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世界的ミュージシャンと横尾忠則が意気投合!奇跡のコラボ「Project173」ついに幕開け【神戸市】

Hinata Yoshioka旅するフォト&ライター(神戸市)

「ミニマルミュージック」という音楽をご存知でしょうか。短い音のまとまりを繰り返して演奏し、少しづつ変化させながら独特の世界を作り上げていくような音楽です。

聞いたことがないと思うかも知れませんが、実は映画などでも使われたりする、けっこう身近な音楽なんです。例えばジブリ映画「風の谷のナウシカ」や「となりのトトロ」などにも。

久石譲や坂本龍一などの音楽は、ミニマルミュージックの影響を大きく受けています。そして、そのミニマルミュージックの創始者の一人であり、サイケデリックの巨匠として世界的に有名なのが「テリー・ライリー」というミュージシャン。

先日、テリー・ライリーのライブが行われました。場所は神戸の「横尾忠則現代美術館」です。こんなにも世界的な大物ミュージシャンが、なぜこの場所を選んで演奏をしたのでしょうか。

実は、昨年東京で開催された「GENKYO 横尾忠則」展を見に行ったテリー・ライリーと横尾忠則が出会い、大いに意気投合したのが事の発端なのだそうです。

キーボードには、「GENKYO 横尾忠則」展のマグネットが
キーボードには、「GENKYO 横尾忠則」展のマグネットが

サイケデリックの巨匠とも評されるテリー・ライリーの感性を刺激した横尾忠則。元々、テリー・ライリーの大ファンだったこともあり、出会って間もなくふたりの間で親密な交流が始まりました。

そしてついに、奇跡のコラボレーション「Project 173」が始動することになったのです。この夜、横尾忠則現代美術館でのライブがその第一弾として行われ、輝かしい歴史の幕を開きました。

ライブ当日。会場内のステージ上と両横には、横尾忠則の大きな絵が飾られています。緊張感が漂う会場内…今日これを見られるのは10倍もの抽選倍率を勝ち取った人々のみです。徐々に照明が落とされ、演奏が静かに始まりました。

テリー・ライリー(key., vo.)と共に演奏しているのは、勝井祐二(vln.)、宮本沙羅(vo., frame drum, per. & iPad)。彼らの間にいるテリー・ライリーはたまに横を向き、まるで彼らの心の中を覗いているかのような表情で演奏しています。

テリー・ライリーの、同じ短いフレーズをアレンジしながらひたすら繰り返す音楽に集中していると、聞いている側も少しづつトランス状態に誘われていく感があります。音に連れられ導かれるのは、裸のままの心の世界。

背後にある横尾さんの絵も、スパイラル状の世界が描かれていたり、惑星や光がふわふわと浮いているような独特の世界観。そこに音が加わることでより立体感や動きがあるように見えてくるから不思議です。

揺らぎ踊る音に同調して、ゆるやかに動き始める絵。互いがそれぞれに命を吹き込み溶け合っている、そんな空間に身を置きながら私たちも次第にその渦の中に取り込まれていく…凄い体験です。

奇跡のコラボレーション「Project 173」。この夜、神戸の横尾忠則現代美術館からスタートし、豊島横尾館で5日、6日にも行われて大好評だった様子。

現在もおふたりでアイデアを深めている段階で、この先、あっと驚くような凄いことが実現するかもというお話ですよ。勝手にあれこれ想像しながら、次の企画がもう待ちきれません。

「Project 173」、一体これからどんなことが繰り広げられていくのでしょうか。とにかく、歴史に残る奇跡のコラボが更に展開されることは間違いなしですね。皆さん、これはもう要チェックですよ!

旅するフォト&ライター(神戸市)

旅なしに人生は語れない、ノマド系フォトライター。国内から世界各国まであちこち歩きまわって取材する、体当たりレポートを得意とする。趣味は美味しいもの食べ歩き、料理、音楽、ダンス、ものづくり、イベント企画などなど、気になる物には何でも手を出してしまう。南国気質で、とにかくマイペースな自由人。

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