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農薬や除草剤の批判をする前に恩恵も考えるべきではないか

かーびーファームインタープリター/自然農YouTuber

批判はするけど自分ではやらない人々

除草剤を批判している人のうちどれだけの人が米作りや野菜栽培を自分でやっているのだろうか

除草剤を使わずに米作りをすること自体はそう難しく無いです。

難しくないというのはただ育てるだけならということで、そこから収穫量をいかに増やせるかで大変さや難しさが上がっていきます。


そこで稲が草に埋もれるほど雑草を生やしてしまうと圧倒的に収穫量が減ります。

経験にもとづく感覚的な話になりますが、草を生やさずに育てられた場合の半分以下になる。

※基準が無農薬無施肥での収穫量目安が1反(1,000平方メートル)当り玄米で180から240キロで、草が生えるとここから更に半分くらいになるイメージです。

ちなみに2020年に畑から転用した田んぼで1年目の無農薬無施肥栽培では草は抑えられたものの、収穫量は1反当り玄米120キロほどしか取れなかったこともありました。

その様子はこちらの動画でシリーズにしたあります。

そしてこの動画の田んぼは諸事情により1年で地主さんにお返しすることになり、2021年からは別の田んぼでの米作りを始めました。

2023年は水管理と初期除草のタイミングをミスりコナギがかなり生えてしまい汗だくになって除草するも、やってもやっても生えてくる状態に陥り断念。

ここまで5〜6回、1回2から3時間ほど草取りに田んぼに入ってます。

暑いし痒いしとにかく大変。

2023年8月7日の田んぼの様子。初期除草と水管理がうまくできず手除草をなんども行ったけれどコナギ(ハート形の葉っぱ)が増えてしまいました
2023年8月7日の田んぼの様子。初期除草と水管理がうまくできず手除草をなんども行ったけれどコナギ(ハート形の葉っぱ)が増えてしまいました

コナギは水の中に生えるので中干しして水を切ったら弱るかと一縷の望みで中干し開始。

10日ほどやってやや弱ったけど大した効果なし。

これ以上やっても稲が先にダメになりそうなので水入れ再開。

その後、予想よりはマシな生育をしてくれて収穫に至ったものの、雑草管理がバッチリ決まった2022年の豊作時に比べると3割ほど少ない結果となりました。

収穫前の田んぼ。手除草頑張った成果でヒエなどの雑草は見当たりませんが、2022年に比べて全体的に稲穂が小ぶりです。
収穫前の田んぼ。手除草頑張った成果でヒエなどの雑草は見当たりませんが、2022年に比べて全体的に稲穂が小ぶりです。

籾の状態で30キロ入る米袋8袋分の収穫で籾摺りして玄米にすると120キロくらいでした。2022年は籾で11袋分くらい採れたので玄米換算で150キロ以上はあったはず。
籾の状態で30キロ入る米袋8袋分の収穫で籾摺りして玄米にすると120キロくらいでした。2022年は籾で11袋分くらい採れたので玄米換算で150キロ以上はあったはず。

ちなみに現代日本の慣行農法(農薬肥料使う)での米の全国平均収穫量はおよそ玄米換算で1反540キロくらいなので、無農薬無施肥で私が栽培して良く出来た場合(1反換算だと240キロくらい)の2倍以上です。

やり方次第では900キロくらい採ったりするので本当に現代の技術はすごいもんだなぁと自分でやってみてるからこそ思います。

穀類の栽培は本当に小規模になるほどに効率が悪くなる。

そんな中で無農薬無肥料除草剤不使用の栽培を続ける意味を自問自答し続けております。

ファームインタープリター/自然農YouTuber

愛知県西尾市にて自然農を実践してます。 農を切り口にして自然の面白さや大切さを伝える情報発信や体験イベントも行い、 農の楽しさを伝える『ファームインタープリター』を自称してます。 『野菜を売らない百姓』でもあり、 売らなくても良いからこそ自然農にまつわる色々な実験や研究をやって その様子をYouTubeにて発信しています。

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