヵ月間でしっかりした苗作りを意識します。
週に一度、薄い液肥をやるようにして下さい。
この時期からだんだん気温が下がり、日照時間が短くなります。
肥料に気を配りつつ、十分日光に当てることを心がけて下さい。

あまり日光に当たっていない苗は、徒長して花数が減ってしまいます。
背は低いけれど葉色の濃い、どっしりとした葉数の多い苗が目標です。
葉色が薄くなるのは肥料切れのサイン、パンジービオラの健康な葉色は濃い緑です。
葉色よく観察し、必要なら液肥を濃くするのではなく、液肥をやる頻度を増やして対応して下さい。

パンジービオラの上手な定植のコツ

種まきから2ヵ月後、11月末には種まきしたパンジービオラはこれくらいに育っていることと思います。

野菜の種まきに慣れてしまっている人なら、この驚異的なスローペースにびっくりするのではないでしょうか。

でもこれくらいに育てば、地植えや寄せ植えなど、目的の場所に定植しても問題なく育ちます。
11月末に定植を済ませてしましましょう。
年内はまだ本格的に気温が下がりません。
11月末に定植すれば、12月の1ヵ月間でしっかり根が土に広がります。

この時注意しなくてはいけないのが苗の間隔です。
種からの育苗期間、あまりに生長がゆっくりだったので、ついこんなもんかと苗の間隔を狭く植えてしまいがちです。

パンジービオラは年が明けて暖かくなると、地上部が一気に育ちます。
定植時には間が抜けているくらいに地面が見えていてちょうどいいのです。
下の写真は直径20cmのプランターバッグです。
この時点では大きすぎる気がしますよね?

これが3月になるとこんな感じに広がります。

私はパンジービオラをドーム型に咲かせることにこだわっていて、マメに切り戻して形を整えています。
それでも3月にはもう土の部分は見えなくなっています。

地植えにして伸びるがままに育てるのなら、もっと間隔を広めにとって下さい。
生長を見越して、春に見栄えするように定植しましょう。

パンジービオラをドーム型に育てるコツは過去に記事にしています。

種まきは最初の一歩

種をまいて発芽したらそこで満足してしまい、後の育苗がグダグダになることがあります。
でも種まきは最初の一歩、そこからがスタートです。
種をまく時期は、その後育苗できる気温なのか、定植時期に環境が整うのか、これらも考えてから決めて下さい。

パンジービオラの種まきは少し難易度が高いのですが、私のHPでも詳しく解説しているので時間があったらこちらも読んで下さいね!

パンジービオラの種まきがマスターできれば、他の花や野菜の種まきは簡単過ぎてもの足りなくなっちゃうかもしれません。

ぜひパンジービオラの種まきに挑戦してみて下さい。

ガーデニングのコツをいろいろ解説しています!growfood365のHP ⇒ growfood365.net
私の家庭菜園の様子を解説付きでUPしているInstagram ⇒ growfood365
Twitterもやってます ⇒ growfood365

園芸愛好家 / FPライター

花、野菜、盆栽、コンポスト、ありとあらゆる植物系お稽古事をやり尽くした園芸歴30年のFPライターです。私の強みは自分で実際に経験した幅広い園芸ネタ。FPとしてコスパよく園芸を楽しむコツもお伝えします。コキア友の会代表(会員私だけ)

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