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【大河ドラマ希望人物・3選】この人の物語を見てみたい!

原田ゆきひろ歴史・文化ライター

あなたは『大河ドラマになれば、ゼッタイ面白い!』。

そんな風に思う人物は、いるでしょうか?

2023年『どうする家康』は、第62作目ということで、もはや日本の文化とも言える、大河ドラマ。

しかし日本史をふりかえれば、まだまだ取り上げられていない人物も多数、存在します。

そこで今回は、これからぜひ主役にして欲しいと、熱望したい人物を3人。

加えて『こんな内容にしては?』といった想像も交え、お話したいと思います。

ぜひ楽しみつつ、お読み頂けましたら幸いです。

大河ドラマ希望・1人目【風魔 小太郎(ふうま こたろう)】

まず名前からして、やたらカッコいいのですが・・

肩書きも忍者と、たいへんロマンにあふれています。

彼は戦国時代、関東に覇をとなえた“北条家”を影で支えた『風魔一族』のリーダーです。

そして主君の北条家ですが、いくども危機に見舞われつつ、上杉謙信・武田信玄・織田信長といった、戦国最強クラスの猛将達と、渡り合ってきました。

・・ちなみにこの北条氏は、地元の小田原市が大河の主役にと、アピールをしています。

しかし2022年は「鎌倉殿の13人」。惜しいところで、数世紀前の北条氏が主役になってしまいました。

この小田原の北条が主役の大河も、とても興味を惹かれるところではあります。

しかし、あえて風魔小太郎の、影ながら主君を支えるストーリーにすると、間違いなく一味ちがった面白さになるでしょう。

忍者というのは、きわめて少人数。

そして大きな権限をもっているわけでもなく、まともに他国の軍勢とは、渡り合えません。

とある記録によれば、武田の大軍が攻めよせた際には、風魔が少人数で夜襲を仕掛け、敵を混乱させたという記述もありますが・・。

とにかく、あの手この手で北条を勝利に導くといった、活躍の仕方になります。

とうぜん敵方にも忍者はいますし、そのうえ上杉や武田、織田や徳川も、そうそうカンタンに

出し抜ける相手ではありません。

苦悩したり、工夫したり、思わぬ展開もありつつ・・いったい、どのような手段で、名将たちに、対抗するのか?

