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【博多の郷土料理】ごまさばの作り方、マサバの刺身用さばき方とアニサキス対策

筋肉料理人料理ブロガー、料理YouTuber
博多の郷土料理「ごまさば」は、さばの刺身をごまタレに漬けて作ります。

こんにちは、筋肉料理人です。今日は博多の郷土料理、ごまさばの作り方を紹介させて頂きます。「ごまさば」と言うとサバの品種の一つである「ゴマサバ」(腹にゴマのような模様がある)を思い浮かべられるかもしれませんが、博多の「ごまさば」はマサバの刺身をごま風味のづけタレに漬けたものです。

福岡県周辺では冬に美味しい刺身ナンバーワンと言ってよく、この季節の楽しみになっています。その美味しさは刺身好きの方が初めて食べると目が丸くなるほどで、お酒にもご飯にも合います。ごまさばを食べる為に九州旅行に来る方も多いと聞きます。

ごまさばは刺身用のマサバをさばいて作ります。
ごまさばは刺身用のマサバをさばいて作ります。

マサバの旬は秋から冬場にかけてで、9月末ごろから2月にかけて刺身で食べられますが、やはり美味しいのは12月過ぎてからです。本格的に寒くなるとぐんと脂がのり、身の旨味が増してきます。

アニサキス

私は九州在住ですので、さばの刺身は当たり前のように食べてきましたが、九州以外ではさばを刺身で食べないと聞いて、昔は不思議に思っていましたが、近年の研究でマサバに寄生するアニサキスの種類が太平洋側と日本海側で違う事が確認されたそうです。

アニサキスは通常、内臓に食いついていて身にはいないのですが、太平洋側のマサバに寄生するアニサキスは身に移りやすく、日本海側、九州近海のサバに寄生するアニサキスは身に移りにくいのだそうです。それを聞いて納得しました。私は今まで数多くのマサバをさばいてきましたが、刺身用のマサバでアニサキスが身に入っているのを見たことが無いからです。

アニサキス対策

そういう訳で、九州のマサバについているアニサキスは身に移りにくく、昔から刺身で食べられてきたのですが、それでもアニサキスに対する対策は必要です。

※刺身用のマサバを使う。
魚屋さんで買ったら、
温度が上がらないよう、
氷で冷やしながら持ち帰ります。
持ち帰ったら、その日のうちに料理して食べます。
魚の温度が上がる前に内臓を取りだす。

これが第一の対策になります。アニサキスは魚が死ぬと動き出して身に移ります。おそらく死んだ魚から脱出しようとするのだと思いますが、魚が冷たいうちは動きません。ですので、内臓を取り出すまで冷たい状態を維持すのが大事です。内臓を取り出したら、魚の腹腔内を流水で洗い流します。そしてもう一つ大事なのが、調理器具や手、調理台も清掃する事です。アニサキスは糸くずみたいな寄生虫なので、まな板や包丁、手にくっついていることがあります。ここも注意が必要です。

マサバのさばき方、さばいた身を使ってごまさばを作る方法を紹介しますが、その前に動画をご覧ください。動画を観た後の方がわかりやすいと思います。

マサバのさばき方

1)マサバの腹を開いて内臓とエラを取りだし、流水で腹腔内を洗い流します。

2)頭を切り落とし、三枚におろします。

3)マサバは皮が二重になっていて、外側に半透明の薄皮、下に銀皮があります。刺身にするにはまず、薄皮を剥きます。

4)腹骨を切り取り、身の中央にある小骨も切り取ります。

これで刺身に切る準備ができました。さばいた身は金属製のバットにのせ、冷媒の上に置いて冷やして鮮度保持します。

刺身用のマサバはなかなか手に入らないと思うので、冷凍の刺身用マサバもあるようですから、もし、手に入ったらそれでも大丈夫です。

【博多の郷土料理】 ごまさばの作り方

材料2人分

マサバの刺身用ブロック 200g

わさび、大葉、刻みねぎ、揉み海苔 適宜

A

しょう油、みりん 各大さじ2

すりごま 大さじ1

旨味調味料 2~3振り

作り方

1)漬けタレを作ります。ボウルにAを入れて混ぜ合わせておきます。※漬けタレはすりごまでなく練りごまを使ってもいいです。みりんのアルコールが気になる時は、煮切ってから混ぜてください。

2)マサバの刺身用ブロックを刺身に切ります。1センチちょっとの一口大に切ります。一切れ12~15g位です。切った刺身を1)の漬けタレに漬け、冷蔵庫で15~30分漬けます。15分漬ければ十分だと思います。

3)皿に大葉を敷いてごまさばを盛り付け、上に刻みねぎをちらします。その上に揉み海苔を山盛りのせ、わさびを添えたら完成です。

ごまさばのできあがり。
ごまさばのできあがり。

わさびをつけて、揉み海苔をまぶして頂きます。
わさびをつけて、揉み海苔をまぶして頂きます。

博多の郷土料理、ごまさばの出来上がりです。マサバの刺身はごま風味の漬けタレの効果で生臭さが消え、ごまと海苔の風味で口に入れた瞬間に美味しい!そして噛むとサバの脂と身の濃厚な旨味が舌から脳天に突き抜けるように美味しいです。燗酒をすすりつつ食べると手が止まりません。そしてごまさばを更に美味しく食べられるのがアツアツの白ご飯です。ご飯にのせて食べると最高!丼飯2杯はいけます。

こんな風に美味しいごまさばは、九州の刺身好きに取って冬の楽しみになっています。毎年食べていますが、私の周りでアニサキス症になったって話は一度も聞いたことがありません。ですがニュースでは年に何度かは見るので、アニサキス症には注意が必要だし、もし、アニサキス症になった時は病院に行って内視鏡治療で取り除いてもらわないといけませんが、正露丸がアニサキス症に効くらしいので、疑わしい時は正露丸を飲んでから病院で診てもらうのも一つの方法かもしれません。

サバの刺身、ごまさば、フグの刺身、地鶏の刺身、ちょっと危ない料理は作るのに知識と技術がいりますが、味は美味しく、魅力的ですね。

料理ブロガー、料理YouTuber

料理ブロガー、調理師、料理研究家。フィットネス全般の愛好家。料理レシピ開発、料理教室、料理イベント、料理の撮影、スタイリングなどを手掛ける。プロフ名の筋肉料理人は、30年以上続けている筋トレを捩ってつけました。目標は70歳でベンチプレス100キロです。

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