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メタバースやものづくりで使える?最新3Dスキャナーを一度挫折した人が確かめてみた

木村ヒデノリテックジャーナリスト/兼業主夫

いつかは自分のフィギュアを作りたいみなさんこんにちは、テックジャーナリストで兼業主夫のヒデです。8年前に早まって高額な3Dスキャナーを買ったものの1回しか使わずにお蔵入りにさせたことがあります。それから数年、3Dプリンターには見向きもしなかったのですが、最近の進化がすごくて再び興味を持ち始めました。

こちらの3Dスキャナーは国内向け出荷前なんですが、海外ではもう発売されています。こういうのがあれば、例えば好きなフィギュアやパーツをスキャンした後に組み合わせてアレンジして自分のアバターにしたり(※著作権には注意)、ガンダムをスキャンしてそこにピッタリ合うパーツを作ったりできますよね。

業務用で有名な会社が出す本格3Dスキャナー、子供が作った工作や手足の大きさとかも保存しておけたらロマンがありますね!

どっしりしていかにも業務用感のある3DMakerpro Whale
どっしりしていかにも業務用感のある3DMakerpro Whale

上の三つ横並びが近接、一番上と下の二つのレンズが遠距離用のカメラです
上の三つ横並びが近接、一番上と下の二つのレンズが遠距離用のカメラです

1kg超えているので片手で持つには少し重い印象
1kg超えているので片手で持つには少し重い印象

ネジは普通の1/4ネジなので、付属のものが嫌な場合はカメラ用自由雲台もつけられます
ネジは普通の1/4ネジなので、付属のものが嫌な場合はカメラ用自由雲台もつけられます

最新のスキャナーは素人でも色々遊べそう!

僕が8年前に使っていたやつはこれ。ものすごく高かった割にすぐずれるんですよ。3Dスキャナーはもうこのズレとの戦い。これがこちらのWhaleではかなり優秀になっている。年月って素晴らしい。

こんなのでも昔は高かった...
こんなのでも昔は高かった...

リアルタイムでポリゴン化できるけど、大きい被写体でもこのくらいのクオリティになってしまう(引用: Adam Savage's Tested https://youtu.be/mnOzzbl0Uqw)
リアルタイムでポリゴン化できるけど、大きい被写体でもこのくらいのクオリティになってしまう(引用: Adam Savage's Tested https://youtu.be/mnOzzbl0Uqw)

今回惹かれたのは近距離用と遠距離用の二つのカメラが付いていて、1.5cm〜2mまで対応できる点。小さいものも高精細ということだったんですが、もしかすると僕の個体の差で目元や髪の毛がそこまですごく精細にはならなかったのが少し残念。

目までスキャンできたら良かったけど...服の皺などはしっかりとスキャンできていて優秀
目までスキャンできたら良かったけど...服の皺などはしっかりとスキャンできていて優秀

コップのようなオブジェクトはかなり綺麗にスキャンできました。お気に入りのコップを拡大印刷して植木鉢として使う、みたいなことはできそう。

スキャン仕立ての状態だと荒く見えますが、仕上げをかけると下のように素晴らしい状態に
スキャン仕立ての状態だと荒く見えますが、仕上げをかけると下のように素晴らしい状態に

ちょっとだけスキャン、を繰り返して後で合成できるのが優秀

素人にも優しいなと思ったのが、ソフトウェアの有能さ。シンプルな見た目で高機能なので、挫折は昔よりだいぶしなそう。特に自動アラインメントというスキャンデータ同士をくっつけてくれる機能が優秀。これがあるので無理してぐるぐる撮らなくても片面撮影、もう1面撮影、後で合体!ができる。

パッケージにはターンテーブルや三脚も付属
パッケージにはターンテーブルや三脚も付属

しっかりしたケースに入ってくるので、建築系など業務で使う人には嬉しい
しっかりしたケースに入ってくるので、建築系など業務で使う人には嬉しい

一番便利なのはターンテーブル上にものを載せて自動で回転させたまま、ハンディでスキャナをかざしてスキャンする方法。これなら1度で横からと上の方まではスキャンできるので、あと1回横に倒してスキャンするだけで完了するので簡単です。

大きなものほど精細に!メタバースやものづくり用途には十分使える

先ほど目のあたりの精細さが惜しいと書いたんですが、実際はあれにテクスチャと呼ばれる立体の写真が貼られるのでかなりリアルになるんですよね。だからアバターに使うならあれくらいでも十分。3Dプリンタで出力しようとすると、ちょっと無理があるけど石膏像程度のディテールなら本物をそのままコピーしたような再現度となります。

高さが30cm以上のものであればかなり高精細にスキャンできると思います。
高さが30cm以上のものであればかなり高精細にスキャンできると思います。

使ってみた感じだと大きめのものの方がディテールが損なわれない印象があるので、そういうものをフリマで見つけてきてアバター作るのは面白そう。

寸法もかなり正確なので、バイクカスタムのベースはスキャンしちゃうというのもありかも。いちいちモデリングして設計してたら面倒ですからね...苦笑

というわけで表題に戻りますが、メタバースやものづくり用途には断然アリです!

デメリットはというと、ちょっとソフトウェアが荒削りなところ。この辺りは日本への出荷までにアップデートしておいてほしいです。あと筆者の環境がMacだったのですが、Windowsで使っている人よりも少し遅く感じました。パソコンのパワーは必要なのでそこは注意が必要です。

この後もう少し色々な用途で使ってみるつもりなので、続報をお待ちください。

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著者SNS
Instagram: ヒデ-兼業主夫の日常@hidenori.kimura
Twitter: ヒデ-ただの兼業主夫@hidenorikimura
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テックジャーナリスト/兼業主夫

バークリー音楽大学映画音楽作曲科卒。ガジェットレビュワー/兼業主夫。家事育児をしながらレビュー記事や動画を作っています。ガジェット好きが高じて築50年団地をスマートハウスにリノベしたら沸騰ワード10で紹介されました。家事時短できる製品から育児に役立つハイテクおもちゃまで幅広く紹介していけたらと思っています。

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