まいかい、目が離せない大河ドラマになること、請け合いです。

大河ドラマ希望・2人目【女王ヒミコ】

日本史上、記録がのこるギリギリラインの人物。

伝説の国家『ヤマタイ国』の女王にして、神と対話する“巫女”でもあります。

漢字では“卑弥呼”と書きますが、ある説によれば彼女は・・

ヒミコ→陽の御子→太陽の女神 ・・という繋がりであり。

じつは日本神話に登場する“アマテラス”とは“ヒミコ”を表しているのだと、

そうした説を唱える歴史家もいます。

たとえば、そんな論にも触れつつ、作中で日本神話も紹介して行くという形にすれば

大河ドラマ初の試み。

これは、非常に面白くなるのではないでしょうか。

また古代中国の記録によれば、ヤマタイ国は絶えず狗奴国(くなこく)という勢力と、存亡をかけて戦い続けていました。

そうした宿命の敵との戦い。

そしてヒミコは危機を脱する手段として、三國志でも有名な魏(ぎ)帝国に、助けを求めます。

オープニング曲は古代日本の神秘的な雰囲気を色濃く出しつつ、途中には古代中国の風景や武将たちの姿が。

想像するだけで、壮大にしてミステリアスですね。

・・またヒミコの有りがちなイメージとしては、一人称が「わらわ」。

威厳があって、神秘的な人物に描かれるケースが多いのですが、

ほんとうは国の統治や人間関係に、生涯を通して悩んだと思われます。

本当は心優しく、1人の人間としての、素顔が見えるヒミコ。

そんな描写も、脚本として大いに惹かれること、間違いありません。

おそらくNHKの製作サイドとしては、時代考証のハードルが、とても高いとは思われますが・・

“はるか古代、日本のどこかにあった王国”といった感じで、程よくぼかし、

いつの日か大河ドラマ『女王ヒミコ』を、熱望したいものです。

大河ドラマ希望・3人目【大友 宗麟(おおとも・そうりん)】

彼は戦国武将ですが、ひとことで表すなら『九州の覇者・・候補だった、クリスチャン武将』です。

ドン・フランシスコという、キリスト教の洗礼名も持っています。

もともと本拠地の、今でいう大分県には古くから寺社が沢山あり、

そうした信仰の根強い土地でした。宗麟という名前も、仏教が由来です。

そんな彼はなぜ、キリストを信じるようになったのでしょうか?

彼は調べるほど、素顔がわからなくなる武将です。

欲望まっしぐらな性格で、領土拡大の野望があったとも言われますし、

みなが平和に暮らせる“神の国”を、作ろうとしたとも言われます。

大河ドラマで描くならば、もちろん後者の性格に沿う方がよさそうですね。

ちなみに大友家は、ただの大名ではありません。

最盛期には、6〜7ヶ国にも支配が及んだ、巨大勢力です。

軍事力、財力、家柄ともに、当時の指折り。

九州を統一し、その気になれば、他の地方にも進出できたポテンシャルが、ありました。

そんな彼は、戦乱の世をどう思い、どんなセカイを作りたかったのか?

脚本として、とても描き甲斐がありそうです。

さらに、もう一つ。

大友家の家臣には、一部の戦国武将ファンに絶大な人気を誇る、

立花道雪(たちばな・どうせつ)という武将がいました。

彼は一時期、雷に打たれ、足が不自由に。

しかし家臣のかつぐ輿に乗って、数々の激戦に出陣したという伝説を持ちます。

その強さは比類なく、天下でも指折りの名将だったと言われる人物です。

そして、どれほど大友家がピンチになろうと、忠義を尽くした人格者でもありました。

この“立花道雪”の大河登場が実現すれば、大分県民を中心に歓喜する人も多く、

話題性も、バッチリです。

くわえて、そんな大友家に立ちはだかった、ライバル達も独自の存在感に、あふれています。

まずは、のちに薩摩藩となった島津家。

その強さは、とびぬけており、のちに“鬼島津”と異名がつくほどです。

一方で、現在の佐賀県を本拠としていた竜造寺隆信(りゅうぞうじ・たかのぶ)

という武将も、肥前のクマと呼ばれた豪傑で、大勢力を誇っていました。

大友家・島津家・竜造寺家が、覇権をあらそう・・

さながら九州三国志ともいえる、このシナリオ。

大河ドラマの華である戦いの面でも、盛り上がりに事欠きません。

そんな中にあって、1人、とつぜんクリスチャンになった大友宗麟。

オープニングは戦国らしい、勇ましい曲で始まりつつも・・

とつぜん聖歌や教会の鐘の音が。

そして鎧姿でひざまずき、祈りをささげる宗麟。

かつてない独特な雰囲気の、大河ドラマになるでしょう。

ぜひ1度、見てみたいと思いませんか?

このように、大河ドラマや時代劇は、いま放映されている作品も楽しめますが、

自身でいろいろと空想してみるのも、面白いものです。

おなじ日本の歴史でも“勉強”という、かた苦しい形ではなく

“物語”として親しんで行けたら、素晴らしいですね。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

歴史・文化ライター

■東京都在住■文化・歴史ライター/取材記者■社会福祉士■古今東西のあらゆる人・モノ・コトを読み解き、分かりやすい表現で書き綴る。趣味は環境音や、世界中の音楽データを集めて聴くこと。鬼滅の刃とドラゴンボールZが大好き■著書『アマゾン川が教えてくれた人生を面白く過ごすための10の人生観』

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