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【土浦市】3/3まで「まちかど蔵 大徳」にて、有名人形師・仲秀英が手がけた雛人形を特別展示中

コイケケイコ土浦在住ライター(土浦市)

「土浦の雛まつり」といえば、例年100店以上が参加するとても華やかなイベントですが、新型コロナ感染の防止対策の一環で残念ながら今年の開催は見送りとなりました。イベント自体は中止となりましたが、「季節の雛飾り展示」として一部店舗や施設では大切に保管している雛飾りの展示を行っています。

「土浦まちかど蔵 大徳」では、人形作りの名工が手がけた雛人形を展示

土浦市観光協会の事務所も置かれている「土浦まちかど蔵 大徳」では、土浦の商家・野村家に伝わる明治時代の雛人形が3月3日まで展示されています。

江戸時代後期の呉服店を改装した蔵は、国登録の文化財。その貴重な雛人形は蔵のさらに奥の袖蔵に。

こちらが明治時代に作られたという雛人形ですが、お内裏様、お雛様がお召しになっている衣裳や顔立ちがとても良く、髪の乱れもほとんどありません。

1段目がお内裏様とお雛様、2段目が三人官女と3段目が5人囃子です。2段目には随身(ずいじん)といって、五段・七段飾りの場合には四段目に置かれることの多い、お内裏様のガードマンのような存在の人形も飾られています。

雛人形を収納した箱の中にある作者札を見ると、「仲秀英作」とあります。仲秀英氏は、江戸時代末期から明治にかけて名工と呼ばれた山車人形師で、仲秀英の名を襲名した人形師は3代に及んだといいます。

この雛人形を手がけたのは3代目のものと考えられていて、氏は明治17~20年ごろに近隣の火災事故で死去されたということから、少なくとも140年前の作品となります。

切れ長の目と三角のすっとした鼻立ちは、仲秀英氏の作品の特徴のひとつ。人形好きな方の中では崇敬される氏の作品を楽しみに遠方から足を運ぶ人もいらっしゃるそうです。

「土浦まちかど蔵 大徳」には、恒例となっている干支雛も飾られていました。今年は寅年なので虎のお内裏様とお雛様。にっこりとほほ笑む姿がかわいらしいです。

その奥には土浦のイメージキャラクターであるつちまるときららちゃんの雛人形も飾られています。

「土浦まちかど蔵 大徳」以外でも17店舗で店頭や店内で雛飾りを展示しています。

<主な雛飾り展示>

■土浦市立博物館(3/3まで) 江戸時代後期~明治時代の雛人形(3組)展示

■上高津貝塚ふるさと歴史の広場(3/5まで)縄文ファッションのお雛様・縄文土偶のお雛様展示

■前野呉服店(3/3まで)「平成11年生雛人形」展示

■小町の館(3/3まで)ギャラリーに雛段飾り展示 ほか

どの施設やお店も「少しでも季節の雰囲気を味わってもらえたい」という心配りから雛飾りの展示を行っています。

コロナ禍が1日も早く落ち着いて、来年こそは例年通りの華やかで美しい「土浦の雛まつり」を楽しめますように。

取材協力
土浦まちかど蔵 大徳
住所:茨城県土浦市中央1-3-16
電話番号:029-824-2810
開館時間:9:00~18:00
休館日:年末年始
見学料:無料
駐車場:あり(無料)
ホームページ:https://www.tsuchiura-kankou.jp/machikado_kura/

土浦在住ライター(土浦市)

土浦市在住のフリーランスの編集・ライター。海外・国内の旅行関連のガイドブックや書籍制作をはじめ、ブライダル情報誌の編集にも携わる。食べること・飲むことが好きで、趣味が興じて最近では食を中心にWEB、紙媒体などで取材執筆活動中。地元土浦の飲食パトロール、歴史やカルチャー学習も積極的に行っています。

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