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これぞ神戸!活気にあふれる南京町、元町商店街の人混みをかき分けて神輿がやって来た日【神戸市】

Hinata Yoshioka旅するフォト&ライター(神戸市)

生田神社の氏子による、神輿などの行列が街を練り歩く「生田祭神幸式」。今年の当番「元栄海・波止場地区」においては15年ぶりの開催だそうです。

今回はメリケンパーク「海洋博物館」を起点に元町商店街や南京町、そして生田神社へと向かうルートだったのですが、この日は元町商店街から行列を追いかけてみました。

元町1丁目では、猿田彦大神が行列の先頭役となり清祓いをしながら歩かれていました。赤いお顔のお姿は少し怖くて泣きそうなこどもたちもチラホラ。

猿田彦大神にまたいでもらうと良いらしく、こどもが地面に寝っ転がった上を神様がまたいで通る姿が見られましたが、ちょっと驚きの光景ですね。その後は行列の後を追いかけて、南京町の真ん中にある広場まで向かいました。

猿田彦大神の舞や、獅子舞も登場して場が湧き立ちます。演目が幾つか続いたのち暫くして遂に神輿が登場、人々がひしめく中を神輿が威勢よくやって来ました。

中央の南京町広場へと到着して歓迎を受ける神輿衆。中華街の顔とも言える中国風東屋(あずまや)と神輿が並ぶ姿は圧巻で、とても神戸らしい風景に嬉しくなってしまいます。

今回の、南京町でのお祭りを担当している「劉家荘」の劉さんの姿を発見、警察や神職の方々と笑顔でやり取りをしている様子に何だか素敵な連帯感を感じました。皆が協力し合ってこのお祭りをしているのがとてもよく分かります。

「ホントは2020年にやる予定だったけど、コロナで3年延びて…ようやく開催できてジーンとしました。なんで中華街で神輿が入ってくんねんって話があるけど、僕たちもこの街の人間やからね。『神戸人』としてこういう事ができたのが嬉しい。消防団も警察署もみんな一生懸命やってくれてね、ほんまに」そう語る劉さん、隣にいた警備の人も話を聞きながらニコニコでした。

ここから神輿はまた街を練り歩き、大丸前の大きな交差点に出ました。車が全部止められ神輿が悠々と進んでいく姿を見て「そうそう、そうだよね」と頷きます。神様が町内を巡ってくださるありがたい時間、日常であって非日常のひとときです。

神輿はそこから「いくたロード」へと進み、大鳥居をくぐって真っ直ぐ山側へと向かいます。もちろんその先は生田神社。神輿は途中で何度も威勢良く跳ねるのを繰り返しながら、人混みにまみれて徐々に神社へと近づいていきます。

街は神輿の活気でとても華やいでいて、猿田彦大神のお清めもありどこか清々しさのようなものも感じます。街をゆく人々は足を止め、神輿の一挙一動を見守りながら拍手します。神社の手前でご神事が行われ、神輿は一旦休憩に入りました。

疲れ切った中に、スッキリとした表情をしている男衆。束の間の休憩を終えてこれからいよいよクライマックス、生田神社へ宮入りです。

暫くして大きく笛の音が鳴り、男衆が構えます。桜模様のハッピを着た女の子たちの歌が始まり、それに応えるように男衆の勇壮な歌が続きます。掛け声と共に神輿が担ぎ上げられるかと思うやいなや、神輿が空へ向かってほうり上げられました。

落ちてくる神輿をどすんと支える男衆、とにかく気合十分です。最後の力をふり絞って神輿を担ぎ、掛け声が境内いっぱいに響き渡ります。最後は拝殿の中まで神輿が運び入れられ、ご神事で無事終了となりました。

「今日は天気も良くて、久しぶりの生田祭。気合も入っていい祭りになった。これをきっかけに世の中を引っ張って、元気にせなあかん!」と、今日の神輿委員長、辰巳さんの晴々しい表情。

元栄海・波止場地区の皆さん、今日は本当にお疲れ様でした。また、11年後を楽しみにしていますね!

旅するフォト&ライター(神戸市)

旅なしに人生は語れない、ノマド系フォトライター。国内から世界各国まであちこち歩きまわって取材する、体当たりレポートを得意とする。趣味は美味しいもの食べ歩き、料理、音楽、ダンス、ものづくり、イベント企画などなど、気になる物には何でも手を出してしまう。南国気質で、とにかくマイペースな自由人。

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