Yahoo!ニュース

【ほぼ100均】理系ライターがペットのことを考え抜いて作ったキャリーの底に敷く防災ポーチの作り方

いわさきはるかサイエンスライター
100均クッションポーチで作るペット用防災ポーチ

自然災害等で避難した際、人間の支援物資は比較的早く届きますが、ペット用のものはなかなか手に入らないのが現状です。このため「ペットがいるから避難できない」とあきらめている人も少なくありません。

しかし、キャリーバッグに2、3日生き延びるための最低限のものだけでも準備できていればペットとの避難を迷わなくて済みます。そこで、猫を2匹飼っている理系ライターの私が持っている知識と経験を総動員して、キャリーの底にしいておける防災ポーチを作ってみました。

クッションポーチを始め使っている商品の多くは100均で購入したものですので、必要なごはんなどをカスタムすれば誰でも簡単に作ることができます。本当に危険なとき迷わずペットを連れて逃げられるように、ぜひ作ってみてください。

100均にも役立つ商品たくさん!ペット用防災ポーチの中身

防災ポーチに私がいれたもの
防災ポーチに私がいれたもの

まず防災ポーチのポーチ本体は100均で購入したクッションポーチを使いました。小型のノートパソコンなどを入れるもので、ふわふわで厚みのある生地なので多少引っかかれたり噛みつかれたりしてもやぶれることはありません。表面の布は少し撥水性がある感じで、ペットがおしっこをもらしてしまっても中身が濡れることはなさそうです。

このクッションポーチにペットと避難したときに必要そうなものを詰めていきます。最低限、ペットシーツと液状おやつがあればよさそうですが、私は以下のようなものをつめました。

  1. ペットシーツ
  2. ごはんとおやつ
  3. 折り畳みシリコンカップ
  4. 布テープ
  5. 防臭袋
  6. ウェットティッシュ
  7. 圧縮タオル

ペットシーツとごはんとおやつ以外はすべて100均の商品です。

緊急時には絶対食べる大好物を

ペットは避難時の環境変化によって普段のごはんは食べられないこともあります。特に猫の場合は48時間以上何も食べないと肝リピドーシス(脂肪肝)のリスクがありますので何かしら食べさせることが不可欠です。このため、避難時には「どんなときにでも必ず食いつく大好物」をいれておくようにしましょう。

液状おやつのように開けて直接食べられるおやつなら良いのですが、ウェットフードのパウチは食べる際に食器が必要です。

100均のペット用シリコンカップ
100均のペット用シリコンカップ

100均のペットコーナーに売られている折り畳みシリコンカップはぺこぺこ押し出すことで、水やごはんを入れられます。ただし、軽く倒れやすいので布テープなどで底を固定してあげると食べやすいでしょう。

厚紙に巻いておくとコンパクト(シリコンカップについてた厚紙を使用)
厚紙に巻いておくとコンパクト(シリコンカップについてた厚紙を使用)

布テープはこのほかにもキャリーが壊れた際の補修や、目隠しの仕切りを作るときなども役に立ちます。人間も使える場面が多いので、ぜひ入れておきましょう。そのままだとかさばりますが、厚紙に巻きなおすことで必要な量だけコンパクトに持ち歩くことができます。

清潔を保つグッズも大切

避難時、ペットが行動できるスペースは限られています。不潔な環境はストレスの元となるだけでなく、ペットと飼い主の健康も脅かします。このため、キャリーの中や食器はなるべく清潔にしてあげられるよう水が十分になくとも清潔に保てるグッズを多く取り揃えていました。

ペットシーツやウェットティッシュは水がない状況でも清潔を保つのに役立ちます。さらにそれらのゴミが臭わないよう、防臭袋もあると便利です。

最後に書いた圧縮タオルは少し水を含ませると小さめのフェイスタオルくらいの大きさになるものです。

大さじ1くらいの水でこれくらいの大きさに
大さじ1くらいの水でこれくらいの大きさに

ウェットティッシュより大きいのでおしっこをもらしてしまったときなど大幅な汚れに使えます。かなり厚手なので慎重に洗えば複数回利用も可能です。何枚か使ってキャリーの目隠しもできます。

防災ポーチをキャリーにいれて手の届くところに置いておこう

防災ポーチをキャリーの底に敷いてみたようす
防災ポーチをキャリーの底に敷いてみたようす

ご紹介した防災ポーチは必要なものをすべて入れても2cmほどの厚みなので、キャリーの底においておいてもそれほど邪魔にはなりません。常にキャリーに入れて、できるだけ手の届くところに置いておくようにしましょう。

キャリーは開けっ放しにして、普段から入れるようにしておくのがおすすめです。キャリーに慣れておくことは、緊急時のストレス緩和にもつながります。

普段からキャリーの中に入って遊ぶ我が家の猫
普段からキャリーの中に入って遊ぶ我が家の猫

なお、おやつやフードには消費期限がありますので気を付けておきましょう。人間と同様、ローリングストックを行うと便利です。おやつをあげるときはこの防災バッグから出したものを食べさせ、新しいものを追加しておくようにしてください。常にキャリーの近くで食べていれば、キャリーへの印象も良くなります。

防災ポーチを常にキャリーに入れておけば、キャリーにペットを入れるだけで避難ができます。被災時は飼い主もペットも動揺して冷静に動くことが難しいもの。なるべくやることをシンプルにしていざというときに備えましょう。

サイエンスライター

保護猫2匹と暮らす理系ライター。猫や犬などペットとして身近な動物の研究をわかりやすく発信します。動物に関する研究は日々進んでいます。最新研究を知っておくと、きっとペットとの生活がより豊かなものになるはず。読めば人も動物もWin-Winになるような記事を書いていきたいと思います。

いわさきはるかの最近の記事